旅とくらし文化研究所【旅録@京都】

旅とくらし文化研究所は2016年6月下旬、京都へ。鴨川・五条大橋の袂、河原町五条から南西の一帯にかつて、平安時代の貴族・左大臣源融(みなもとのとおる)の邸宅・六条河原院があったと伝えられています。融は河原院を陸奥国塩竈の景観に模し、その風流の様子は『伊勢物語』にも描かれました。『源氏物語』の光源氏のモデルと言われ、歌人としても知られた源融の旧邸・河原院の面影を探す梅雨の小さな京都旅をお伝えします。
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旅とくらし文化研究所 @tabi_kurashi

【旅録@京都(番外篇)】旅とくらし文化研究所は先日、短い時間ながら京都を訪れました。今春の京都旅では平安時代の歌人・在原業平にまつわる旧跡とお能の名曲の舞台を歩きましたが、今回は業平と同時代を生きた左大臣源融の旧邸・六条河原院の面影を探す町歩き。梅雨の京都旅をお伝えしていきます。

2016-06-26 22:01:08
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【旅録@京都】夜に京都入りし、新京極通のレストランスター京極店で夕食。大正14年創業の老舗洋食店で、看板メニューのオムライスをはじめ昔懐かしいメニューが豊富。ハンバーグ、魚フライ、ポークカツにオムレツ付の「Bポカ」はボリューム満点。 pic.twitter.com/5BoV0mimTO

2016-06-26 22:02:21
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【旅録@京都】土産物店が多く立ち並ぶ新京極通の一角にある錦天満宮。京の台所として知られる錦市場の東端に位置し、ビルに囲まれた小さな境内ながら、境内からは名水「錦の水」も湧き、菅原道真公を祀る天満宮のなかでも由緒ある社のひとつです。 pic.twitter.com/LMJWNzodfG

2016-06-27 22:21:08
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【旅録@京都】新京極通を三条通方面へ上ると見えてくる誓願寺。667年創建の古刹で、現在の地に移されたのは1591年。清少納言や和泉式部が帰依し、女人往生の寺でも知られています。人通りの多い町中に古寺・古社が点在するのも京都ならでは。 pic.twitter.com/UsKZzcXRdj

2016-06-27 22:22:19
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【旅録@京都】鴨川に架かる五条大橋の袂、河原町五条から南西の一帯にかつて、平安時代の貴族・左大臣源融が築いた邸宅・六条河原院があったと伝えられています。『源氏物語』の光源氏のモデルと言われ、嵯峨天皇の皇子ながら臣籍に下り、歌人としても知られた源融の旧邸・河原院の面影をめぐります。

2016-06-28 22:12:50
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【旅録@京都】烏丸通に面した東本願寺の前の通りを東へ入ると、数珠や法衣の専門店が並ぶ先に、東本願寺の飛地境内地「渉成園(枳殻邸)」があります。徳川家光から寄進された土地を文人・石川丈山が作庭したもので、広々とした風情ある庭園です。 pic.twitter.com/0P4rTO8uzo

2016-06-28 22:14:29
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6月30日は「夏越の祓(水無月祓)」。古来より宮中や神社で行われてきた神事で、半年間の無事に感謝し、知らず知らずに犯した罪や穢れを祓い、残り半年間の無事を祈ります。「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶというなり」と唱えて茅の輪をくぐり無病息災を願う行事が各地の神社で行われます。

2016-06-29 22:17:05
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夏越の祓(水無月祓)の時期、和菓子店には「水無月」が並びます。白いういろうの生地に小豆をのせて三角形に切ったお菓子で、小豆は厄除、三角形は氷を表わすといわれています。先日訪れた京都の町で見つけた小さな和菓子屋さんにも並んでいました。 pic.twitter.com/61niPkB8eS

2016-06-29 22:18:03
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【旅録@京都】東本願寺の飛地境内地「渉成園」は長らく、源融の六条河原院の旧蹟と伝えられてきました。河原院は融が築いた広大な邸宅で、庭園を歌枕で名高い陸奥国塩竈の景観に模し、難波の海から海水を運ばせ、塩焼きをさせたといわれています。 pic.twitter.com/xSmaiQFpi5

2016-06-30 23:51:36
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【旅録@京都】渉成園が六条河原院の跡地と伝えられてきた理由のひとつは、江戸時代の渉成園造営時に池の底から掘り出された九層の石塔が、源融の供養塔だと信じられたため。一面に睡蓮が広がる印月池の奥に見えるのが、融の供養塔とされる石塔です。 pic.twitter.com/W5ttKCoCyN

2016-06-30 23:53:56
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【旅録@京都】左大臣源融の六条河原院跡地ともいわれる渉成園ですが、発掘調査などから、河原院は渉成園の北東側にあったとの説が有力。それでも、作庭には塩竈や手水鉢など、塩焼きの風情を楽しんだ融大臣を偲ぶ趣向が随所に取り入れられています。 pic.twitter.com/na89JXXAcS

2016-07-01 23:45:48
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【旅録@京都】五条の町中とは思えない静けさと豊かな自然を楽しめる渉成園。左大臣源融の六条河原院を偲ばせる景物以外にも、楼門風の独特な外観がおもしろい傍花閣、印月池に咲く睡蓮の花など見どころが多く、広大な園内をゆったりと散策できます。 pic.twitter.com/v0aIxF5IRB

2016-07-02 21:58:21
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【旅録@京都】『伊勢物語』には、かつての六条河原院の風流の様子が語られ、在原業平が河原院を称えた「塩竈にいつか来にけむ朝なぎに つりする舟はここに寄らなむ」が引かれています。渉成園の源融の供養塔を臨み、しばし往時に思いを馳せました。 pic.twitter.com/jJuWzIRluS

2016-07-03 22:15:02
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【旅録@京都】渉成園に近い上珠数屋町通の本家十松屋。江戸時代創業、お能で使う舞扇「中啓」と「鎮扇(仕舞扇)」の専門店です。舞扇はお能の流派や曲種ごとに様々な模様や図柄が描かれるのが特徴。京扇子は国の伝統的工芸品にも指定されています。 pic.twitter.com/YnpkCg7uWb

2016-07-05 21:10:28
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【旅録@京都】左大臣源融が陸奥国塩竈の景観に模して築いた六条河原院。渉成園の北東一帯が跡地との説が有力ですが、その名残はいまも町の名に残っています。散策中に見つけた町名看板は「本塩竈町」。陸奥から遠く離れた京の都に「塩竈」の不思議! pic.twitter.com/gUNOfLXM39

2016-07-06 22:43:36
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【旅録@京都】本塩竈町の富小路通にある塩竈山(えんそうざん)上徳寺。阿茶の局が開基した浄土宗の寺院で、子授けや安産の御利益から「世継地蔵」の名で信仰されています。このあたりも六条河原院の跡地だったとされ、何とご住職の名字も塩竈さん! pic.twitter.com/sdnDWGsJST

2016-07-07 22:33:38
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【旅録@京都】六条河原院跡地の本塩竈町界隈を散策していると、道端に朱塗りの鳥居を図案化して描いたパネルを発見。以前、よりリアルなかたちの小鳥居(写真右)を御池通で見ましたが、いずれも立ち小便防止用、信仰心に訴える仕掛けです。 pic.twitter.com/AdXFfpnO0F

2016-07-09 22:30:45
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【旅録@京都】五条大橋の近く、木屋町通の高瀬川に架かる榎橋の袂に、榎の老木が立っています。駒札には「源融 河原院跡」とあり、このあたりにかつて源融の六条河原院があったこと、榎の大木は、その邸内にあった森の名残であると記されています。 pic.twitter.com/01Awn5BQ3x

2016-07-12 21:24:44
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【旅録@京都】木屋町通の「源融 河原院跡」。河原院の庭には、千賀の浦(塩釜港)の歌枕「籬(まがき)が島」が築かれ、世阿弥作の能『融』には「融の大臣常は御船を寄せられ、御酒宴の遊舞さまざまなりし所ぞかし」と往時の風流が語られています。 pic.twitter.com/xTffZLO5HM

2016-07-13 21:18:11
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【旅録@京都】六条河原院は源融の没後、やがて荒廃し、紀貫之の和歌にも「君まさで煙絶えにし塩竈の うらさびしくも見え渡るかな」(古今和歌集)と詠まれました。籬が島も鴨川の氾濫で埋没し、森として残った名残が榎の大木だと伝えられています。 pic.twitter.com/295KmVmXMl

2016-07-13 21:18:50
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【旅録@京都】木屋町通の「源融 河原院跡」。榎の大木の裏に、小さな鳥居とお社があり、榎を御神木とする榎大明神が祀られています。家屋に一体化し、人ひとり入ってお参りするのがやっとですが、そこには榎の老木への愛着と信仰が息づいています。 pic.twitter.com/KM44hcg7n7

2016-07-15 22:00:46
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【旅録@京都】木屋町通の「源融 河原院跡」の裏手は鴨川。五条大橋もすぐそばです。六条河原院の風流を尽くした生活から河原左大臣と呼ばれた源融ですが、下位の右大臣藤原基経が摂政に就くなど、政治的には不遇で隠居に近い暮らしであったとも。 pic.twitter.com/NO5CbSKkZQ

2016-07-16 21:43:40
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【旅録@京都】能『融』は、荒廃した六条河原院に源融の霊が現れ、塩竈の致景を模して塩焼きを楽しんだ往時の栄華を懐かしみ、月下の遊舞を再現して舞い、月の都へ帰るさまを描く名曲です。河原院の面影をたどり、融大臣にしばし思いを馳せました。 pic.twitter.com/J6fYdkhjEQ

2016-07-16 21:45:56
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【旅録@京都】最後に足をのばしたのは、烏丸御池からほど近い姉小路通の御菓子司「亀末廣」。創業は1804年、亀のかたちにすえひろの字をあしらった暖簾や、扇(末廣)に亀の意匠などが目を惹く重厚な店構え。銘菓「京のよすが」で知られます。 pic.twitter.com/m2xuhRSyvp

2016-07-17 21:49:06
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《旅MIYAGE@京都》亀末廣の銘菓「京のよすが」。目にも美しい干菓子や半生菓子のつめ合わせは、季節ごとに内容も変化。通称「四畳半」と呼ばれる木箱入りが有名ですが、各種サイズあり。ひとつひとつ丁寧に作られていることが伝わる上質の味。 pic.twitter.com/KIxjTAIoR8

2016-07-18 21:56:59
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