『ハート・クエスト』~未咲たちの冒険_ついったー版
- Hika_Rarala
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第1話 「 小さな背中で 」
名前の読み方 (登場順)
- 未咲 みさき
- 琴子 ことこ
- 秋本くん あきもとくん
- 萌 もえ
- 大助 だいすけ
- 蕾 つぼみ
自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の1】 「す、すぺーど‥クエスト??」未咲は目を丸くしました。「ハート・クエストが終わったら、次はスペードよ。きのう言ってたじゃない」少女は、くすっと笑みがこぼれながら言いました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-03 22:35:54自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の2】 少女の割には大人っぽい人だな、と未咲は感じていました。でも、優しかったよ、と、後に親友の琴子に語っています。 ――それにしても不思議なのは、自分がまるでゲームのように剣と盾を持ち、 #HQ_hikarino_youko
2011-02-03 22:40:24自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の3】 鎧をまとってさざ波のように宙に浮かび、それでもしっかりと立っていることなのでした。見ると、みんなも、そうでした。そして、マントがめくれあがる強風が、ふしぎに吹きすさんでおりました――。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-03 22:45:51自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の4】 「しかしな‥」「まるで、あの子の心の中みたいだね‥」2人ほど、目に入りました。後ろ姿で会話をしています。(この声! だれだろう??)未咲は、そーっと、顔を覗き込もうとしました―。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-03 22:53:37自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の5】 ゴッ! 頭から星が出そうになりました。「いった」押さえようとしたとき、「大丈夫?」「秋本くん!‥あれ?」胸がドキッとしかけたところで、未咲は感じ取りました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-03 22:58:43自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の6】 「なんでだろ? ヘンな感じがする!」「変な‥感じ?」「そう。なんか、‥」そう言いながら、未咲は座っていた席から立ち、――教室‥だよね? いつもの――と思いながら、もう一度、窓の方を見ました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 15:46:53自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の7】 「本当に、未咲ちゃん?」(え?)未咲は心の中で、小さな驚きの声を上げました。秋本くんの声が、少し違うような気がしたのです。ただ、それ以上に真剣な顔をされると、1秒も目を離せませんでした。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 15:53:30自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の8】 カチッ。まるで電気を消すような音が響きました――。「??見え方が?」教室のニュアンスが変わったように感じました。秋本くんは、押した親指をはなしながら、手の中のスイッチを見せました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 15:58:29自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の9】 そして、驚く未咲の手を引き、「ちょっと来て!」と言ったかと思うと、階段を駆け上がりました。「なんか‥不思議な、きゃ」転びかけた瞬間、受け止められて目を覚ましました。そのときです。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:04:44自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の10】 「本人は気づいているのでしょうか?」「うん。おそらく」――不意に不思議な声が聞こえ、秋本くんが答えました。「そういうことなら、いいですよ。今回は、わたくしが許可したので」そう言い終るや否や、 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:09:34自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の11】 不思議な気配がぶわっと足元から天井付近の壁へと通り抜け、ガラス戸の向こうが突如眩しく輝きました。「不思議なことが」「ほんとだ。近所のおばちゃんも、そんなこと言ってたっけ‥」未咲は思いだしながら #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:14:33自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の12】 立っていました。「未咲ちゃん、未来からきたでしょ?」「ええ??」当然のように言われると、よけいにビックリします。「この鍵で、元の時空に帰れるんだよ」「もとの、じくう!?」‥‥ #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:19:27自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の13】 ‥‥「それで、光に包まれたところまでは覚えてるんだけど」「よく無事だったわね~」「すごい体験だね」休み時間の教室。未咲は、3人のクラスメートに囲まれておりました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:53:10自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の14】 「それ、いつの話だ?」と大助は言いながら、考え込んだ顔になりました。「大ちゃんは、どう思う?」未咲は、訊いてみることにしました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 16:58:43自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の15】 「『昨日に帰ってきた』って言ってるのに、だれも信じてくれない‥」空気が温かくつつみました。「っていうか、信じちゃいけないっていう決まりは、なんでなの?」一瞬、考え込む一同。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 17:14:49自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の16】 「私、知ってる‥」「萌ちゃん‥」未咲は、友情の大切さを思い起こし、目の近くが熱いような感じがしました。「すごいわね! 早速、私たちに教えなきゃ」頷く、大助。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 17:27:20自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の17】 「ありがとう、みんな!」未咲の目から、涙が溢れました。不意に、萌がポツリと言いました。「クローンと‥同じことだと思う」3人は、萌の顔を覗き込みました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 17:51:09自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の18】 「どうして同じなのかしら?」「ねぇ」未咲も同じ意見でした。「たとえば、」萌が言いかけた瞬間、チャイムが高らかに響き渡りました。「ああッ!」 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 17:56:33自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の19】 幾人かが、同時に叫びました。未咲と大助だけではありません。「私っ、あっちの教室っ」ああ!っと手を伸ばす未咲たちを背に、萌は、鎖骨にかかる髪を清らかに揺らしながら、廊下の雑踏へと消えました。 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:15:37自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の20】 「そういえば、実験校だった!」「たしかに」声にふり返ると、生徒が数人、自分の教室へと走り去るのが見えました。2人は席に着き、大助が未咲の席にきて言いました。「その‥さっきの時空の話だけどさ、」 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:23:39自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の21】 「うん。何?」未咲は3歳の子どものように、きょとんとした表情です。「あれ、本当に皆に話したのか?‥逆に」―短い沈黙―「ヒドくない? 言い方」ガラガラ‥戸が開き、先生が入ってきて、 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:30:31自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の22】 後ろを向いて戸を閉めている間に、大助はもう席に座っていて、教科書と筆記用具もありました。「やるわね」と小さな、それでいてキリリとした、きつくない声。(あ、さっきの子。何ちゃんだったかな?) #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:35:50自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の23】 「きりーつ!」ビクンっと未咲が立った頃には、もう全員が立ち並んでおりました。――ホッ。「礼! 着席!」‥‥そして、授業は、なんとか乗り切りましたが、「どうして秋本くんだけ、欠席なのかな?」 #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:42:18自作冒険小説『ハート・クエスト』【第1話の24】 未咲は、頬杖をついて青空を見ました。「今日に限ってな」「大ちゃん!」振り仰ぐと、大助が立っていました。未咲はもう一度、窓を見ました。「あれ?」(切なくない! さびしそうな青空だったのに‥) #HQ_hikarino_youko
2011-02-08 22:51:12