茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1818回「ＥＵ離脱は、英国の終わりの始まりなのか」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１８１８回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ＥＵ離脱についての英国の国民投票の結果は、衝撃であった。結果を受けて、キャメロン首相が辞意を表明し、政界が離脱に向けて動いていること、スコットランドや北アイルランドが独立の動きを見せていることなど、予断を許さない流れになっている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ＥＵ離脱の結果を招いたのは、やはり移民問題であろう。欧州統合の理想が、域内、そして中東などの域外などからの移民圧力を前に、崩壊しようとしている。英国だけの問題ではなく、欧州統合のプログラム自体が、頓挫しかねない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ＥＵ離脱の結論となった国民投票の割合は、LEAVEが５１．９％、REMAINが４８．１％であった。この結果を、LEAVEが勝った、というのは数学的問題であるが、心理的には、納得への道、そして実行へのプロセスは簡単ではない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

何よりも当惑するのは、今回の、国民投票から離脱への動きが、英国の最良の伝統と齟齬を起こしていることだろう。英国は、国民投票のようなむき出しの多数決でものごとを決める、というやり方とは違う何かで、国を動かしてきたように感じる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

宝くじなどの収益をどのようなものに使うか、ＢＢＣの番組の構成をどうするか、どのような教育システムにするか。いくつかの重要な政策において、英国は、単なる多数とは異なる「基準」にもとづいて、行動してきたように感じる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

おそらく、英国として「賢い」選択は、未だに、ＥＵ内にとどまり、移民問題などの解決に知恵を絞ることだろう。国民投票の結果が出た後でも、disbelief（信じられない）の感覚が残るのは、これまでの英国のやり方との差異ゆえだと感じる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ストリートに作品をつくることで知られる匿名のアーティスト、バンクシーが、「英国の人々は離脱の投票をした後で、ＥＵってなんだったっけとグーグルで慌てて調べている」というツイートを引用して、「これが人間っていうものさ」とツイートしていた。離脱の投票結果には、そのような違和感が残る。

茂木健一郎 @kenichiromogi

英国は、本当に、ＥＵ離脱に向かうのか。その結果、スコットランドと北アイルランドも独立して、連合王国はバラバラになってしまうのか。一夜明けた今日は、まだ、disbeliefの感覚の方が強く、これからの道筋は、霧の中のように感じる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ＥＵ離脱は、英国の終わりの始まりなのだろうか。今までの英国の伝統が、根底から覆されようとしているように感じる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート１８１８回「ＥＵ離脱は、英国の終わりの始まりなのか」をテーマに、９つのツイートをお届けしました。