アゴを使うと英語の発音は楽になる。今までになかった発音のコツ。
先日公開した日本人のための英語発音の練習方法 eigo-sense.com/howtostudy_acc… という記事について。身近な人に高い評価を頂いている(それも、英語ができる人ほど)これはかなり嬉しい。
2016-06-14 13:17:19英語の発音についてアゴの開きの重要性をここまで強調した記事や書籍は、私の観測範囲では他にあまり無いと思うのですが、なんで口じゃなくて喉でもなくてアゴなのか、について書いておきます。
2016-06-14 13:18:49母音は、第一フォルマントと第二フォルマントでその音色の大部分が決まる。第一フォルマントはアゴの開きに、第二フォルマントは舌の位置に最も強く影響を受ける。Q.E.D. というのが専門的かつ短い回答。
2016-06-14 13:19:28初めに言っておくと、口先でもアゴで喉でも、どこを意識しても、とりあえずそれっぽい発音はできる。人間の発声器官は非常に優秀で、耳で聞いた音をそれっぽく出せと言われたら、いろいろなところが自動的に動いて勝手にうまいこと音色を調整するようになっている。
2016-06-14 13:21:08たとえばアゴの開きが足りなければ自動的に喉頭が下がったり、口蓋帆が動いたりする。ただし、だからといって、それが楽で効率的な、つまり持続可能なやり方とは限らない。今日はそういう話。
2016-06-14 13:21:23アゴを固めたまま口だけを開いても、声道断面積は変わりにくい。アゴを開けずに口だけを意識して声道断面積を拡げるには、口先をかなり大きく開けないとならない。つまり、非効率的。
2016-06-14 13:22:20発音記号単位で練習しているときはなんとなく出来ている感じがするけど、文章になると喋りにくく感じる原因の1つは、口先がパクパク忙しすぎるというものです。母音の区別は口内で達成するのが楽。
2016-06-14 13:23:09口の形を強く意識していると、不必要に口をパクパクしなければいけなくて、リンキングに至る安定した発音になりにくい。ありていに言うと、アゴの方が楽で安定している。
2016-06-14 13:23:30第一に、喉で声を出すということと、声帯の緊張を取るということは、多くの人にとって心理上相反する行為。なので緊張が取れずに、がなる声になりやすい。こういう声は聞き取りにくいし、子音の発声にも悪影響がある(息を流しにくいから)。
2016-06-14 13:25:57第二に、喉頭は舌骨につながっているので、喉頭を上下させると舌の動きに(つまり、発音に)余計な影響を与えてしまう。これに対しアゴの開きは舌への影響が少ない。
2016-06-14 13:26:17このことは簡単に実験できる。たとえば、舌を思い切り前に出して、次に喉仏を下げてみると、舌は奥に引っ込むはず。これが舌と喉頭がつながっているということ。
2016-06-14 13:26:36第三に、喉頭の位置は女性には特に意識しづらい。女性に限らず声が低くない人には、低い喉頭のポジションは不自然に感じることが多いと思う。
2016-06-14 13:26:59私の喋る声は高くもなく低くもないくらいだけど、喉頭で発音をコントロールすると必要以上に声が低くなって不自然に感じる(ので、続かない)。
2016-06-14 13:27:15喉発声がハマるのは、そもそも声が低い男性なのではないかと思う。声が高い男性、女性にはあまり向いていない。それは、その人にとって自然な声と違いすぎるから。一方で、アゴの開きでコントロールする方法は、声質を問わない。
2016-06-14 13:27:41喉頭で発音の(正確には、第一フォルマントの)大部分をコントロールしている人「もいる」、そしてそれは主に声が低い男性であるというのが、現時点での私の考えです。
2016-06-14 13:28:04たとえば、私の友人(アメリカ人)の観測範囲で言うと、声の低い人は「声は喉から出している」と言う。しかし声が高い人は「喉は意識していない」という。
2016-06-14 13:29:27アメリカ人の声は低いとよく言われるけど、私はあんまりそれには同意していない。声が高い人もたくさん(日本人と同じ程度に)いると思う。一方で、深い音色に聞こえるというのは同意。これは口内のスペースが広いから。
2016-06-14 13:30:03(前も書いたけど)英語話者の声が低いと一般に思われがちな理由は、声優や俳優にmanlyな渋い声が求められがちなことが1つの原因ではないかと思う。一般人の間には、私はそれほど差を感じない。
2016-06-14 13:31:51