【熊本地震】支援物資の出し渋りはなぜ起こるのか。

昨今、被災者の方が支援物資をもらおうとしても必要とする数量を出してもらえないといった「出し渋り」が話題に上ります。なぜ出し渋りが起こるのか。そのメカニズムと対策について、私なりの考察をまとめてみました。
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かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか1 Twitterで時折目にする支援物資の出し渋り問題。なぜ出し渋りが起きるのか。それには幾つかの理由が考えられると思います。まず、需要と供給の問題です。物資が集まる速度より減る速度が勝ってしまえば在庫が尽きてしまいます。つづく

2016-06-21 08:58:44
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか2 例えばある品を1人に1個ずつ渡す場合と、5個ずつ渡す場合では、在庫が減る速度は5倍です。仮に5個ずつ渡したら1日で在庫が尽きる物も1個ずつなら5日もたせることが出来ます。もし欲しい分だけ無制限に渡してしまえば、行き渡る人が限られてきます。つづく

2016-06-19 05:59:20
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか3 在庫が減る速度に供給が追い付けば問題ないわけですが、なかなかそうは行かず、どうしても今必要な分だけを渡すことになります。より多くの人により長期間コンスタントに行き渡るようにするにはそうするのがベターになります。つづく

2016-06-19 05:59:30
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか4 私が扱っていたのはペット用物資ですが、人間用も同じ事が言えると思います。私のいた益城町総合体育館でたまに見かけたのが「沢山あるんだからもっとくれ!」「おまえら隠し持ってるだろ!在庫を見せてみろ!」と、配布している人に食ってかかる光景です。つづく

2016-06-19 05:59:44
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか5 総合体育館で配布しているのは主にボランティアの子供達です。その子供に食ってかかるわけです。言われた子供は「みんな同じです。我慢して下さい」とひたすら謝ります。他にも「お湯がぬるい!熱い味噌汁が飲みたかったのに不味くて捨てた!責任者出せ!」など。つづく

2016-06-19 06:00:03
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか6 でも実はその子供達、殆どが被災者なのです。家が壊れて避難所で寝泊まりしてます。でもみんなそれを理由に言い返したりしません。文句を言われても毅然と謝ります。つづく

2016-06-19 06:01:29
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか7 過去の災害でもそうですが、時間の経過とともに現れるのが欲張る人です。最初は1個もらえるだけで有り難がってた人も、沢山欲しがるようになります。生活環境もだんだん要求が高くなっていきます。これは人間として当たり前のことです。誰でもそうです。つづく

2016-06-19 06:01:46
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか8 そこといかに向き合うか。これもボランティアの重要な課題だと思います。どこまで要求を聞くべきか。避難所を去る方の中にこんな人もいました。「ここにいると何もしなくて済んでしまう。だから家に戻って畑をやる」と。庭に張るテントを買ったそうです。つづく

2016-06-19 06:02:02
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか9 ペット用物資は避難所内にスペースを借りてそこで配布してました。殆どが無人か、役場や県の職員が対応してました。最初は15ヶ所置かせてもらえたそうですが、撤去を命じられて私が行った時は8ヶ所に減ってました。さらに撤去は進み、私が帰る頃には2ヶ所に。つづく

2016-06-19 06:02:40
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか10 現在ではとうとう益城町総合体育館の1ヶ所のみとなったそうです。人間様の物資の横に動物のエサを置くな。臭い。汚い。邪魔。クレームを言われた職員は撤去を命じてきます。「お前の足のほうがよっぽど臭いわ!」と言いたくなりますが、言いません(笑) つづく

2016-06-19 06:03:15
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか11 益城町総合体育館には人が常駐しています。勿論同じようなクレームは出ます。「匂いが気になる」と言われたら「慣れて下さい」です。当然です。緊急事態なのですから、お互いに我慢しながら生活をするのは当然です。動物を飼ってる人も飼ってない人もお互い様。つづく

2016-06-19 06:03:33
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか12 他の配布所が無くなった分、益城町総合体育館に取りに来る人が増えました。しかしここも人手が足りない時や夜間は無人になります。「ご自由にお持ち下さい」という貼り紙。そして、夜大量に持って行く人が現れます。避難所内ですから誰かが見ています。つづく

2016-06-19 06:03:52
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか13 それを聞いて夜間置く量を減らそうとします。しかし、それは違うと私は思うのです。なぜなら、大量に持って行く人も理由があるはずです。ペットフードですからその人が食べてる訳ではw 沢山動物がいるのか、あるいは御近所の人達の分も取りに来られているのか。つづく

2016-06-19 06:05:16
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか14 本人に聞かなければわかりません。ですから、聞くべきなのです。なぜそんなに大量に必要なのかを。それなりの理由があるなら、その人用に別で用意するべきだと思います。置く量を減らせば貰えない人も出てくるわけですから。つづく

2016-06-19 06:05:31
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか15 人から聞いた話しだけで、ただの欲張り者と決めつけるのはいかがなものかと。その本人と話しをしなければ何も解決しないと思います。私は、在庫が尽きてもいいから出すべきだと思うのです。尽きたら補充すればいいだけです。つづく

2016-06-19 06:05:45
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか15 時間の経過と共に被災者の要求が高くなるのと同様に、支援する側のおごりも出てきます。過去の災害も同じです。統計的にそうです。最初は「何か役に立ちたい」という一心だったのが、徐々に「やってあげてる」という気持ちに変わっていきます。つづく

2016-06-19 06:06:16
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか16 「そろそろ自分たちで買うべきだ」という理屈を出して来ます。2ヶ月以上の避難生活で被災者が疲れるように、ボランティアもまた2ヶ月以上の支援生活に疲れて来るわけです。物資を捌くのはとても労力がいります。人間誰しも楽をしたくなるのです。つづく

2016-06-19 06:06:34
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか17 そもそも支援物資はどのようにして被災者の手に届くか。まず、全国に善意で提供する人がいます。どこに送るか、それは受け入れをしている団体に送るわけです。自治体であったり民間であったり様々です。ペット用物資の場合は殆ど民間の団体です。つづく

2016-06-19 06:06:53
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか18 私が携わっていた所の場合、いくつかの団体がネットなどで支援物資を募り、それらは一旦福岡の倉庫に送られます。複数の団体を経由して来る場合もあります。そこで地元のボランティアが大まかに仕分けし、我々はそれを益城まで運びます。つづく

2016-06-19 06:07:08
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか19 我々は益城に持って来た物資を、さらに細かく仕分けしたり、小さな袋に小分けしてブースに並べます。沢山の手を渡って送られてきた物資の終点がここなわけです。ここで初めて被災者に渡ります。これは人間用の物資も同じだと思います。つづく

2016-06-19 06:07:22
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか20 人間誰しも、手間がかかればかかった分、惜しくなるものです(^_^; 丁寧に作った料理ほど味わって食べてもらいたいと思うものです。ただ、それはこちら側のエゴで、提供した人は被災者の為に送っているわけですから、その人の代わりに現場にいるわけです。つづく

2016-06-19 06:07:39
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか21 だから、被災者の手に渡ってこそ現地にいる意味がある。欲しいという人がいるならば惜しげなく出すべきだと思うのです。沢山もってく人がいるなら、沢山渡せば良い。在庫が尽きたらかき集めればいい。ボランティアは汗かいてナンボだと思うのです。つづく

2016-06-19 06:07:54
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか22 被災者を甘やかせてはいけないという人もいますが、それは自分が被災者になったときに言って欲しいと思う。日本に住んでいれば明日は我が身です。自分が被災したら言えますか?ってことです。被災者は甘えていいのです。そういう役が回ってきたのです。順番です。つづく

2016-06-19 06:08:13
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか23 楽をしたいなら現場に行くべきではないと思います。やりたくないのに嫌々やるなら、やられる方も迷惑だと思います。ボランティアはやりたいからやるもの。物資の補充が大変だからと出し渋るのは本末転倒。在庫が空になったら勝ち、くらいの気持ちじゃないとw つづく

2016-06-19 06:08:30
かねちゃん @PEACEphotohito

出し渋りはなぜ起こるのか24 これはボランティアに限らず、自治体の職員にも言える事だと思います。彼らは給料もらってやってるわけですから尚更です。自分の給料は、いま目の前にいる人が払ってるわけです。目の前にいる被災者は、自分の雇い主だということを忘れてはいけないと思います。つづく

2016-06-19 06:08:44