川底に沈んだ車の鍵を愛の力で救出!娘を想う父の背中がカッコよすぎて惚れてまうやろ

どうして川底に鍵が沈むんだ!
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川に投げられてしまった愛車の鍵を回収するまでの一連の顛末がXに投稿され、「全部良い」と話題と感動を呼んでいる。

「回収したぜ」というコメントとともに投稿された写真には、川を背景に、チェーンが複雑に絡みついた車の鍵が写っている。なぜこんなことになってしまったのか…

川底から救出された愛車の鍵
川底から救出された愛車の鍵

投稿したのは木船田ヒロマル(@hiromaru712)さん。車の鍵が川に投げられた経緯はこうだ。

ある日、いつものように娘さんに車を貸したところ、娘さんはお付き合いしていた彼氏さんと別れ話になったという。

彼氏さんに、過去にプレゼントしたネックレスを川へ捨てるよう言われた娘さん。投げようと振りかぶった際にネックレスのチェーンが車の鍵(キーホルダー)に絡まってしまい、全部一緒に川の中へ飛んでいってしまったらしい。

鍵に絡みついていたネックレス
鍵に絡みついていたネックレス

鍵はスペアもあるしどうにでもなると思ったものの、キーホルダーだけはどうしても回収したかったという木船田さん。なぜならそのキーホルダーは、娘さんからの修学旅行のお土産だったのだ。

後日、鍵を救出するための釣竿を自作して現地へ向かうと、川底にそれらしき物体が!周辺住民の協力もありつつ悪戦苦闘の末、無事回収に成功した。

一連の投稿を見たXユーザーからは「こんなお父さん、すてき!」「良い父親に恵まれて娘さん幸せ」と、木船田さんの父親愛あふれる行動力を称賛する声が相次いでいる。

どのように回収に成功したのか?鍵は無事だったのか?聞きたいことが山盛りなので、木船田さんご本人に詳しく話を聞いてみた。

車の鍵を川に落としてしまったことは、どのように知らされたのですか?

鍵を落とした日の深夜2時過ぎ頃、娘から電話が来ました。まず泣きそうな声で謝罪され、話の内容を要約すると「借りていた車の鍵を川に落とした。回収を試みているが上手くいってない」みたいなことでした。

私個人、今の車はかなり大事に乗っていたので「なんでやねん」という気持ちもなくはなかったのですが、夜の川に落ちでもしたら危険だという思いが勝ち「鍵はいいからもう帰っておいで」といいました。

鍵を落とした当日のやりとり
鍵を落とした当日のやりとり

落水の状況を知りたかったので、後日娘に事情を聞いたところ

「彼氏と別れ話になりネックレスを捨てろという流れになってサイドスローで川に投げようとしたら、振りかぶった時に反対の手に持っていた鍵にチェーンが絡まり、そのまま一緒に投げてしまった」

「意外に飛距離が出て、川の真ん中くらいまで飛んだと思う」

ということでした。

話を聞いた時のお気持ちはいかがでしたか?

一旦「鍵はもういい」と言った手前責めるような言葉は出ませんし、別れ話も絡んでいるので傷口に塩を塗るような真似をする気も起きませんでした。

幸いスペアキーはありましたし、スペアキーから複製しても1本3000円〜5000円程度とのことで鍵はどうにでもなりそうだったのですが、鍵についていたキーホルダーが、娘の修学旅行のお土産でもらった気に入ったものだったので、なんとかそれだけでも回収したいという気持ちでした。

無事手元に戻ってきた修学旅行のお土産のキーホルダー
無事手元に戻ってきた修学旅行のお土産のキーホルダー


鍵を回収しに行こうと決めた理由と、今回の一連の出来事についての感想を教えてください

実は過去に、僕自身が失恋して指輪を川に全力投球したことがあり、アクセサリーを思いっきり投げても思ったほど飛ばないことを知っていたので、今回もどうしようもないほどの距離じゃないんじゃないかと推測していました。

また、釣り好きの知人から、道具を海に落とした時にマグネットを釣り針代わりにして回収することがあるという話を聞いたことがあったので、現場の様子によってはチャレンジしてみる価値はあるんじゃないかと考えました。

現場を見てどうしようもなければ諦めることにしようと決め、娘と休みが合った日の昼過ぎ、百均の突っ張り棒と凧糸、マグネットフックで作った即席の釣竿を持って、娘の運転で現地に向かいました。

100円ショップにある材料で作った即席釣竿
100円ショップにある材料で作った即席釣竿

現場に到着してみると、川と言うよりは用水路と言った雰囲気で水深もそれほどではなく、娘が示す辺りに特徴あるキーホルダーのそれらしきシルエットを見て取ることができました。

即席釣竿で交代交代にキャスティングを繰り返しましたが、風が強く流れもあり中々上手く行かず四苦八苦していたところ、近所の方と思しき男性がどうかしたのかと声を掛けてくださいました。

「あそこに見えている車の鍵を回収したいんです」と説明すると「あー、それなら1時間もすれば潮が引いて川底を歩けるようになるで」と教えてくれました。

潮が引き、歩けるくらいに!
潮が引き、歩けるくらいに!

そこで一旦自宅に引き返し長靴やタオル等を用意して、娘はバイトがあったので別れましたが、僕は再び現地に趣きました。

すると先程の方がおっしゃった通り、水量はかなり減っており、川底を歩ける状態になっていました。

そして無事、鍵とキーホルダーの回収に至りました。

中はほとんど濡れていない!
中はほとんど濡れていない!

正直、降ってわいた不運に最初は腹立たしくもあったのですが、途中からは一昔前のRPGのアイテム回収ミッションみたいでちょっと楽しくなっている自分がいました。

年頃の娘とは、なかなか連れ立って出掛けたり思い出づくりをするような機会が減る一方ですが、今回のことは我が家にとって長く印象に残る面白いエピソードになったと思います。

キーレスのリモコンも問題なく作動しましたし、何より失われるかもしれなかった娘からのプレゼントの品が手元に戻ってとても嬉しかったし強い達成感を感じました。

不運に怒って終わるのではなく、ダメ元、遊び心半分でも回収にチャレンジして良かったです。

ちなみにネックレスはペアだったそうで、2本のネックレスの処遇を娘さんより一任された木船田さん。
しっかり洗って封印したと、Xで報告している。

呪物!封印!
呪物!封印!

思わぬ不運から始まった今回の鍵回収劇。たとえ困難に遭遇しても、ポジティブに受け入れる気持ちとまわりを想う愛情があれば良い方向へ向かうものだと、一連の出来事から学んだ気がする。

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