架空国家ワンコスタンの河川機動舟艇部隊、あるいは「ワンコスタンの怪物」

架空国家ワンコスタンが「カスピ海の怪物」に代表される表面効果機を導入しているというお話。
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現場猫教授 @Dr_crowfake

ワンコスタン河川艦隊の歴史。ワンコスタンは国内に巨大な湖を持つが、この湖はソ連時代の計画灌漑の結果、1/3まで縮小した。しかも国内産業進行に伴う有毒廃棄物の大量流入が発生し、生態系は壊滅している。しかし国内には灌漑水路が張り巡らされ、大河川もある。そこで、河川艦隊の出番である。

2013-01-09 18:27:14
現場猫教授 @Dr_crowfake

ワンコスタン河川艦隊は河川警備ならびに敵の渡河侵攻への対処を目的として編成された部隊であり、大祖国戦争時代にはT34の砲塔を載せた軽防衛艦程度しか保有していなかった。その軽武装は冷戦中も変わらなかった。しかし冷戦が終わった後、ワンコスタンは河川艦隊の可能性に着目した。

2013-01-09 18:29:46
現場猫教授 @Dr_crowfake

ワンコスタンは大河川からの仮想敵国の電撃侵入、あるいはこちら側からの電撃的侵攻の可能性を模索し始めた。そこでワンコスタンが目をつけたのが「カスピ海の怪物」こと地面効果翼機である。ワンコスタンはソ連が保有していたWIGを購入し、河川防衛の要とすることを真剣に考え始めた。

2013-01-09 18:34:41
現場猫教授 @Dr_crowfake

敵の河川経由侵攻を阻止し、こちらから河川経由侵攻を可能とし、適切な地上支援を河川から行える兵器としてのWIGは非常に魅力的であったが、ソ連からの直接輸入は問題を抱えていた。ソ連製WIGは船舶用アルミ合金でできており、機体の耐久性が低く、また老朽化も進み、使い物にならなかった。

2013-01-09 18:38:49
現場猫教授 @Dr_crowfake

結果、ワンコスタンはソ連のWIG設計を参考に、独自の要求を満たすWIGを河川艦隊に一定装備する方針で開発を進めた。その原型となったのはA-90「オルリョーノク」である。完全装備の兵士1個中隊を運べる高性能を獲得したこれを、ワンコスタンは機動予備に置く輸送・強襲揚陸艇とした。

2013-01-09 18:46:19
現場猫教授 @Dr_crowfake

だが、それだけでは軽装歩兵を展開することしかできない。対地支援や重装備揚陸用のWIGがどうしても必要であった。そこで、彼らはより大型のWIG開発に乗り出した。幸い、ワンコスタンは2000年代より資源騰貴により多くの外貨を手に入れており、開発には十分な資本があった。

2013-01-09 18:49:11
現場猫教授 @Dr_crowfake

そこでワンコスタンは大型WIGの開発に血道を上げた。上陸拠点への地対地ミサイル攻撃を可能とする能力を持つ攻撃型WIGと、重装備揚陸を可能とする大型WIGを統一機種で開発し、これを量産することを目標とした。

2013-01-09 19:00:21
現場猫教授 @Dr_crowfake

結果、機体を共用するペイロード50t級大型WIGの開発に成功し、攻撃型は最新鋭のP-800「ヤーホント」改造型対艦ミサイルシステムを6発搭載し、なおかつ地上支援可能な重迫撃砲も備えている。一方、輸送型は戦車揚陸艦として配備されている。

2013-01-09 19:04:23
現場猫教授 @Dr_crowfake

ワンコスタンは1個連隊を河川機動部隊として水軍指揮下においており、攻撃型WIG6機、輸送型重WIG12機、輸送型WIG12機を装備している。「空軍を整備すればいいんじゃね」「快速艇やホバークラフトで十分じゃね?」という常識的な意見に対して水軍は「即応打撃力!」を主張し対立がある。

2013-01-09 19:08:13