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いままで書いたプラスのまとめ
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このん @knn_x

彼は孤独の塊だ。それこそ淋しいなんて絶対に口にしないけれど、その背中がいつも物語っている。#コナンプラス 「…おかえり、ジン」たった一言、そんな言葉を投げかけるだけで、彼の表情はこんなにも変わる。返事の代わりなのか、無言でわたしを抱き寄せるその背中に静かに手を回した。「…すきよ」

2016-05-30 18:31:23
このん @knn_x

これが最善だと思った。このままでは秀一さんのお荷物に成り下がってしまう。だからこそ、きらいだなんてたとえ嘘でも口にしたくもない言葉を、必死に吐いたのに。#コナンプラス「…そんなことを云えば、俺が手放すとでも思ったのかな?」生憎だが、お前の思ったようには動いてやれん。―離さない。

2016-05-30 21:00:13
このん @knn_x

幸せにする自信がないわけではない。ただ、彼女にしてみれば不幸を感じることのほうが多いだろう。―けれど、#コナンプラス「ジンさん、すきです」そう云ってあの笑顔を目いっぱい振りまけられてしまっては、いとも簡単に揺らいでゆく。「…分かってる」ああ、手放してなんて―やれるわけがない。

2016-05-31 10:17:14
このん @knn_x

なんと情けない話だろう。名手と称されてきたこの俺が、たったひとり、目の前にして銃口が震えるなんて。#コナンプラス 彼女がそうでないことを証明しようと今まで躍起になっていた。…けれど、できなかった。「…秀、」儚げに呼ぶ声に視界が滲む。―どうやら俺は、お前を愛しすぎてしまったようだ。

2016-05-31 21:42:55
このん @knn_x

テレビに齧りついていた奴が「まだ寝ない」と駄駄をこね始めた。ジン、先に寝てていいよと云い出した彼女からリモコンを奪って、電源を切る。#コナンプラス 「ひどい!」「…疲れたら寝れるだろ」来い、という俺の言葉でさっと血の気が引いてゆく彼女に、思わず口角がつり上がった。―覚悟しとけよ。

2016-06-01 19:31:23
このん @knn_x

彼が何を思ってわたしと接しているのか、ほんとうは誰をそばに置きたいかなんて、分かってる、分かっている、けれど。#コナンプラス 「秀一さん、すきです」すると途端に切なそうな顔をして。…わたしの取るべき行動はただひとつだけ、でも―ごめんなさい。愛しているから、あなたを離せそうにないの

2016-06-02 20:00:29
このん @knn_x

「そんなにあの男がいいのか?」そう冷たい目で冷たく言葉を浴びせられた。どうやらこのひとを―ジンを怒らせてしまったようだ。それも何気ない言葉で。#コナンプラス 朝目覚めたときにはもう彼の姿はなかった。代わりに残されたのは身体に散らばる無数の赤い痕。―渡さない、と云っているかのように

2016-06-02 23:43:36
このん @knn_x

「眠い…」「もうすぐ着きますよ」「んー…むり、ねる」バーボン肩貸して。そんなことを云い出した彼女に、車内の空気が一気に冷えてゆく。…殺気を放つのは他でもない、助手席の長髪の男。#コナンプラス 赤信号に差し掛かったとき、こちら側のドアが荒々しく開いた。「…代われ」―お前は助手席だ。

2016-06-03 20:27:30
このん @knn_x

彼はいつも気を張っている。少し肩の力を抜いたら、とは思うけれど―職業柄、油断も隙も見せてはいけないのだろう。…それなら、せめて。#コナンプラス 「秀一さん、おかえりなさい」笑顔で迎え入れると、何も云わずにわたしを引き寄せた。…ここはあなたの帰る場所だから―安心して、ください。

2016-06-04 17:48:15
このん @knn_x

上でわたしを揺さぶるジンを、ぼんやり見ていた。…決して結ばれてはならないことも重重分かっている。けれどこのときばかりは恥も外聞も捨てて、ひたすらに愛を貪っているのだ。#コナンプラス 「…時が止まればいいのに」そうしたら、と言いかけた口を塞がれる。―ああ、どうかこのままこのひとと、

2016-06-04 22:18:16
このん @knn_x

「ねえ、ジンさん」疲れて帰ったら―このザマだ。どうやら中に紛れ込んだらしい白猫を抱きかかえて、あろうことか飼いたいとまで云いやがる。当然断ろうとすると、俺を見上げる彼女の視線とぶつかって。#コナンプラス 「…しょうがねえな……」―仕方ねえだろ、あんな潤んだ目でこいつに見られたら。

2016-06-05 21:48:53
このん @knn_x

誕生日に何が欲しいかと問えば、それまでにこにこしていた表情が一気に真面目な顔になって。「……秀一さんの苗字がほしい、です」#コナンプラス ああ、面子なんてあったものではないが―俺も覚悟を決めよう。「…俺といっしょになる覚悟はあるか」もちろん、と綺麗に笑った彼女が愛おしかった。

2016-06-06 00:52:05
このん @knn_x

秀が構ってくれなくて淋しくて仕方なかったわたしはお酒に縋ってしまった。足元も覚束ないまま、気がついたら知らない男に誘われていて。もうこの際とヤケになりかけたそのとき―よく知った煙草の匂いが鼻をつく。#コナンプラス 「…俺のものをどこに連れてゆく気かな?」―酷くドスの利いた声だった

2016-06-06 19:41:56
このん @knn_x

雰囲気からして殺気まみれの彼に、男も怖気ついたようで尻尾を巻いて逃げて行った。どうして、と聞く暇も与えられないまま、来いと腕を引っ張られる。…ああ、こんなに背が高いひとだったかな、このひと。「…今度から酒を飲むのは俺の前だけにしろ」だなんて…一体全体どの口が云うのかしら。

2016-06-06 22:42:19
このん @knn_x

わたしはこのひとのことをよく知らない。けれどふらりと部屋に来ては必ずただいまを云う。少なからず彼の帰る場所になっているのだろう。…それだけで充分だった。#コナンプラス ベッドに倒れ込むように抱きしめられる。「…ジン、」―彼からは煙草の匂いに混じって、微かに火薬と血の香りがした。

2016-06-07 20:51:39
このん @knn_x

さっきから携帯が鳴りっぱなしなのに、彼は目もくれない。―仕事のことだったらどうするんだろう。「…秀、携帯鳴ってる」第三者のわたしがそわそわしてきて、そう声をかけた。#コナンプラス ようやく携帯を手にしたかと思えば―あろうことか電源をオフ。「…今はお前との時間のほうがたいせつだ」

2016-06-08 20:00:51
このん @knn_x

彼女は頭の回転が早く動きも俊敏で、まさに仕事ができる女、といった感じだった。…だが、唯一欠点を上げるとすれば―俺に興味が全くないということ。#コナンプラス 「秀、行くわよ」今日もいつものように飛び回る奴の横を歩きながら思うことはひとつ。…絶対お前を落としてやるから覚悟しておけよ。

2016-06-09 09:40:36
このん @knn_x

―せめて物には困らない生活を、こいつにはさせてやりたかった。こんな箱庭で生きるなど、不自由だらけだろう。だからいつも問うた、何か欲しいものはないのか、と。#コナンプラス 「…ジンさんがそばにいてくれて、これ以上何を求めるの?」ある日のその返事にたまらなくなって、思わず唇を寄せた。

2016-06-09 20:46:08
このん @knn_x

「…そんなにあの男がいいのか」至って冷静な口調だったけれど、どこか怒りを含む秀の声に背筋が凍る。必死に否定しようにも一切聞き入れてくれず、そのまま壁際にじりじり詰め寄られてしまう。#コナンプラス いつも綺麗だと思って見とれていた翡翠が怖くてたまらない。「よそ見なんて―許せないな」

2016-06-10 08:21:54
このん @knn_x

既読が、つかない。いつもならものの数秒で返信してくるのに。…もしかして、なんて―あいつのことだと冷静でなくなる自分が憎たらしい。#コナンプラス 「…ジンさん、どうかしたの?」電話越しの声は至って元気だった。「てめえ…」「既読無視したら電話してきてくれるから、あえてつけないんだよ」

2016-06-10 20:43:16
このん @knn_x

探し物がどうしても見つからず、仕方なく彼女の部屋に失礼することにした。そこで目についたのは机上のブライダル雑誌。開いてみるとドレスのページばかりに付箋が。#コナンプラス 「秀一さん、いるの?」その声に急いで雑誌を閉じる。―俺だって着させてやりたい、けれどすぐにはしてやれないのだ。

2016-06-10 22:32:44
このん @knn_x

彼女がほんとうの意味で手の届かない存在になってしまえたら、このどうしようもない想いも…消えてなくなってくれるだろうか。#コナンプラス 「ねえ秀、聞いてよ!」そうやって彼氏の愚痴を零す奴へ不毛な愛を謳い続けて早数年。…薬指に銀色が光りでもすれば―いや、それはやっぱり御免だな。

2016-06-11 08:36:58
このん @knn_x

あのひとの代わりだと心得えて、いくつ夜を越えたのだろう。いつもわたしを見ているようで、秀はわたしと重ねてあのひとを想っている。#コナンプラス 「…欲しい、」―ああ、あなたはほんとうにひどいひとね。これっぽっちもすきじゃあないくせに、そう云っては時折わたしを…全力で愛するんだから。

2016-06-11 20:10:00
このん @knn_x

やる、とぶっきらぼうに渡された小包を開けてみると、真っ白いワンピースが出てきて。ずうっと欲しかったものだから感動してしまった。「ジンさん、ありがとう!」#コナンプラス 「…なあ、知ってるか?」男が服を送る理由。「愛した奴が着たその服を―脱がせたいからなんだよ」…ああ、夜が恐ろしい

2016-06-12 12:29:39
このん @knn_x

「赤井さん、いま時間ある…?」夜道を歩くのがひどく怖くなって、そうメッセージを送った。するとものの数秒で返事―ではなく、あろうことが電話がかかってきて。#コナンプラス 「…どうした」「ちょっと一人で帰るのが怖くて」「そうか」―そういうことなら前置きせずに、いつでも電話してこい。

2016-06-12 23:44:35
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