烏賀陽(@hirougaya)さんの「本当のアジェンダセッティングとは」

ジャーナリストで元新聞記者の烏賀陽弘道さんが報道のあるべき姿を力説されてます。 この前の部分を「日本のショックドクトリンとその破綻」として http://togetter.com/li/117153 にまとめています。
15
烏賀陽 弘道 @hirougaya

アジェンダセッティングとはこういうことを言うのでご記憶ください。誰も原発のリスクを顧みなくても、報道は「でも、日本は地震多発国ですよ。津波が来たらヤバイ原発はたくさんあります。リスクを検討しましょう。例えば」と提示して社会に選択肢を示すことはできた。それが報道の仕事だったはずだ。

2011-03-28 23:51:59
烏賀陽 弘道 @hirougaya

その「選択肢の提示」=社会が議論すべき議題を提示すること=アジェンダセッティングに他なりません。これを悲しいほど怠ったのが日本の報道です。そこには「新聞テレビ」だけでなく「出版業界」ももちろん含まれます。

2011-03-28 23:53:09
烏賀陽 弘道 @hirougaya

電力会社は当然ビジネスの利害にかかわりますから、原発のリスクを検討することにイヤな顔をするでしょう。だが、それがどうしたというのでしょう。

2011-03-28 23:54:16
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そういった社会に選択肢を示すという公益を妨害するような企業は、公共の敵なのです。敵対すればいいのです。広告をもらうなんて滅相もありません。

2011-03-28 23:55:13
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「広告を引き上げる」と圧力をかけてきたなら、「××電力は広告を引き上げるとわが社に圧力をかけた」と記事にすればよい。それだけのことです。報道にはそれくらいの力はあるはずなのに、どこかで放棄してしまった。

2011-03-28 23:56:10
烏賀陽 弘道 @hirougaya

もとより、広告をエサに、経営が報道(編集、という)に介入することはジャーナリズムの原理原則でいえば「憲法違反」です。その「報道と経営の分離」のことを英語でChina wall(万里の長城のような強固で超えられない壁)と呼びます。それくらい明確な一線があるはずだ。

2011-03-28 23:58:41
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そんなことすら守れなくなった、広告や営業といった経営が報道に介入する、あるいはひどい場合は報道が経営を先読みして自主規制する、といった「報道」と呼ぶにも値しない愚行が日常化しています。

2011-03-29 00:00:02
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そういった、経営と編集の不介入、分離原則すら維持できない組織を「報道」と呼ぶのはためらいがあります。

2011-03-29 00:06:40
烏賀陽 弘道 @hirougaya

電力会社も「うむ、原発は安全性を100%保証はできない。だがこれなしでは電気大量消費文明は維持できない。どうしたらいいのか、社会に考えていただきたい」と報道の提示するアジェンダへの社会の議論を見ていればいい。それが公益(public interest)というものだ。

2011-03-29 00:08:21
烏賀陽 弘道 @hirougaya

だが、現実には「100%安全」とか「『ありえない』のインフレ」で現実を否認し続け、そういった社会の議論さえ排除してしまうような神経症患者のような行動を電力会社は取った。報道もそれに迎合した。

2011-03-29 00:10:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

問題は、社会全般、あるいは市民をそうした議論から隔離し、多様な選択肢があることすら提示しなかったその姿勢にあります。

2011-03-29 00:10:59
烏賀陽 弘道 @hirougaya

その多様な選択肢を提示したうえで(すべてのリスク、プロフィット・ロスを開示)市民が原発を選んだなら、堂々と原発を国の基本政策にすえてまい進すればよかった。いま市民が怒っているのは「自分たちが選んだ」記憶がないのに、その破綻の結果(しかも破滅的)だけが押し付けられているからです。

2011-03-29 00:12:37
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そもそも、最初福島第一原発には、「燃料棒溶融なんてありえない」という前提で、安全弁すらなかったのです。スリーマイル島の犠牲がなければ、今ごろ福島は、いやもっと広い範囲が「核汚染の無人地帯」になっていた。

2011-03-29 00:14:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

くそ〜 また あたまにきた

2011-03-29 00:16:02