ニンジャスレイヤー第三部最終エピソード「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」予告編

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

あの日、フジキド・ケンジは全てを失った。

2016-06-14 22:33:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

あの日死んだサラリマンは、ニンジャとなって蘇った。

2016-06-14 22:34:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

復讐のため。ニンジャの力をもってニンジャを殺すため。そして。

2016-06-14 22:35:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「……ともにゆくぞ、ナラク。これが、最後のイクサだ……!」◆

2016-06-14 22:36:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

色を失ったメガロシティ。ネオサイタマを十数年ぶりの寒波が覆っていた。

2016-06-14 22:40:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

重金属酸性雪で灰色に染まった摩天楼は、さながら整然と立ち並ぶ緩慢な巨人たちのカンオケ。蜘蛛の巣の如く張り巡らされるケーブル。整然とハイウェイを走る陰鬱な車の列は、死骸を貪る甲虫の群れか。だがこの街に真のハカバは無い。合理化の名のもとに撤去され電子化、管理下、やがて忘却の果て。

2016-06-14 22:42:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……「ああ、そうさ、今日も残業だ」百十七階。高層オフィスビルの回廊。バリキドリンクを飲みながら、疲弊したサラリマンが窓際に立つ。「寒波?心配だから早く帰ってこい?……そんなふざけた理由で、休めるわけないだろ。なあ、いい加減現実見ろよ。オーボン?そんなもの、知るか。これが世の……」

2016-06-14 22:45:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼はドリンク剤を取り落とし、声を失った。「おい、今……!何だ、今の……!」彼は己の目を疑い、サイバーサングラスを外して捨てた。降りしきる重金属酸性雪を切り裂いたのは、火花、銃弾。そして透明の防弾ガラス窓に突き刺さった。鋼鉄の星。スリケン。その鋭いシルエットが、網膜に焼きついた。

2016-06-14 22:48:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サラリマンはガラス窓に張り付き、目を凝らした。反射したガラス面には、自分自身の姿。その先には、ネオサイタマのふざけた現実が広がっていた。

2016-06-14 22:49:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……『ヨー、人々、解るか、俺たちが今いる所、どこだ、ブッダ、おい』……

2016-06-14 22:50:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ここは百十七階。防弾ガラス窓の向こう。カタナを握った女ニンジャが二本煙草を吹かし、破れたジャケットの袖と傷を見ていた。直後、彼女はガラス窓の僅かな足場を蹴って走り、カンバンを飛び渡り、危険なほど鮮やかにスリケンを投げ放った。

2016-06-14 22:51:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

暴徒鎮圧ドローン3機が冷たく明滅しながら彼女を追跡し……目にも留まらぬ斬撃で切断され、爆ぜた。火花散らす無数のパーツと、破壊されたクローン脳髄の緑色の血が、防弾ガラス窓に叩きつけられた。サラリマンは茫然とそれを見ていた。そして足元に目を転じた。

2016-06-14 22:53:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その遥か下。雪に染まったマルノウチ大通りでは、いつの間にか、市民とハイデッカーの衝突が発生していた。ニュースの知らせぬ騒乱が。アマクダリの洗脳サイバーサングラスをかけ、柔らかな鎮静プログラムに浸り続ける市民には、決して見えず、決して聞こえぬ戦争が。生き残りをかけた戦いが始まった。

2016-06-14 22:54:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

音楽。ノイズまみれのゲリラ放送電波が、周波数をハイジャックする。……『ヨー、人々、これはKMCレディオ。DJゼン・ストーム、ヒナヤ・イケル・タニグチ、そしてDJニスイ、デリヴァラーが送る……革命レディオ!』

2016-06-14 22:57:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!」ヤモトはチリングブレードの連続攻撃を鞘で打ち返し、斜めに斬りつける。「グワーッ!……ウフフフフ!」チリングブレードは噴き出す血を押さえ、ヒステリックに笑った。「つくづく邪魔な女、厄介なジツよ。だが増援を待つ俺の仕事は……成ったぞ!」

2016-06-14 23:00:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ」頭上から飛び降りた白い髪のニンジャがアイサツした。「サクリリージです」ニンジャは己の胸に手を突き刺し、血塗れの肋骨を引き抜いた。ナムサン。これが彼のカタナなのか!チリングブレードは刀傷を氷で素早く止血し、凍てついたツルギを構える。「二対一……これをどう戦うかのォー……」

2016-06-14 23:05:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……カラテだ!」ヤモトの瞳が桜色に燃えた。チリングブレードは獰猛に目を見開く。「いや、三対一!」「ドーモ。アンブレラです」激しく狂い舞う雪の中、カラカサを開いたニンジャがゆっくりと降り来たった。

2016-06-14 23:05:36