- CARAS_1989
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ヤンキーがやらせなかった女、あるいは無理やりやった女を山へ捨てるという話と、山道でボロボロの格好で一人泣いてる女がいたら車に乗せるか問題という、昔からある怪談とのボーダーラインの話があってなあ、さいわいまだそういう目には遭っていないが。
2016-06-04 01:28:11こないだの冬も24時くらいに畑の真ん中でそんな山奥ではないけど、腰までボサボサに髪が伸びてドテラ着てヨタヨタと左右に揺れながら歩いている中年女に遭遇して、狐狸妖怪の類とは思わなかったが「こいつはヤバいもんだ」というのはわかったんで全力で逃げたもの。
2016-06-04 01:36:56時は約20年前、山道ではなく実家の近くの田んぼ道、麻雀帰りの深夜1時半頃だな、向かい側から自転車が来たんですよ、子供用の小さい自転車、二人乗りで男の子が漕いで後ろに妹らしい小さい女の子が乗っている、ああこれは嫌だ嫌だなーって(稲川調)思いつつも対面で脇道もないから逃げらんない。
2016-06-05 01:01:35見たところ様子がおかしくはないが、夏休み時期とはいえそんな時間に小さい子2人だけ出歩いてるだけで充分異常である、実はそのとき何かもっと妙な感じを受けていたのだがその正体はわからぬまま、ずんずんと近づいてきてすれ違った。二人の顔なんか見てませんよ怖いから。
2016-06-05 01:06:23そんで振り返りもしないでそのまま家に帰ってホッと一息ついて、その妙な違和感の原因に気が付いた。あの子の乗っていた自転車は40年前くらいに流行した仮面ライダーのサイクロン号仕様で当時の子供が乗るようなものじゃなかった。
2016-06-05 01:10:16夜道で遭ったものといえばもうひとつ、東名をくぐるトンネルでこれも深夜2時くらい、工員風の作業服を着た男。明らかに顔が異形だった。目が丸く爛々と光っていて鼻は尖って顔の三分の一ほどを占め、すれ違う俺には目もくれず歩いていった。よくわかんねえけどああこれは狐狸の類ではないかと思った。
2016-06-05 01:21:18さのさあ、これは俺が4つか5つぐらいの頃なんだけど、父ちゃんがまだ仕事で帰ってこず母ちゃんが部落(変な意味でない)の寄合に出ていて、俺が一人で家にいた時のことだな。
2016-06-05 01:25:20夜の8時過ぎ頃に中年男が尋ねてきたんだけど明らかに様子が変だったんだな、目がギョロっとして釣上がり、口がでかくて犬歯だけでなく歯が全部黄色で尖っていて、要は嫌に獣っぽい顔でなあ、喋り方も言うことも変で「お、お、お、おとうさん、いるかな」「お、お、お、おとうさんお酒のむかな」って。
2016-06-05 01:29:49うちの親父が酒飲みかどうかも知らんなら、これは親父の友達ですらない、なんかわけのわからんやつだということは子供の俺でもわかったので、「いない」「知らない」「あんた誰」という問答をしていたら、しばらくしてあきらめて帰った。
2016-06-05 01:32:01いま思うと知的障碍のある人が迷い込んできたというのが妥当な推測かも知れんが、なんか顔つきと「酒をくれ」という要求が民話の狐狸の化けたものっぽくて趣深い。
2016-06-05 01:35:17それでしばらくしたら中国人が「カントクー、ここオバケ出るよ」って言ってきた。彼らが言うにはオバケは中年女と女の子の二人で夜寝ていると足首をつかんで引きずったり、ひどい時には強力な力で引きずられて壁に貼り付かされたりするらしい。
2016-06-05 01:54:45もちろん、カントクはゼネコンの三次請けの社畜マンですからそんな言い分には耳かさず放置していたわけだが、あるときそこの不動産屋に会って「こんな話があってー、もっといい部屋よこせってゴネているんでしょう、中国人にも困ったもんすね」みたいに投げてみたら顔青ざめて「実は、そこは…」って。
2016-06-05 02:00:57そんでねー、俺ともう一人とカントクの三人でその現場見に行ったのよ。俺は夜に泊まろうぜって主張したんだけどもう二人に大反対されて昼間に。
2016-06-05 02:07:52で、壁に人型のシミがあるのね、これもカントクが言うには借りたときにはなかった、小さい目立たないシミぐらいあったかも知れないがホンの半年あまりで成長して人型になったって。
2016-06-05 02:13:23