艦乗りのプライド

竹村京さん(@kyou_takemura)の書いてくださった、落ちぬい二次です! 今回は香港近辺にいる金剛型&あたご型、あきづき型護衛艦と深海棲艦の抗戦のお話。ぜひおたのしみください! ご感想などは、竹村京さんor#落ちぬいタグへ。 続きを読む
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はじめに

竹村京 @kyou_takemura

#落ちぬい二次 、はじまります。本作は #不知火に落ち度はない の二次創作であり、オフィシャルではありません。意見、指摘などありましたら #落ちぬい タグにお願いします

2016-07-06 22:58:18

本編

竹村京 @kyou_takemura

海図台の上の一点に指示棒が当てられる。南シナ海にある小島の一つだ。 「ここに飛行場が完成するとまずいことになる」 といっても海洋覇権を狙う遅れてきた拡張志向国家の仕業ではない。もっと厄介なものだ。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:00:47
竹村京 @kyou_takemura

長江の上流域には深海棲息艦の拠点がある。海から遠く離れた内陸部に深海棲艦が拠点を構えた目的は不明だが、そこにいるのは飛行場姫と呼称される陸上型の深海棲艦である。あくまでも深海棲艦なので陸上での戦力は低く、現在は人民解放軍陸軍が包囲して監視を続けている状況だ。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:03:01
竹村京 @kyou_takemura

このタイプが初めて発見されたのはロシアだった。当時のロシア軍の対応は単純明快、爆弾を山ほど落としてその土地ごと吹き飛ばしてしまった。海上ではともかく、空の上であれば現代の戦闘機は深海棲艦が使う航空機を圧倒する性能を持っている。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:03:42
竹村京 @kyou_takemura

大型爆撃機でより高高度から爆弾を降らせれば戦闘機の護衛すら必要なかった。 だが、今やそれも過去の話だ。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:04:04
竹村京 @kyou_takemura

侮ったというわけではないだろうが、弱敵ならば生かさず殺さずで情報を取れるだけ取ろうという腹積もりだったのだろう。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:04:35
竹村京 @kyou_takemura

二度目に出現した陸上型は一気に殲滅せず、包囲して監視していたらしい。そうして暢気に見ていたら深海棲艦があっという間に陸上に適応し、とんでもない強敵になってしまった。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:06:19
竹村京 @kyou_takemura

航空機個々の性能では現代の物の方が優れているのは当然であるが、海上と同様に小ささと物量が最大の脅威となった。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:06:56
竹村京 @kyou_takemura

深海側の航空機は現代におけるレーダーステルスは全く考慮されていないが、単純に小さいのでレーダーに捕捉しにくい。レーダー反射面積が小鳥程度とされるF-22程ではないが、ユーロファイターやラファールといった限定的なステルス能力を備えた現代戦闘機よりは小さい。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:09:02
竹村京 @kyou_takemura

そしてそれをうまく補足できたとしても、一発数十万ドルもする空対空ミサイルで撃墜していたらこちらの弾と金があっという間に尽きてしまう。かといってドグファイトに持ち込めば、小型で低速性能に優れる敵に分がある。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:10:20
竹村京 @kyou_takemura

こうして有効な手を打てないまま敵に局地的な航空支配まで握られてしまい、陸地を事実上占領されてしまった。残る有効な手は自国内への戦術核の使用か、あるいは艦娘の技術を応用した歩兵と戦車部隊を編成し消耗戦を覚悟で地上戦を挑むかの二択である。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:11:31
竹村京 @kyou_takemura

前者は本当に最後の手段である。国際社会からの非難は免れないし、自国内で核を使用する事は国民から強い反感を買うだろう。下手をすればソ連崩壊以降苦労して作り上げたロシアという国を割りかねない。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:13:34
竹村京 @kyou_takemura

後者はそもそも陸戦型の艦娘の開発から始めねばならないが、ロシアは強力な艦娘の実用化には遅れを取っている。加えて艦娘技術が海から離れても有用かどうかはまだ検証されてすらいない。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:15:05
竹村京 @kyou_takemura

ロシア軍は敵の航空支配の外から精密誘導爆弾で敵地上施設を叩いてはいるが、物量に圧され徐々に支配領域の拡大を許している状態だ。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:15:28
竹村京 @kyou_takemura

翻って中国に出現した陸上型がなぜ抑え込まれているか、というのは謎ではあるが、ロシアの惨状を教訓に自国内での核使用に踏み切ったのではないか、というのが有力な説である。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:16:55
竹村京 @kyou_takemura

さて、これほど厄介な陸上型深海棲艦が内陸ではなく島嶼に現れたらどうするか。 島を吹き飛ばすほどの爆弾を降らせるわけにはいかない。島そのものは人間も使うのだ。それを消滅させたり放射能で汚染したりしては元も子もない。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:18:07
竹村京 @kyou_takemura

現在、シーレーンは大洋を突っ切るのではなく島に沿う様に設定されている。これは深海棲艦に出くわした場合に直近の島に逃げ込むためだ。ところがこのど真ん中に飛行場姫タイプが現れた場合、このシーレーンが文字通り分断されてしまう。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:19:53
竹村京 @kyou_takemura

「そこで我々の出番となる。飛行場が完成する前にこれを叩く」#落ちぬい二次

2016-07-06 23:20:06
竹村京 @kyou_takemura

日本からはかなり離れているが、シーレーンは日本の命脈である。加えて人民解放軍にも東南アジア諸国にもいまだ戦闘艦と艦娘をミックスした有力な海軍戦力はない。近代において有力な船魂が生まれるほど性能が高く、活躍した艦が無かったためだ。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:21:35
竹村京 @kyou_takemura

米軍についてはかつて七つの海を我が物としていた最強海軍は深海棲艦によって過去の物となった。世界中にある在外米軍は維持しているが、艦艇部隊の予算は縮小され空母打撃群の削減も議論されている。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:22:37
竹村京 @kyou_takemura

艦娘は日本海軍と比肩する強力なものが揃っているが、彼女たちを世界中に分散派遣する愚は犯さず本土防衛に力を入れている。加えて太平洋の一大拠点であったハワイは奪われ、日米合同作戦でも奪還に失敗した。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:22:58
竹村京 @kyou_takemura

要するに太平洋を渡り南シナ海で作戦を展開するだけの余力も義理も、米軍にはないのである。 だからこの任務は日本海軍がやるしかないのだ。 本任務にアサインされたのはイージス護衛艦あたごと汎用護衛艦てるづき。加えて香港に展開している金剛型のうち2名が参加する。#落ちぬい二次

2016-07-06 23:24:14
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