TRPGの起源についてのある意味トリビアルな、もしくはある意味極めて重要な指摘
Chainmailなどのミニチュア・ウォーゲームは、ボードゲームの様にルールに従ってカッチリした進行で行われるゲーム"ではない"ので、TRPGのボードゲーム的進行への接近を先祖返りと称するのはほぼデマのようなものです
2016-06-07 13:05:49直接の先祖であるChainmailのルール冒頭にはこう書かれてるので、「"ルールのキッチリしたボードゲーム"がTRPGの元になった」って間違いは消え去るべきだと思うマン pic.twitter.com/ah0Z4IKL3j
2016-06-07 19:01:53あとChainmailに限らず、昔のミニチュア・ウォーゲームは大体が明確な勝利条件とか設定してない(例えばアーミーモラルが崩壊したりすれば事実上の敗北だし、状況設定が求める目的を果たせば勝利だけど)ので、そういう点でもみんなが考える所謂ボードゲームとは違うものだしね
2016-06-07 19:14:05>RT 「ルールは提案するもの、縛るものじゃない」て趣旨なら、Totten著「Strategos: the American Art of War」(1880)にも同様の記載が。原典は「Playing at the World」 pic.twitter.com/hcEa5A2nV7
2016-06-08 06:20:13ミニチュアゲームといわゆるシミュレーションウォーゲームの差異については何度提起してもし足りないように感じていましたが(いや実際そんな頻繁に言挙げしてないですけど)、今のRTでむしろ重要と思ったのは、そこに使われている用語が「ボードゲーム」であって「ウォーゲーム」ではないところ。
2016-06-08 06:24:575年くらい前にこの話題をした時のログから微妙に引っ張ってみる。 twitter.com/nirvanaheim/st…⁰ twitter.com/nirvanaheim/st…
2016-06-08 06:29:43「戦闘がRPGの本質であってそれだけしていればよく、その他は余計な飾りに過ぎない」というような主張をたまに見るように思うのだけれど(で、それに毒を吐いたのだけれど)、「そもそも戦闘級シミュレーションゲームだったのだから」というRPG起源論を論拠にしているように思われる。
2011-02-17 04:27:26「で、その『戦闘級シミュレーションゲーム』ってなんなの/どんなものなの?」「で、なんで今『戦闘級シミュレーションゲーム』と呼ばれていないの?『ウォーゲーム/シミュレーションゲーム』という旗の下にいないの?」と問われるべき。
2011-02-17 04:28:57ボードゲーム(ドイツゲー的な意味での)が昨今繁盛して存在感を高めているというのもあるでしょうが、今や「ウォーゲーム/シミュレーションゲーム」という旗に規範を託すような風潮自体が完全に歴史となったということか、と言葉尻を捕らえてちょっと勝手に思った次第でした。
2016-06-08 06:34:46まあ勿論TRPGという用語が確立される前はボードRPGとかいう用語が用いられたこともあったりしたわけですが。ともあれわたしがこの文化に参入した頃はまだウォーゲームの旗に権威を託しての言論は、歴史どころか現役でした。00年代に過去となり、10年代に歴史になったとか言えるのかどうか。
2016-06-08 06:41:27(もちろん日本RPG文化もそこまで長くはないので、ウォーゲーム畑から参入した現役RPG者はまだまだ沢山おられましょうが)
2016-06-08 06:43:01これは非常に面白いポイントを指摘してて・・・まず、現代のTRPGは進化してるので「戦闘がRPGの本質」と断言するのは懐古趣味の感がある、んだけども。その一方で・・・ twitter.com/nirvanaheim/st…
2016-06-08 06:45:04まあ、ただの時間経過と記憶の風化、あるいは先方業界の推移とかの他に、今世紀RPGの進化がメカニカルでかつ明らかにウォーゲーム的でない方向に蓄積を重ねた、という事情もある筈で、そういう方向性をRPG前史に組み込める形で言語化すると「ボードゲーム」を採用することになるのかもしれない。
2016-06-08 06:46:49初版のD&Dは自分のことをRPGと名乗っておらず、じゃあなんて言ってるかというと、かの有名な「鉛筆と紙で遊ぶ、ウォーゲーム・キャンペーンのためのルール」だったりするわけだ。
2016-06-08 06:52:51で、数年のうちに起きたことなので、混乱しがちなんだけど、日本人がいう戦闘級ウォーゲームとは、恐らくSPIのスナイパーあたりに始まる一連のルールを言うんだけれど、これは実はD&Dに遅れて登場している。
2016-06-08 06:57:22この辺はTCGから得たフィードバックが大きいので、TCGへの直接の影響の与え手としてRPGが数えられることはあってもウォーゲームは厳しいという点があろうし、ボードゲーム(カードゲーム)が前史に組み込まれざるをえないという話になる。
2016-06-08 06:57:55そこは今の文脈上、「紙と鉛筆"とミニチュア"で遊べるファンタジー的中世戦争ゲームキャンペーンのためのルール」、とミニチュアを落とさず言いたいところですねw pic.twitter.com/iRwQI6GXV5
2016-06-08 07:00:11(なお今wargamesを戦争ゲームとか書いたのは、いわゆるミニチュアゲームと、あのチットを使う作戦級ウォーゲームが当時概念上厳密に区別されていたとは言い難いだろう一方、日本における「ウォーゲーム」という語は後者が基本になっているだろうので、ニュートラルな語にしようと思った結果)
2016-06-08 07:03:44つまり冷静に評論すれば、D&Dこそパンツァーブリッツの祖先というのが正鵠となりかねないわけで、チェーンメールからD&D初版、そしてクラシックへの流れの中で、戦闘級ウォーゲームがどういう位置に立つかは、とても微妙な問題をはらんでいる。
2016-06-08 07:03:46ただそれは、ゲームを外形的に評価するから起こる罠で、これを解きほぐす鍵は、もちろんしっかり存在している。違和感を感じる場合、やはりその違和感は正しい。
2016-06-08 07:06:12これは本当に単純に知らないんですけど、戦闘級ウォーゲームって概念以外に実体として前世紀の日本にどのくらい入ってたんですかね。(自分の中の偏見的イメージでは当時戦闘級ウォーゲームがどうこうだからと論陣を張っていた人々は実際にやったことがなかっただろうということになっている)
2016-06-08 07:08:00進化した現代のテーブルトークRPGから過去の経緯をみると、時々都合よく事態を整理しすぎるきらいもあるんだけど、研究をするような人は、丁寧に事実を積み重ねていくことも大事だろう。楽しく遊ぶために必要な知識かどうかといえば、まあトリビアルだとは思うけどね。
2016-06-08 07:11:51しかしまあ、「赤月&白熊→RQ」の流れは文句のつけようもなく「チットを使う作戦級ウォーシミュレーションゲーム→RPG」という推移だし、『ドラゴン・パス』として邦訳もされたわけで、具体的な念頭イメージは(チェインメイルより)むしろこっちだったのだろう、多分……
2016-06-08 07:12:07あ、「白熊&赤月(White Bear & Red Moon)」でした。 boardgamegeek.com/boardgame/1088… /そしてBoardGameGeekのUIがなんか新しくなってる!
2016-06-08 07:14:26個人的には、起源にプレイの規範を求める必要はないと思う。楽しく創造的にプレイすれば、なんの分野でも、やがて大きなブレークスルーがある。
2016-06-08 07:17:45まあ、話は戻るけど、戦闘級シミュレーションゲームってのは、RPGの源流というよりは、D&D迎撃のためのウォーシミュレーション側の決戦兵器だった可能性も検討しておいて損はないよ。
2016-06-08 07:23:27