髭切と膝丸の由来及び名前に関する考察

髭切と膝丸の来歴と、名前に関する箇所だけまとめました。 考察:源氏の重宝が神を「ひ」から始まる名の対の太刀である必要性他 ハナタ(@87ta)さんがこの考察を元に描いて下さった素敵なイラストも掲載許可を頂きましたので、引用RTの部分から掲載しました。
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二振りの写真

斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

なにか忘れていると思ったら……お写真でした。少々古い写真ですが、膝丸と髭切の写真です。茎にえぐれがあり、少々反りが浅い方が膝丸、茎の底が欠けているものが髭切です。 明日所用あって出かけるため、まとめを更新してから参ります。 pic.twitter.com/Y7dJoOMb4J

2015-12-02 01:41:18
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二振りの名前に関する考察

斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

斜水の髭切・膝丸考察文書から、ハナタさんが素敵なイラストを描いて下さいました!クリックして、鳥肌が立ちましたーRTできてなかった!ハナタさんごめんなさい!ありがとうございます♡ twitter.com/87ta/status/74…

2016-06-18 20:30:38
兄者しか勝たん @87ta

クリックで源氏兄弟が三種の神器  考察:斜水さん イラスト:ハナタ pic.twitter.com/7CGU1q2wsU

2016-06-18 19:32:38
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

【髭切膝丸考察】 髭切と膝丸は源氏の重宝として、「ひ」から始まり、切と丸のつく名前でなければならなかった。たとえ髭が斬れまいがかかとまで切れても踵丸ではならない。天皇の血を引く源氏が、自らの権威構築とそれを周囲に認めさせるためにこの二振りは物語と役割を背負って生まれた。

2016-06-18 20:28:51
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

「ひ」は日に通じ天照、転じて神そのものを意味する。神社で葵は「あうひ」=「神に会う」とされている。二振りが源氏の宝刀として「ひ」から始まる「ひ」の宿る刀である。その刀が怪異を斬り霊威を増す事が、源氏の正しさを社会に知らしめることにもなるのだ。その力は一対として存在する必要があった

2016-06-18 20:33:58
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

「切」と「丸」の対比について。これには三種の神器が関係する(剣、鏡、勾玉)。 石切丸の胸の紋とその下の刀置きの模様にも通ず。 切は剣である。穢れを斬るもの。武家にとって何よりも大切な敵を斬る、外敵を征伐する力こそ第一であり、それを髭切に託した。神の厳しい一面、攻撃性を示す。

2016-06-18 20:37:43
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

丸は鏡である。これは神の姿を映すものであり、吉凶を、未来を、己を写すものである(『かみ』で『が』=『我』を挟む)。同時に家を円かにする、つまり家が存続するために必要な調和をもたらすものを膝丸に宿した。 そしてこれを一対とすることで一つを二つに分けた太極と陰陽=勾玉の姿を模した

2016-06-18 20:39:42
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

日本の天皇は三種の神器をもって神代からの正当性もつ、皇族の血をひく平家が皇族と外戚関係をむすび、権力体制を築いたことに対し、源氏は三種の神器を模す刀持つ者(その魂=勾玉)として、源氏という家を天皇家の縮図と重ねて源氏は対外的な支配の正当性を広くアピールした。

2016-06-18 20:45:37
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

また多くの変名があったのは神々が別名を持つ=神力が増すことと、長く時を経て力が減ることに対し、名付によって力を呼び戻し増す儀式ともいえる。 日本では物は、名前を付けることにより魂が宿る。なは汝であり、語りかける対称である。また、丸は「守る」が転じたことばでもある。

2016-06-18 20:49:16
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

また、命刀抄で「~丸」という名称は幼名に良く使用され、「~ちゃん」のような愛称的な意味がある、と考察した。これを刀に付けるのは皇室や公家関連の刀に多く見られ、物である刀に神格を与える意味も持っていた。二振の名前の変遷で髭切に丸のつく名称逸話は源家ではない。鬼切丸の丸は敬称に等しい

2016-06-18 20:56:34
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

一方膝丸は、蜘蛛切で攻撃的な力を得た後、吼丸に戻され、義経の時代に薄緑と呼ばれた。この名称がずっと現存膝丸の通称として通っていた。かたや髭切は鬼切の後、獅子の子、友切を経て髭切に戻るも、長く呼び称されたのは鬼切の名である。これらの逸話もそれぞれのキャラ形成に影響がありそうである。

2016-06-18 21:00:15
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

ハナタ(@87ta )さんのイラストの元になった考察はこのあたりでしょうか。これらを含めた二振りの考察は、まとめて制作中の命刀抄弐に掲載します。ツイッターの呟きは源氏兄弟で分量がありますので、まとめ内リンクで別にまとめます。 長々とTLを失礼しました。心からの感謝をハナタさんに!

2016-06-18 21:03:30
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

なお、これらの考察は斜水が独自に文献研究を重ねた結果であると共に、絶対の正しさや、刀剣乱舞の髭切と膝丸の存在やその解釈に対し、何の主張も目的とするものではない事をここに記します。あくまで、刀剣を通して歴史を眺める研究者の一意見です。いわば独自解釈ですのでご了承ください。

2016-06-18 21:10:07
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

ほいほい追記する斜水ですが、二人が勾玉のように二人で一つのような……と言ったのはハナタさんです。二人が黒の中に白、白の中に黒と陰の中の陽、陽の中の陰を持ち合わせた服装から、二人で一つと考えていたけれど、それが乖離していった遍歴や石切丸は一振で剣と鏡表しているとかいつか小説にする。

2016-06-18 21:22:54

二振りの来歴簡易版

斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

髭切:源氏重代の刀。刃長は81.8㎝と伝。柄、鞘とも黄金作り、作者は特定に至らない。実次(寛和985年頃)作、 文寿、宝寿作( 元暦1184年頃 )、筑後光世作(建武1334年頃) 説と年号的に食い違う説も。 名前の変遷は髭切→ 鬼切→獅子の子→友切り(友切丸)→髭切

2015-12-01 19:54:29
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue 現存の髭切(鬼切)について:京都北野天満宮所蔵。重要文化財最上氏由来、童子切の刀匠伯耆安綱作(大同 806年頃)の作(銘はあえて安の横に縦線を加え国綱に変えられている)これが頼朝の佩刀であったかは確かなことではない。以下いくつかの由来を記す。

2015-12-01 19:58:45
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue 打たせたのは源頼光の四天王渡辺綱の父多田満仲とも源義家とも言われる。頼光の子頼基、頼義から義家、為義と義朝と源氏に伝わり、平治の乱で頼朝がこれを佩刀とする。

2015-12-01 20:02:10
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue その後の来歴①鎌倉幕府経由で鶴丸を一時所持した安達泰盛のものとなるが、霜月騒動という政争で安達氏が滅んだ際に焼け身となり、第9代執権北条貞年により行次再刃の後、時の将軍の願いによって鎌倉の法華堂に奉納されるも、倒幕した新田義貞から斯波高経経由最上へ

2015-12-01 20:04:24
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue その後の来歴②頼朝から義兄弟(血縁上は従兄弟)足利義氏に譲り義氏の庶子の子孫にして今川家の祖となった、今川国氏に与えたとの説もあるがこれらの霊威を畏れてを膝丸と共に御剣八幡宮に奉納したとの説もあり。

2015-12-01 20:05:52
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue 名前の由来の変遷につきましては省きましたが、ただこの源氏から新田義貞への流れについては、あくまで軍記物が根底にあって確たる史書があるわけではない、また鬼切の太刀は数多くあることから現存の84.54㎝の鬼切国綱との同一性は何とも言えません。

2015-12-01 20:11:04
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

膝丸:源氏重代の宝刀。義経の太刀として知られる。こちらも諸説あり。豊前の長円(永延987年頃)作、実次(寛和985年頃) 作とも。 名前の遍歴1「朝霞」→「虫喰み」→「毒蛇」→「姫斬り」→「友斬り」→「薄緑」 名前の遍歴1「膝丸」→「蜘蛛切り」→「吼丸」→「薄緑」

2015-12-01 20:14:49
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue 名の由来は試し斬りの際、膝まで切り落としたため。偽物だが箱根神社の刀は長さは81.8㎝。大覚寺にあるものは銘「○忠」古備前物、87.6㎝、旧国宝、現在は重文。御剣八幡宮のものは明治9年頃から行方不明。江戸城にも81.8㎝金拵えの同名太刀があった。

2015-12-01 20:17:10
斜水左文字@刀剣と金工 @hasumizu_9blue

@hasumizu_9blue 来歴①源頼光が唐の鍛冶に作らせた。頼信、頼義、義家、為義、義朝と源氏に伝わる。義朝が鞍馬の毘沙門天に奉納した。これを鞍馬に居た時期の義経が盗み出した。平家討伐の際に箱根大権現に寄進。曽我兄弟の仇討ちの際使用されるも頼朝によって再び箱根大権現に寄進。

2015-12-01 20:20:18