気持ちの切り替えがうまくいかずにいる子どもから距離を置くことについて~北海道置き去り事件から~

「脅しとしての置き去り」は上手い方法ではありません。 何回かは劇的な効果があるので、すごく有効な手段のように思えますが、残念ながら「順化」っちゅうもんがあって、暴力的な手段はすぐに効果が減弱してしまい、それを補おうとより強い暴力的な手段に発展しやすくなってしまうのです。 じゃ、どうしたらいいのさ、という答えの一つが、このまとめです。
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dicegeist @dicegeist

気持ちの切り替えがうまくいかずにいる子どもから距離を置くことについて。 子どもに対する大人、大人に対する子ども、 お互いに相手が目の前にいると冷静に考えにくいので、距離を置くこと自体は大切なことが多い。 ただ、それが「罰」を志向するものだったり、大人の思い込みが絡むとマズイ。

2016-06-04 14:17:02
dicegeist @dicegeist

特に、子どもへの怒りのままに「置き去りにすれば懲りて反省するはず」という思い込みは厄介。 ある時期には、一時的にこうした置き去りの脅しがうまくいくこともあるけれど、遅かれ早かれ効き目は切れる。 そうなった時に「自分が思ったように子どもが反省しない」ことでますます怒りが湧く。

2016-06-04 14:20:17
dicegeist @dicegeist

怒って子どもから離れて、子どもがついてこないので戻って、もう一回怒り直す、という構造になる。 この根底にあるのは、「子どもは大人である私の言うことに従うのが正しく、そうするはずだ」という思い込み。 この思い込みを振り回している限りは、子どもは本当の意味で話を聞くことはない。

2016-06-04 14:24:01
dicegeist @dicegeist

だから、「子どもに大人の言うことを聞かせる方法」というのは、本質的に失敗しやすいのだろうと思います。 「言うことを聞かせよう」としてる限りはどこかでしっぺ返しがくる。 そうではなくて「状況を整え必要な予備知識があれば、子どもは自分で考えられるし、そうすることが正しい」と考える。

2016-06-04 14:27:11
dicegeist @dicegeist

こう考えることはつまり、大人が勝手に「こうするのが正しいはずだ」と思い描いたのと違うこと(例:置き去りにされてもすぐに大人に泣きつかない)を子どもが選ぶことを十分に予期すること。 「なんで言うことを聞かないんだ!」と怒るのではなくて、「どんなふうに考えるかな?」と関心を向ける。

2016-06-04 14:31:42
dicegeist @dicegeist

そのためには、差し迫った時間や、周囲からのプレッシャーがかからない状況で、「一人になった子ども」をじっくり行動観察できると良い。 できれば「解説」つきで。 こうすることで「子どもは大人の言うことを聞くはず」という思い込みを緩め、「子どもは自分で考えて行動する」という実感を持つ。

2016-06-04 14:35:30
dicegeist @dicegeist

また、世間の「大人が子どもを『しつけ』て、聞き分けよくさせなければならない」という圧力が最大の害悪。 そういう圧力をかけるのは、①そもそも子育てにじっくり携わったことのない人、②怒鳴りつけ・殴りつけて子育てしてきたしっぺ返しをまだ受けていない人、③勝手な思い込みを吹聴する素人。

2016-06-04 14:38:49
dicegeist @dicegeist

子どもにとっては、自分で考え、行動して、時には大人の目から見ると「失敗」とされる経験もすることが必要。 大人の仕事は、子どもが考えるヒントと、行動を試しやすい状況とを整え、「取り返しがつかない大失敗」を防ぐこと。 子どもを言いなりに従わせることではなくて。

2016-06-04 14:43:24
dicegeist @dicegeist

じゃあ、具体的にどうするか。 例えばお店のおもちゃ売り場から離れられなくなった子に、しばらくつきあった末に、「もういい!置いてくからね!!!」と叱りつけてから出るよりも、良さそうな方法。

2016-06-04 14:55:45
dicegeist @dicegeist

まずは、中立的なトーンで声をかけ、見通しを伝える。 「あっちで○○見てくるね。その間、ここで遊んで待っててもいいよ。 5分たったら戻ってくるよ。戻ってきたら、次の□□にいくよ」 と一文ずつ短く区切って伝える。 一旦離れて、本人がどんな様子になるかを観察する。

2016-06-04 14:59:49
dicegeist @dicegeist

この時点で、子どもがおもちゃに集中しきって、まるで周りを気にしていないようなら、かなりの苦戦を予想しておく(いきなり悲観的)。 先ほど時間の見通しを伝えた時計(もし都合よくあって、本人が時間の感覚を身につけていれば)を気にしている様子が見えたら、見通しは明るいかもしれない。

2016-06-04 15:02:42
dicegeist @dicegeist

ひとまずこうして、一旦離れて大人の側もクールダウンして、雲行きを掴む。天気予報を見てから家を出るように、子どもが切り替えやすそうかどうか、予測する。 覚悟してから本番に当たることで、気持ちの消耗を軽減する。

2016-06-04 15:05:12
dicegeist @dicegeist

さて、その後本人のところに戻って、「お待たせ。 じゃあ、次の□□に行くよ(ここは断言)。 これ、どこに片付けるの?片付けるの、手伝う?(こっちには選択の幅をもたせる)」 と声をかけてみる。 おそらく多くの場合、ここで「イヤ!まだ遊びたい!」と飛んでくるかな、と予測しておく。

2016-06-04 15:08:33
dicegeist @dicegeist

子どもから「拒否」が返ってきたときに、すぐにそれと戦わないのが大事なコツ。 「そっかー、楽しかったんだー。 これ、☆☆なの?いいねー。家にないもんねー」と共感。 ここで、『うん』と子どもが答えやすい、安心できるやりとりをできると、満足して切り替えがつきやすい。

2016-06-04 15:11:57
dicegeist @dicegeist

でも、そうは言っても、なかなかすんなりとはいかないことが多い。 『これ買ってー!』と。 「これ、いいもんねー。クリスマスにサンタさんにお願いする?」『イヤ!今日がいい!』「そっかー。じゃあ、お誕生日でもいいかもねー。今日は買えないよ。次の□□に行くよ。片付けて、おいでね」

2016-06-04 15:15:31
dicegeist @dicegeist

こんな感じで、 気持ちは受けとめ、要求は丸呑みせず、できれば逆接の接続詞(でも・だけど)や否定語が目立たないようにして、 予告していた次のところに大人は有無を言わさず向かう姿勢を示しつつ、本人に期待すること(片付けて後から来る)を短く伝える。

2016-06-04 15:17:51
dicegeist @dicegeist

歩きはじめたら、後ろから『買ってー!』と泣き声がが聞こえてくるかもしれない。最初の一回は首だけ振り向いて「行くよー」と涼しい顔で言えたら上々。スタスタ。 泣かずに遊び続ける子だと、根くらべ。こうなることは、さっき一回離れたときに予測してたかもしれない。安全を見守れるところで待つ。

2016-06-04 15:20:08
dicegeist @dicegeist

ここからが肝心。「ただ待つだけ」は子どもでも大人でも難しい。 そして「そのうち反省するはず」という思い込みをほぐしておかないと、だんだんフツフツと怒りが湧いてくることになる。 だから、予測する。クイズのように。 この後、何分ぐらいで周りを気にしだすかな?どんなことを始めるかな?

2016-06-04 15:25:01
dicegeist @dicegeist

こうすることで、「子どもが自分の意思でどんなことを考え、どんな行動をとるかを予測するなんてとても難しいこと」がよくわかる。 その上で、子ども予想外の行動・発想の中の「おもしろい部分」も見えてくるかもしれない。 その子どもは、自分とは違う、意思を持った一人の人だと感じる。

2016-06-04 15:28:27
dicegeist @dicegeist

いったん距離を置く時間が、「自分の思い描いた通りに子どもが反省するはず、という思い込みが外れる時間」になってしまわずに、 大人の側もクールダウンして、子ども自身の考え方の違いが見えるようになること。 そうする間に子どもが気持ちを切り替えて追いかけてきたら、「よく来れたね」と。

2016-06-04 15:32:19
dicegeist @dicegeist

怒鳴りつけて子どもを動かす方がはるかに手っ取り早いのだけど、 子どもが自分で気持ちを切り替える練習をするには、これぐらいのお膳立てが欲しい。 だから、今書いてきた話は「いざという時の奥の手」では全然なくて、 余裕があるときに練習をするための形みたいなものです。練習あっての本番。

2016-06-04 15:34:51
dicegeist @dicegeist

最後に肝心な仕上げ。 自分で気持ちを切り替えてこれたなら、たとえ時間が長くかかっていたとしても、そのことを適切にプラス評価し、、本人が「よかったな」と感じられる状況を作る。和やかでおいしいおやつの時間とか。 時間が長くかかったのは短くしていける。自分で切り替えたのが大きな一歩。

2016-06-04 15:46:46
dicegeist @dicegeist

「そんな風にしたら、好きなだけズルズル遊んでていいと思うようになるんじゃないの?」と心配する人が多いですが、 怒られないで気持ちを切り替えられる経験が大事。 この経験を積んでいって、スムーズにできるようになっていくことで、逆に、切り替えが速くなっていく。

2016-06-04 15:49:43
リンク news.allabout.co.jp 「子供置き去り事件」から学ぶ正しいしつけ方法 「しつけのため」という理由で、子供を山中に置き去りに 「しつけのため」という理由で、山中で置き去りに 北海道七飯町の山林で起こった、子供の置き去り事件。2016年5月28日の夕方から小学2