「シナリオディレクション」と「単なる校正」との違いについて

ストーリー重視のコンテンツの場合、シナリオは大切なものです。 ただ経験が浅い制作現場の場合、ディレクターがシナリオをディレクションしているつもりで校正しかしていないのをよく見かけます。また複数人ライターで作業する場合にも同様なことが起こりがちです。 シナリオディレクションとは、ストーリーをよりわかりやすくかつ面白くするためには必須の工程です。 続きを読む
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小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
岡山で学生さんむけにセミナーを行うに当たって、ゲームシナリオ構成法を更新しました。第8章にケーススタディとして、『涼宮ハルヒの追想』を作った時の資料が載せてあります。すっかり忘れていたんで、アップしました。slideshare.net/nyaakobayashi/…
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
この資料もですが、特にUnityに限らずゲーム制作全般のセミナーもちょこちょこ行ってます。興味がある方は、有志の方を集めてUnity県人会議のほうに講演依頼をいただけますと可能な限り検討いたします。もちろん企業向けでもOKですよ。kenjin.unity3d.jp
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
昔はシナリオがなかなか完成しないのでプロジェクトが潰れたゲームというのも、ADVに限らず結構ありました。今でもシナリオが重要なキーとなるゲームもありますので、シナリオのプランニングやディレクションの仕方というのは、実際の執筆に当たるスタッフ以外にも必要だと思ってます。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
僕も、以前の会社を辞めた後で思い当たったのですが、結構多くのディレクターの方が、シナリオディレクションを単なる校正と混同しているんですよね。シナリオディレクションとは校正ではなく、エピソードを適切に配置し、またストーリーをより面白くするためにあるものなので、意味が全然違います。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
シナリオディレクションでのジャッジは、単なる感想ではなく、もっと具体的なもので、エピソード配置を再検討したり、より効果的に見せるための提案をするものです。つまりシナリオを見て、「なんか違うんだよね~」とかしか言わない人は、ディレクションの場にはいらないということです。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
その辺りは僕のツィートなんかよりも、ジョン・ラセター自身が語る『魔法の映画はこうして生まれる/ジョン・ラセターとディズニー・アニメーション』などを見た方が早いでしょうね。これのシナリオギルドでやっていることがまさに「シナリオディレクション」をする姿です。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
先ほど、シナリオディレクションは校正とは違うと言いましたが、こんなディレクションはただの校正だよと言いたいのは、1.誤字脱字しか見ていない、2.日本語の使い方しか見ていない、3.文章の綺麗さとか言い回しだけにこだわってしまう、4.必要以上にディレクターが自分自身で直したがる。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
一方で、シナリオディレクションで一番見るべきものは、1.伝えるべきテーマがきちんと伝わっているか、2.キャラクターの行動原理は一貫としているか、3.ふさわしいタイミングでふさわしいエピソードが展開されているか、4.そのエピソードを見せるのにふさわしい演出が提案されているか、です。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
シナリオディレクションとは、以上のこと通じてシナリオライターにアドバイスすることで「気づかせ」、そして「よりよい方向へのリライトを促す」ことです。自分でリライトしたくってたまんない人には向いてないんですよね。そういう人はシナリオライターになって、きちんと仕事で責任をとるべきです
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
ラセターのビデオに戻ると、シナリオギルドという集まりでは、前作/今作/次回作の各監督が参加して今作のシナリオを検討しています。なんでこんなに監督を集めるのかと改めて考えてみると、この制度が大変素晴らしいことに気づきます。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
このシナリオギルドでのシナリオディレクションに参加することで、各監督は3回の機会を通じて、あるエピソードが元からどのように変わったのかと、変えるにしてもどのような方法があるのか、そしてどんな理由でそれが選ばれたのか、さらにその変えた結果は客にどう評価されたかを知ることになります。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
この流れは、いわばPDCAサイクルです。ある程度注意深いゲームデザイナーなら、このことを自分のゲームを発表していく中で、時間をかけて経験値として積んでいくのですが、ラセターのシナリオギルドはそれをシステム化しています。だから結果がすぐに次作、次々作に引き継がれ反映されるのですね。

「PDCAサイクル」については以下を参照してください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCAサイクル

小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
ゲームも複数ラインが走っていると、どうしてもラインごとにクオリティの差が生まれ、しかも発表順によっては前のラインが成した評判を、次のラインが下げてくれたり(しかし売上げは前のラインの作品の影響で売れたりする)、いろんなことがある訳ですが、(続く)
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
(承前)シナリオギルドのような仕組みを作っておけば、自然とディレクションにおけるジャッジのルールや基準というものが、次の作品へと受け継がれ、さらに次々作の企画段階できちんと活かされるという訳です。本当に巧妙な仕組みだと思います。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
多分このような仕組みが生まれた背景には、「シナリオディレクション」というものの難しさ、そしてその結果をどのように客が判断したかの結果を、素早く取り込んでいきたいという意識があったのではないかと思います。
小林信行 Nobuyuki Kobayashi @nyaa_toraneko
アメリカのエンタティンメント業界の凄いところは、このように各個人のセンスに基づくような分野にも、きちんとしたシステムを導入することで継承可能としているところだと思います。是非、日本にもそのようなことをきちんと考えることができるスタジオが出てきて欲しいものです。

コメント

hamp@横浜山中 @32hamp 2016年6月12日
アニメで云うところろの『シリーズ構成』ですね。特にゲームの場合、切れ切れに作るし、ユーザーの進め方で順番が変わるので、『隣り合ったブロックのテンションが大きく違う』『ゲーム全体として重要なシーンよりどーでも良いシーンの演出が凝ってる』事が起こりがちですわー
おく のぶ @samorou 2016年6月12日
映画におけるスクリプトドクターみたいな感じ。特に自分で書きたい人には向いてないとことか
暗転丸 @sunafuku 2016年6月16日
後で読む(と言いつつ軽く読んだ)……書き直したくなるんだよなぁ(頭抱える)
むつぎはじめ @Six_D 2016年7月12日
校正ではなく正しく編集なのですな~
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