アヒルさんチームの根性とスポ根について
なんだかんだでTV版限定の名ゼリフランキングなら「東京体育館!あるいは代々木第一体育館!」がぶっちぎり1位というくらい体育会系好き。アンツィオを含むと「もう一度最初からだ!」も入ってくる
2016-01-31 09:57:31あひる㌠の「つまり(あとは)根性」だけど、あれはめちゃくちゃいい精神論の使い方をしている、と少年漫画などの根性描写にはうるさい人間からすると、実はネタに留まらない面白さを見付けられる。劇場版ではキャプテンが知波単にお説教までするように、彼女たちは適切に精神論を「使いこなしている」
2016-02-01 03:31:39精神論とは「理屈抜きで」という意味で考えられがちだが、どちらかというと「直観」である。やった後から分析すれば説明できるかもしれないけど頭が追いつかない判断、というのが直感で、適切なトレーニングを詰んだ人間にとってはだいたいこの直観が理性より正しい。だが人は説明できないことを(続
2016-02-01 03:36:11続)恐れる性質があるので、「直観が正しい」場合に精神的ブレーキ(実力のキャップ)を外すために「根性」が必要になる。例えば「たぶん100点はいける」と確信してる際に「でも理論的に確実に保証できるのは55点くらい…」という自信しか持っていない時は実際その55点付近の成績になってしまう
2016-02-01 03:39:56で、キャプテンは「よくわからなかったけどやればできることだ」とほぼ確信しているときに「つまり根性」「あとは根性」と指示している。これは知波単の精神論とは当然、非常に対照的で、つまり日本軍的な精神論とは「負けそうなのは直観でわかってるけどそれを忘れる」ために掲げられるものだからだ
2016-02-01 03:43:36八九式によるマウスブロックについては、手で押すこと自体に意味はないんだけど、八九式の作戦だけで見た場合は「無謀なことをやっているわけではない」ので、可能なできるかぎりのことを行わせつつ、あそこは操縦手以外にやることがないのでメンタルを保つために根性のついでに押してるっていう感じだ
2016-02-01 03:52:46ガルパンをスポ根ものとして観るならばアヒルさんチームがテーマ的な主役とも言えるはずで、蝶野大使がアヒルさんチーム好きというのも、単に体育会系の好みというだけで片付けず、つまりそこにもガルパンの面白さが詰まってるんだと解釈する余地があるはずなのだ
2016-02-01 03:58:23アンツィオ戦の「最初からもう一度だ!」もそれが顕著で、「不可能ではないと西住隊長は言っている」が、ふつうの人間なら「今までの苦労がムダだった、なんかもう疲れた」と理性では精神的ブレーキがかかる場面。でもそんなことは関係なくて、可能なことなんだから「最初からもう一度だ!」でいいんだ
2016-02-01 04:03:21スポ根って言葉を広めたスポーツ漫画のひとつが巨人の星で、でも編集者は「スポ根って呼ばれるつもりはなくてこれはヒューマンドラマだ」と思ってたそうだから(※飛雄馬はヒューマンのヒューマ)昔からスポ根のイメージ自体が少しズレてるんですよね twitter.com/5chneewei55/st…
2016-02-19 23:57:09ガルパンはスポーツものかもしれないがスポ根ものではないって脚本家が言ってて、それはガルパンが一生懸命根性燃やして頑張る話ではないからって説明されてて、一生懸命根性燃やしてもしょうがないのはみほの勝利と戦車道(大洗女子)の勝利がずれてるからで、帰還兵もの文脈での理解のほうが正しい。
2016-02-19 23:35:45ガルパンはミリタリってことで(悪い意味での)精神論は感想から退けられがちだけど、「気持ちが強い方に勝利が傾く」という演出になってるのは確かで、だからTV版のアヒルさんチームは好きなんだよなあ(劇場では福田との対比でこういうのは控えめ)twitter.com/izumino/status…
2016-03-19 01:02:54twitter.com/izumino/status… このときのは比較的リアリズム寄りのアヒルさん語りだけど、これもまとめ直したい感想のひとつ
2016-03-19 01:08:22アヒルさんチームについてはよく考えています。いま考えてるのは四人の性格分け。 根性を言い出すのはキャプテンで、バレーに対しても最も純粋(後輩は割とバレー意外のことも話す) あけびは泣き虫だけどキャプテンの言うことはよく聞く 近藤妙子はわりと常識人。澤ちゃんと相談したりするらしい
2016-06-01 02:09:33河西忍もわりと常識人で、麻子を尊敬してるところは体育会っぽい。 こうして見ると、チームとしての一体感はすごくあるのに全員が根性言ってるわけじゃないって感じなのがわかる
2016-06-01 02:13:08磯部典子の言う根性はかなり包括的な概念であり、ちょっとだけ頭使って後は根性という名台詞があるが、作戦やフォーメーションが好きなのもバレー部の特徴であり、おそらく作戦を思い付くことすらも「根性」に含まれている
2016-06-01 02:15:34つまり磯部典子は「頭を使っている、という自覚なく思考を行う」人間であり、自分が考えているということを意識しない。全ての思考過程や行動を根性で済ますことができる。こうした思考パターンには見習うべき点が多いのではないだろうか
2016-06-01 02:21:47あけびは気弱だが典子の示した道は信じる(意味がなくても砲塔を押すのがあけび) 妙子は根性というより陽性の楽観論者で、逆境に挫けない 忍は逆にニヒルというか、逆境を意識して自分を追い込むタイプっぽい やはり全員タイプが違ってて、初見では判別不能なくらいなのに性格分けがちゃんとある
2016-06-01 02:34:22ひとつのチームに性格分けがちゃんとある、というよりもこれがガルパンのキャラの回し方のいいところで、バレー部というひとつの人格をよっつに分裂させた結果のようなものかと。ぼくはユング心理学の影響が強いので、「桃太郎とお供は人格がよっつに分裂したもの」的な理解をしたほうが納得し易いのだ
2016-06-01 02:40:14だからアヒルさんチームのセリフで一番泣けるのは、打ち合わせもなく正念場で声を合わせて言う「そーれそれそれー!」なわけ(バレーボールにそんな掛け声は本来ないはずで、つまり「同時に複数人ぶんの掛け声を一気に、全員で言っている」という表現なのだろう)>分裂したひとつの人格
2016-06-01 02:48:34