忍殺二次創作【リトル・リトル・リトル・ウォー・アット・ザ・チャーチ】前編
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ニンジャスレイヤー二次創作集『テイルス・オブ・ギブン・ネームス』より【リトル・リトル・リトル・ウォー・アット・ザ・チャーチ】 #4215tk #すみゆ忍
2016-06-09 21:28:09「ドーゾ」「ドーモ」手渡される重箱を、ロウソクの灯だけがぼんやりと照らす。受け取った男は重箱を手元に引き寄せると、蓋を開けた。中に敷き詰められていたのは……ゴウランガ!カチグミでさえなかなか食すことのできぬであろう、オーガニック・トロ・スシである!1 #4215tk
2016-06-09 21:32:04「オオ……これは見事」重箱を覗き込んだ男が感嘆の声を上げた。神父めいたアトモスフィアを感じさせる、黒のカソックコートをまとった年齢不詳の男である。「さすがのワザマエ。皆と分ける数もある。実際ありがたい。そうは思いませんか、エーデルヴァイス=サン?」「ハイ」2 #4215tk
2016-06-09 21:36:06神父めいた男のすぐ側に佇むメイドが小さく頷く。しかしその視線はトロ・スシではなく、重箱を渡した相手に注がれている。藍色のニンジャ装束姿のニンジャに。然り、ニンジャである。「ご用件を確認させていただきますね、ショートセンテンス=サン」彼女はよく通る声で言った。3 #4215tk
2016-06-09 21:40:04「あなたの頼みというのは、そちらの」と、メイドはニンジャの隣を見やる。正確にはそこに座る美女を。トーガめいた装束から覗くのは、この薄闇の中ですら輝くほどに白い肌。「ガラティア=サンを当教会で預かり、世話をしてほしい。それで間違いありませんか?」「ああ」4 #4215tk
2016-06-09 21:44:14ショートセンテンスと呼ばれたそのニンジャは、ただ頷いてみせた。神父めいた男が穏やかな笑みを浮かべる。「わざわざスシなど持ってこなくとも。我々はいつでも迷える子羊を迎えているというのに」「迷惑料だ」ニンジャは短く呟き、隣に座るガラティアを一瞥した。5 #4215tk
2016-06-09 21:48:06「この女、厄介な連中の標的。ウバイ・クラン」「はぁ。そうみたいです。スミマセン」ガラティアがぼんやりと頭を下げた。自分のことだというのにどこか他人事のよう。浮世離れしたアトモスフィア。それが余計に美しさに華を添えているとも言える。「ははあ、彼らにですか」6 #4215tk
2016-06-09 21:52:22こめかみに指を当てた神父が、やや間を置いてから言った。「アビスクローク=サン。ディグレイダー=サン……ああ、ビジュツケイ=サンですね。そちらの方に目をつけそうなのは。なにしろお美しい」「……そうですか?」女は首を傾げショートセンテンスを見た。彼は答えぬ。7 #4215tk
2016-06-09 21:56:11