- shiyamoshin
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前のまとめ
弁護士、海事補佐人、専門職大学院客員教授、社外取締役、社外監査役、社会福祉法人理事、学校法人監事など。普段は人事労務関係の仕事を多く扱ってます。
何を今さらシリーズ①海上保安大学校西村知久准教授「漁船清徳丸は何故イージス艦あたごの艦首を横切ろうとしたのか?」(日本船長協会月報2015年12月、2016年1月合併号)なる論考に接した。
2016-05-31 22:19:26漁船清徳丸は何故イージス艦あたごの艦首を横切ろうとしたのか?
何を今さらシリーズ②あたご事件では、弁護側は「あたご後方を安全に航過する進路にあった漁船清徳丸が、直前に2回右転した結果、あたごに衝突した」と主張した。これに対し、検察側証人の海上保安官達は「清徳丸がそのような不自然・不合理な右転をするはずが無い」と口を揃えて証言していた。
2016-05-31 22:25:35何を今さらシリーズ③ ところが、西村准教授は、清徳丸があたごの2つのマスト灯の距離が通常の船より狭いことから清徳丸があたごの進路を誤認した可能性があるとして、「清徳丸があたごを避航しようとして右転しようとしたことは、決して不自然な行動だとは言い切れないものと考えます」と述べる。
2016-05-31 22:29:03何を今さらシリーズ④ 清徳丸によるあたごの灯火の見誤りの可能性については、弁護側が事件当時から主張し、東京高裁判決でもその可能性に言及しているところであり、西村准教授の考察を待つまでも無い。問題はその後の記述である。
2016-05-31 22:32:59何を今さらシリーズ⑤ 西村准教授はこう結ぶ。「実を申せば、筆者は、あたごと清徳丸の衝突の3日後に報道されました(中略)記事を読んで、金平丸と清徳丸は、あたごの前後部マスト灯の水平間距離の狭さに惑わされたのではなろうかとの考えに至っておりました。」
2016-05-31 22:37:53何を今さらシリーズ⑥ 西村准教授「本来であれば、あたごと清徳丸の衝突事故後、速やかに操船シミュレータによる実験を実施し、事故原因について検証すべきだったのですが、諸般の事情により、高裁判決を待ってからの実施となってしまいました。」
2016-05-31 22:41:08何を今さらシリーズ⑦ 海上保安大学校が、当時、本来行うべき検証を行い、少しでも事故の真の原因究明に注力してくれてれば、被告人や漁船ご遺族、関係者が、検察と海上保安庁の、科学的根拠に基づかない、捏造された証拠に基づいた、荒唐無稽な主張に何年も振り回されることは無かったのでは無いか。
2016-05-31 22:47:41何を今さらシリーズ⑧ 西村准教授の「自分は気づいていた」との自慢?から分かったことは、海上保安大学校には、事故の3日後には既に清徳丸による灯火の見誤りの可能性に気づいていた者がいたのに、「諸般の事情」により原因究明のための操船シミュレータ実験すら行わなかったということである。
2016-05-31 22:52:34何を今さらシリーズ⑨ あたご事件では、検察や海保のレベルの低さに愕然としたが、海保大准教授の「事故の3日後には清徳丸によるあたごの灯火の見誤りではないかと気付いていたが、原因究明のためのシミュレータ実験を「諸般の事情」で行わなかった」には改めてがっかりした。何を今さら、である。
2016-05-31 22:57:39