民主主義が独裁主義に勝利するために ~中国との競争に活路なし、共生を目指せ~
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問題:中国の台頭、『Xデー』は2030年
みど(1)中国が台頭してきている。中国のGDPが日本を追い抜いて世界2位になってから久しい。中国公船の日本への領海侵入も目立つようになってきた。中国のこのような軍事的台頭の背景に中国の経済発展があることは確かだ。国家の経済規模はほぼ国力に等しい。軍事力もまた然りである。
2016-07-03 19:04:48みど(2)各国の経済規模を知るために不破雷蔵さんの『ガベージニュース』「主要国のGDPをグラフ化してみる(2016年)(最新)」( garbagenews.net/archives/13357… )を見てみよう。
2016-07-03 19:05:48みど(3)「名目GDP上位国」のグラフに拠れば、2016年(予想値)の中国の経済規模は1位のアメリカの3分の2にまで達している。日本と比べると3倍近くとなっている。もっと驚くのは「主要国名目GDP推移」のグラフで、中国の経済規模の成長率はアメリカよりも大きいのである。
2016-07-03 19:06:48みど(4)「主要国名目GDP推移」のグラフを外挿すると、このまま行けば、2030年までには中国とアメリカの経済規模が逆転することが分かる。中国がアメリカに代わって世界の覇権を手にする『Xデー』が2030年までにやってくるということだ。『Xデー』まであと15年もないだろう。
2016-07-03 19:07:51批判:勝算もないのに中国を敵に回すことこそ無責任
みど(5)中国の軍事的台頭を受けて、日本では安倍首相を始めとする人たちが国防の増強や日米同盟の強化を主張している。彼らはそれが日本の安全保障の強化に繋がるとしているけれども、上述のデータを見る限り、それは楽観論であろう。
2016-07-03 19:08:48みど(6)中国の経済規模は既に日本の3倍近くになっているのであり、日本が国防費を増やしたところで焼け石に水であろう。また、2030年の『Xデー』には中国の国力がアメリカを上回ることが予想され、そうなればアメリカが中国から日本を守ることも困難となる。
2016-07-03 19:09:48みど(7)中国を仮想敵国に仕立てて対抗しようとしたところで、中国の国力がアメリカを追い抜いた時点でゲームオーバーである。その場合、中国と対立する近隣諸国として、日本は中国の属国とされてしまうだろう。勝算も無いのに競争を煽り、中国を敵に回すことこそ無責任なのである。
2016-07-03 19:11:47分析:中国の台頭の理由「独裁主義+資本主義」
みど(8)先の安倍首相のような人たちの主張を「楽観論」と述べた。ここで中国が台頭している理由を分析すれば、日本やアメリカが中国に対抗することがいかに困難なことがが分かるはずである。それが分かれば、「楽観論」に惑わされることはないだろう。
2016-07-03 19:12:48みど(9)中国が台頭している理由、それは中国が「独裁主義政治体制かつ資本主義経済体制」だということだ。「独裁主義(権力の集中)+資本主義(経済力の集中)」は国際競争を勝ち抜く上で最強の組み合わせなのである。競争相手国から見れば「最恐」の組み合わせと言ってもいい。
2016-07-03 19:13:48みど(10)まず、資本主義が国際競争において最強の経済体制であること、これはアメリカと旧ソ連の事例から分かるであろう。経済力を集中できる資本主義国は経済力を分散させる社会主義国よりも強い。優秀な人材ほど経済的利益を求めて社会主義国から資本主義国へ流出していった。
2016-07-03 19:14:48みど(11)勘違いしてはならないのはアメリカが旧ソ連との競争に勝ったのは、民主主義国だからではなく資本主義国だからに過ぎないということだ。民主主義が優れているからアメリカが勝ったわけではないのである。勝敗を分けたのは両者の経済体制の違いである。
2016-07-03 19:15:48みど(12)資本主義陣営が優勢になるにつれて、社会主義陣営は次々と資本主義体制へと移行していった。問題はここから始まっている。中国のような独裁主義政治体制を確立した国もまた、社会主義経済体制から資本主義経済体制へと移行したのだ。ここに最強にして最恐の体制が確立する。
2016-07-03 19:16:48みど(13)独裁主義が資本主義と合わさるとなぜ最強なのか。それは政権が経済力を強化するために権力を自由に行使できるからだ。経済力とは国力であり、独裁政権は国力の増進のために権力を行使する。民主主義でも権力の行使は可能だが、質も量もスピードも独裁主義体制の方が断然に上だ。
2016-07-03 19:17:48みど(14)例として、スーパーコンピューターを挙げよう。三橋貴明さんの『新世紀のビッグブラザーへ』「人類の危機とエクサスケールの領域」( ameblo.jp/takaakimitsuha… )に拠れば、「スーパーコンピューターの能力は、国力」だ。
2016-07-03 19:18:47みど(15)「中国共産党は、そんなことは理解しているからこそ、スパコンの開発に10兆円を超す資金を注ぎ込み、留学生をアメリカに送り込み、優秀な人材を自国に戻し、スパコンの開発に従事させている」。その結果、「スパコン性能ランキング」で中国は「国産技術」で「首位を獲得」した。
2016-07-03 19:19:49みど(16)独裁政権は国力を増進させるために必要な政策を迅速・確実に実行に移す。経済が不況に陥ったとしても、迅速に対応する。中国の経済が急成長を続けているのはそのためだ。20年近くもデフレを続けた挙句、消費増税という愚行で経済を痛めつけている日本とは雲泥の差だ。
2016-07-03 19:20:47みど(17)アメリカもまた必要な経済政策を迅速・確実に行えていない。民主主義政治は時間が掛かるし悪手を打つことも多い。独裁政権は国力を増進させるという目的に向け合理的に行動する。経済的利益を追求する資本家・エリートとの親和性も高い。その必然的な差が上述のグラフに表れている。
2016-07-03 19:21:48みど(18)「独裁主義政治体制(権力の集中)+資本主義経済体制(経済力の集中)」が「民主主義政治体制(権力の分散)+資本主義経済体制(経済力の集中)」より国際競争に強いのは本質的なことだ。国際競争になったら民主主義は独裁主義に勝てない。競争になれば日米は中国に負けるのである。
2016-07-03 19:22:49提案:中国を巻き込んだ『東アジア共同体』の実現を目指す
みど(19)競争になったら民主主義の日本やアメリカは独裁主義の中国に勝てない。ではどうすべきか。競争をやめるしかないだろう。中国との『共生』を目指すしかない。具体的には、中国を巻き込んで『東アジア共同体』を結成することが日本の平和を維持するために残された唯一の現実解である。
2016-07-03 19:23:48みど(20)何しろ他に選択肢がない。日本が中国に対抗する為に民主主義を捨て独裁主義政治体制に移行することは日本国民は望まないだろう。緊急事態条項の加憲を目論む自民党の方向性は日本の独裁主義化と言えるが、中途半端なら対立を煽るだけで逆効果だし、徹底すればそれ自体が日本の中国化だ。
2016-07-03 19:24:48