BBB劇場【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#10 前半
- ahiruchan_phi
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ブラッディスウェットの運転する護送車の前に、妙に疲れた様子のブルータルブラインドビーストが現れたのは、コノメの仕事が終わり、時刻も23時半を過ぎた頃だった。「酷い目に遭った」「普段からそんな格好してるからだろ」「我は我を変えぬ、変えられぬ」「そりゃそうだが」
2016-07-12 15:03:49ブラッディスウェットは時刻を確認した。24時をもってコノメは引退だ。そのとき、エンデューロというニンジャが現れ、コノメを誘拐せんとするだろう。「ハッピープリンスというニンジャを知っているか」「知らねえな」「そうか」ブルータルブラインドビーストは落胆する。「では要件は以上だ」
2016-07-12 15:06:41「待て」踵を返そうとするブルータルブラインドビーストにブラッディスウェットは叫ぶ。「俺の質問だ。エンデューロってニンジャを知ってるか」「知らぬ」「そいつからオイランの誘拐予告が届いた」ブラッディスウェットが手紙を取り出す。「……確かにソウル痕跡が二つ」「二つだと!?」
2016-07-12 15:11:10「間違いないのか!」「アンタイブッダに誓って二つだ。一つは知らぬニンジャ、恐らくはそのエンデューロのものか。もう一つは何処かで……ビジュツケイ=サン付近か?」ブラッディスウェットはトランプラーにIRC報告する。この金髪の感知能力は信用できる。つまり、敵は一人ではない!
2016-07-12 15:16:15「……後者のソウルが近づいている」ブルータルブラインドビーストが呟いた。「便利な野郎だ畜生!」ブラッディスウェットは素早く車に乗り込む。ブルータルブラインドビーストは車両上によじ登った。「出すぞ!掴まってろ!」コノメに告げる。車内のデジタル時計は23:58を表示していた。
2016-07-12 15:21:25護送車は発進する!制限速度は特に考えず、ただこの場から離れるために!「ソウルは遠ざかる」フロントガラス上から白塗りの顔が降りてきた。「アイエエエ!」「邪魔だ退け!」できるだけ車の通りの少ない道を選び、走り続ける!時計を確認!23:59、否、今まさに、0:00に変わった!
2016-07-12 15:26:08「後方、前者だ」白塗りナビが告げる!サイドミラーを確認する!後方から信じられぬスピードで……まさか!走り来るニンジャあり!その速度は護送車を上回り、二者間距離が詰まりつつある!「ブッダ!」「ヤメロ」ブラッディスウェットは自動車に並走する老婆の怪談を思い出さずにはいられなかった!
2016-07-12 15:40:30疾走ニンジャが近づくにつれ、その姿がミラーを通して明らかとなる。奴はミラーゴーグルを装着し、走りに適したボディスーツを着ている。体格は細く見えるが、無駄なく鍛え上げられている。上の金髪とは違う。ブラッディスウェットはさらにスピードを上げる。それでも、奴のスピードを超えられない!
2016-07-12 15:44:33「ドーモ、エンデューロです」ブラッディスウェットの右後方からアイサツ!追いつかれた!「ドーモ、ブルータルブラインドビーストです」「ブラッディスウェットです!ンラーッ!」ハンドルを切り、体当たりを仕掛ける!「イヤーッ!」エンデューロは跳躍し回避した!なんたる常人を遥かに超える脚力!
2016-07-12 15:49:14エンデューロは護送車上に軽やかに着地!そしてポーチから物理手紙を取り出し、車体にへばりつくブルータルブラインドビーストに問う。「ウェルカム床の関係者か」「否」「では用はない」ブルータルブラインドビーストはカラテ警戒した。が、それは杞憂に終わった。エンデューロは道路に飛び降りた。
2016-07-12 15:53:24エンデューロは再び護送車と並走する!「運転手はウェルカム床の関係者だな」「だったら何だ!誘拐犯!」「イヤーッ!」エンデューロは開いた窓から何かを投げ込む!スリケンと思ったブラッディスウェットは、咄嗟にそれを二本指で挟み取る!「これは!」手紙だ!ハンコもある!「確かに届けたぞ」
2016-07-12 15:57:59「イヤーッ!」エンデューロは再び車両上へ跳躍!「待ちやがれ!」ブラッディスウェットは叫べど、追うことはできない。運転中だからだ!「前方、後者だ」白塗りの顔が告げた。闇の中、赤い光が見える。「後ろだったんじゃねえのか!?」「そうだ。そして今は前にいる」「妙なジツでも持ってんのか!」
2016-07-12 16:02:16