先月から地元のホームセンターでアルバイトをしている。理由は相も変わらず「勘」である。 アルバイトを募集しているという話を耳にしてその日の内に直接話を聞きに行った。 採用されたのは僕1人だし、リンゴの摘果アルバイトが終わって2日後が初出勤だったから、多分正解なんだろう。
2016-07-10 09:20:19もちろんリンゴのアルバイトがいつ終わるのかは知らされてなかったし、面接の予約を入れた時点でホームセンターのアルバイトがいつから開始なのかなんてわかるはずもない。 それでもタイミング良く繋がるという時、僕は「理由はわからんが次はここでいいんだな」と納得する。
2016-07-10 09:22:38田舎に来てからホームセンターに行く頻度は跳ね上がった。畑仕事をするにも日曜大工をするにも、まずはホームセンターで道具や材料を集めるからだ。 だから商品知識が身につくホームセンターは顕在意識の志望動機としても十分だった。
2016-07-10 09:26:54縁もゆかりもない土地に来たので、チェーン店ではなく地元密着型の店で働いてみたいと思っていた。人間関係を作るために。 しかし、「勘」で選んだその店は、パフォーマンスではなく『実際に密着していた』のだった…(; ・`д・´)
2016-07-10 09:29:24おばあちゃん「すいませんねぇ」 僕「はい、いらっしゃいませ^^」 おばあちゃん「主人のために杖を買いに来たのだけど、どこにあるかしら?」 当然僕もどこに陳列されているかわからないのでA先輩に助けを求めた。
2016-07-10 09:32:47僕「Aさん、杖ってどこにありますか?」 A「杖ね、こっちだよ。」 A「旦那さんの杖?」 おばあちゃん「そうなの。自分で買いに来ればいいのに。」 A「はは。これなんかどう?」 僕「(;・∀・)(それは結構長い杖だけど大丈夫かな?おじいさん用だよな?)」
2016-07-10 09:35:08A「旦那さん、結構背、高かったよね?」 僕「(; ・`д・´) (なぬ!?)」 おばあちゃん「そう。あんたと同じくらいかな。」 僕「(180以上かよ!)」 A「俺が使った感じ、わりといいから大丈夫じゃないかな。もし合わなかったら切って短くしてあげるよ。」
2016-07-10 09:37:32Aさんはこの店に勤めて8年だそうだ。お客さんの1人のおばあちゃんの旦那さんの背丈を把握し、最適な杖を提供できるのだ。さらにサイズの微調整として杖のカットもいつでもしてあげるとサラッと言えるのだ。 地元民に密着し過ぎだろ。 サービスのクオリティー高けえ… (; ・`д・´)
2016-07-10 09:40:56また別のケース。 おじさん「ねえねえ」 僕「はい、どうされましたか?」 おじさん「この虫取り網さあ、深さはどのくらいあるの?」 僕「(; ・`д・´) え!?(たたまれてビニール袋に入ってるし、さすがにそれはわからんわさ…)」
2016-07-10 09:43:19僕「すみません、Bさん!この虫取り網の深さってわかりますか?」 B「ええ〜?どのくらいかなあ?」 おじさん「こうトンボとかを捕まえたらさ、クルっと巻いて閉じ込めるのに深さが必要なんだよね。」
2016-07-10 09:45:12B「そうだよねえ、深さがわからないと困るよねえ。林さん、袋開けちゃっていいよ。」 僕「(; ・`д・´) は、はい。」 べりべりべり 僕「このくらいの深さですが、いかがでしょう?」 おじさん「おお!いいじゃん。じゃこれ買うわ。」
2016-07-10 09:47:00新品の袋でも開けて確認させてあげるんだ・・・いや、でもそれぐらいならあるか?う〜ん… ∧_∧ ( ・ω・ ) ( ∩∩ )
2016-07-10 09:48:23またまた別のケース。 おじさん「すみません。」 僕「はい、なんでしょう?」 おじさん「この地下足袋の大中小ってのは、足首の太さのこと?」 僕「(´;ω;`)(もうほんっとに質問されることが予想外過ぎて一個も答えられん!)」
2016-07-10 09:53:01僕「Aさん、この地下足袋の大中小って足首の太さのことですか?」 A「ん?ああ、そうだよ。」 僕「だそうです。」 おじさん「ちょっと合わせてみてもいいかなあ?」 僕「(ええ〜)」 A「いいよ〜。出して履いてみてよ。」 おじさん「ありがとう!」 僕「(`・д́・;)(いいのっ!?)」
2016-07-10 09:56:14地下足袋でも一緒なのか…。 やっぱりサービスのクオリティー高いよなぁ。 /つ_∧ /つ_,∧ 〈( ゚д゚) |( ゚д゚)ヽ ⊂ニ) ヽ__と/ ̄ ̄ ̄/ |  ̄\/___/
2016-07-10 09:58:33日常的な風景。 お客A「店長、こんちは。」 店長「おおう、こんにちは!」 僕「(あの人、店長の知り合いなんだ。)」 お客B「店長!」 店長「やあ!今日は何いる?」 僕「(へえ、あの人も知り合いなんだ。)」 お客C「こんちは〜」 店長「Cさん、こないださ〜」 僕「(んん?)」
2016-07-10 10:01:40お客D「店長いる?」 僕「はい、今呼んで来ますね(この人もか!)」 店長「こんちは!」 お客E「店長こないだはどうも〜」 僕「・・・」 お客F「店長!」 店長「お〜Fさん!」 僕「(; ̄O ̄)(ぜ、全員・・・)」
2016-07-10 10:07:14店長に限らず、スタッフのほとんどがお客さんに顔と名前を覚えてもらっているのだ。 そして皆「こんにちは〜」と挨拶をしていく。 地元密着というか、もうこれゼロ距離接客だろ。 (`・д́・;)すごい…
2016-07-10 10:09:41店のコンセプトも明確で、お菓子やトイレットペーパーなどのソフト商品は最低限の定番商品にして、代わりに水道の配管や電動ドライバーのビットなどが無茶苦茶たくさん置いてあるのだ。
2016-07-10 10:12:20つまり、プロショップ。職人さんに選ばれる店作りをしているのだ。 時代の流れの中で、いつでも買えるのはコンビニ、安く買えるのはドラッグストアや100円ショップや大手チェーン店のホームセンター。 これらの中でターゲットになっていなかった職人に目を付けたわけだ。
2016-07-10 10:15:52そして配達もしている。配達料は0円で、ネジ一本から届けてくれる。これも高齢化する田舎ではかなりありがたいものだ。 実際に、足を引きずったり、杖をつきながら店に来る高齢者は多い。大きなすだれなどを選んで、この日に届けてくれと頼んで帰っていく。
2016-07-10 10:18:23働いて一カ月経ったので、店長にどんな店作りを目指しているか聞いてみた。 「お客様に選ばれる店」 誰に選ばれる店にするのか→職人や地元民。 どうしたら選ばれるのか→品数、配達、サービスクオリティー。 よく考えて店作りをしていると思った。素晴らしい。
2016-07-10 10:21:51町の情報もたくさん手に入るし、人間関係もできるし、商品知識も身につく。 さすが「勘」で選んだ職場だ。 町にも店にももっともっと貢献して恩返ししたいものだ。 ∧_∧ (´・ω・`) ∩ ( つ /
2016-07-10 10:25:42トウモロコシさんに実がつきました。肥料あげないと大きくならないらしいから多分小さいままだろうけど、それでも十分嬉しいです。 pic.twitter.com/2fBshZFMNO
2016-07-11 18:37:41