都道府県大戦・東京事変――都知事辞職の混乱に乗じた神奈川県の武装蜂起物語【まとめ】

[ 誤字脱字、表記揺れは勘弁してください ] 2016年、東京都知事が辞任を表明。五輪問題の上に都知事選も重なり、都政は混乱の極みに陥っていた。 それを絶好の好機として見る者がいた。 神奈川県が町田市の奪還を目的に東京に宣戦布告した―― 続きを読む
34
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 【追記】 ノリとテンションだけで進めたので誤字脱字、表記揺れが多いです。 たまに地名さえ間違えてます。 おかしなところあったら「こう書きたかったんだろうなぁ」と想像しつつ呼んでいただければ幸いです。

2016-06-16 20:55:43
Rubby大尉 @rubbysafil

2016年、東京都知事が辞任を表明。五輪問題の上に都知事選も重なり、都政は混乱の極みに陥っていた。 それを絶好の好機として見る者がいた。 神奈川県が町田市――「未回収の神奈川」地域の奪還を大義名分に東京侵攻を開始したのだ。

2016-06-15 11:32:51
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 神奈川軍は都政の混乱の隙を突き、電撃的に町田市を占領。そして堰を切った濁流のように東京各地を占領していく。 今の東京に単独で対抗できる力はなく、埼玉県と千葉県に助けを求めた。 三県による連合軍であれば、神奈川もその鉾を収めるだろうと考えたのだ。

2016-06-15 11:36:06
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil しかし埼玉千葉県両県は返事を返さず、助ける動きも見せない。 そればかりか、東京軍が神奈川戦線に集中した――背後が無防備になった瞬間に、同時に東京都に宣戦を布告したのだ。

2016-06-15 11:39:25
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil こうなってしまえば東京都に一切の勝ち目はない。 全ての戦線は瞬く間に瓦解し、講話を申し出る猶予もないほど速やかに、そして芸術的なほど鮮やかな手際で、神奈川・ 埼玉・千葉三県は東京全土を占領したのだ。

2016-06-15 11:41:58
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil もちろん偶発的に起こった訳ではない。 三県は水面下で相互不可侵と東京都の分割統治を定めた秘密条約を締結し、三国同盟を組んでいたのだ。 首都圏周辺は三国同盟の勢力圏となり、彼らは隣接する各県に野心を向け始めた…… (都道府県大戦・2016)

2016-06-15 11:46:32
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 三国同盟はすぐさま栃木県へ宣戦布告、物量と事前準備の差で栃木軍の抵抗をものともせずこれを占領。 そして次なる矛先は茨城県に向くが、茨城は領内自治権を残すことを条件に武装解除を提案、三国同盟もこれを了解し茨城県も併合された。

2016-06-15 11:51:50
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 動きがあったのは静岡だ。 三国同盟の脅威に怯え参加を主張する東静岡と、徹底抗戦の構えを崩さない西静岡で分裂、対立したのだ。 東静岡県民政府は三国同盟に参加。西静岡正統政府は防備を整えつつ、愛知県と同盟を結び、東西静岡国境戦は一触即発の様相を呈した。

2016-06-15 11:56:30
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil また北陸でも動きがあった。 越後山脈と日本アルプスを防衛線に新潟、富山、石川が三国協商を締結、地の利を活かした長大な防衛戦の建築を始めた。 それと共に同盟に対し禁輸を発表。新潟からの米、そして戦略物資である石油の供給が停止したのだ。

2016-06-15 12:09:42
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 混乱は日本全てに広がる。 北海道では革命が発生し、札幌を首都とした北海道連邦の建国を宣言。 青函トンネルを破壊し、本土にある都道府県全てと一切の通商を断絶した。

2016-06-15 12:12:24
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 北海道と新潟からの食料供給停止に三国同盟は悲鳴を上げた。 彼らには日本技術の粋を集めた研究機関と製産機関があるものの、食料自給が極めて困難だった。 この状況に耐えかね、同盟内ではいくつかの意見が提出された。

2016-06-15 12:16:32
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil ひとつめは北進論である。越後―アルプス防衛線を回避し、福島、宮城、岩手を占領し食糧を確保しようという意見。 ふたつめは南進論。こちらも北信越を回避し東海道を侵攻。近畿一帯を制圧しようとする考えだ。 しかしそれぞれに問題もあった。

2016-06-15 12:21:14
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 北進論を採れば東北連合による抗戦を受けるだろう。戦力を割けば手薄になった北信越方面、あるいは西静岡から突破される恐れがある。 南進論は西静岡と愛知を突破する必要がある上に、強力な大阪府や京都府と敵対してしまう。 行き詰まる同盟に、意外な協力者が現れた。

2016-06-15 12:26:02
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 秘密協定を申し込んできたのは、遠く九州の福岡である。 彼らは水面下で、福岡を盟主とした九州大陸連合を結んだとし、関西圏に挟撃をしかけようと提案してきたのだ。 一転して窮地に追い込まれた三国同盟には受け入れる他なかった。これを受諾し、東海道侵攻を開始した。

2016-06-15 12:29:36
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 福岡は三国同盟の返事を受けとると同時に、予定通り九州連合の設立を宣言。そして山口県へ宣戦布告した。 中国地方でも同盟の必要性が唱えられ、中国―近畿一体で巨大な同盟の声明を発表。北信越同盟もこれと不可侵を結び、四国では戦禍を免れるべく永世中立を発表した。

2016-06-15 12:33:35
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 東西から挟撃を受ける近畿連合と、中立を宣言した四国。革命の起きた北海道に、着々と防衛線を強化する北信越協商と北陸同盟。 日本全土が再び戦国の様相を呈していくのである―― (都道府県大戦2016・序章 完)

2016-06-15 12:35:41
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil ちょいちょい要望あるんで続きやります。 後先考えずにやるから誤字脱字は無視して。どこで投げるかも分からん。

2016-06-15 16:17:03
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil この状態で、事実上崩壊した県がある。 岐阜と長野だ。 隣接する県が多く、また国土も広い両県は非常に難しい判断を迫られた。 長野、岐阜北部は北越協商に助けを請い、岐阜中央は京都に、長野は同盟に下った。 どの判断が正しいかは、歴史が明らかにするだろう……

2016-06-15 16:23:20
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 九州連合と同盟を結んだ神奈川、埼玉、千葉を中核とする三国同盟は最低限の守備部隊を残して、最終攻勢線を大阪とする東海道侵攻を開始した。 圧倒的な物量の前に西静岡・愛知連合軍はたちまち押し潰され、司令部のある名古屋まで侵入を許してしまう。

2016-06-15 16:26:53
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 大阪、京都軍が動いた。 迫り来る三国同盟の脅威に備え、後方を中国地方連合に任せ、持てる限りの兵力を岐阜:名古屋戦線に投入した。 破竹の勢いで進撃した三国軍もこの壁を突破することは容易ではなく、名古屋を目前に攻めあぐねる結果となる。

2016-06-15 16:31:30
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 三国軍は後悔した。今ここで軍を引けば大阪軍が雪崩れ込んでくるだろう。 東北、北越に割ける戦力はない。資源と食糧には限りがある。 三国同盟軍は歯ぎしりしながら、九州連合の動きを待つしかなかった。

2016-06-15 16:39:22
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 一方、福岡を盟主とする九州連合は関門海峡を突破できずにいた。 下関に築かれた陣地は想像を遥かに越えて強固だった。 それもそのはず、九州連合の結成前から中国地方は結託、そして下関に部隊を配備していたのだ。 まるでどこからか情報が漏れていたかのように……

2016-06-15 16:48:15
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 三国同盟は九州連合の作戦が難航してること受け、乾坤一擲の作戦の発動を決めた。 名古屋を迂回し、岐阜を強襲突破、近畿の水源地である琵琶湖を確保するのだ。 成功すれば大阪軍は琵琶湖の奪還を余儀なくされ、名古屋の守備は薄くなる。

2016-06-15 16:59:26
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 当然補給線は細く長くなり、包囲殲滅される危険も高い。 しかし次第に余裕がなくなっていく三国同盟は、この作戦を決行に移した。

2016-06-15 17:01:43
Rubby大尉 @rubbysafil

@rubbysafil 衝撃が大阪軍司令部を駆け抜ける。 三国同盟は予想していた名古屋ではなく、岐阜、滋賀を攻め、琵琶湖――近畿の生命線を奪取された。 これの奪還作戦のため、大阪、京都両軍は三国軍の補給路を断ち孤立、包囲殲滅させるために動いた。 ――それが三国軍の思惑と知らず。

2016-06-15 18:53:06