なぜ今年は空梅雨?! 資料を調べて一つの仮説にたどりつきました

今年の5月から6月にかけては記録的な少雨に悩まされています。5月はもともと雨の少ない安定した気候(5月で梅雨入りとなる沖縄は例外)なのであまり違和感がありませんが、6月で少雨となれば気が気でなりません。そこで「チーム森田の“天気で斬る!”」やWikipediaなどを参考に今、日本の上空で何が起こっているのかを調べ、今回こうしてまとめました。6月13日付のmixi「朝の歳時記風日記」で初めて掲載しましたが、その後状況が少し変わっているので、編集しています。
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1.今週の初め頃は台風3号の動向が気になりましたが、予想より早く東へ向きを変え、勢力も弱まって熱帯低気圧に変わりました。

2013-06-15 10:58:34
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2.そしてもっと意外な事に、台風の接近で活動が強まると予想された梅雨前線は、台風本体がより近づいた関東周辺ではまとまった雨をもたらせましたが、台風がそれた西日本では梅雨前線が“消滅”してしまい、少雨傾向をさらに深刻化させるような高温かつカラカラの空気が漂いました。

2013-06-15 11:00:28
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3.カラカラと言い切れるのは、台風が東にそれてからしばらくの間、近畿地方(特に大阪府)では乾燥注意報が連日発令され、湿度が40%を下回る状況もあったからです。紀伊半島の南東部などでは多少雨が降ったようですが、近畿中部より北側ではまとまった雨が観測されませんでした。

2013-06-15 11:02:35
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4.ではなぜこのような「空梅雨(からつゆ)」傾向が起こっているのでしょうか? この気象状況を握っているのは、フィリピン海域の異常気象にあるようです。

2013-06-15 11:03:51
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5.本来、梅雨の時期になりますと、偏西風(ジェット気流)が日本の遥か西でインド洋からの季節風(モンスーン)等により北へ押し上げられ、ヒマラヤ山脈(世界最高峰のエベレスト山を含む山脈。通称「世界の屋根」)の緯度にまで達します。

2013-06-15 11:05:32
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6.このヒマラヤ山脈は偏西風の吹いている位置よりもさらに標高が高いため、偏西風はこの山脈で二手に分断されてしまいます。

2013-06-15 11:07:42
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7.そしてその分断された偏西風が合流するのが、日本のオホーツク海(北海道の北東に広がる海)付近であり、これによって梅雨の天候を作る要素の一つ「オホーツク海高気圧(オホーツク海気団)」が形成されます。 ※2つのまとまった空気がぶつかることで局地的に気圧が高くなるため。

2013-06-15 11:08:52
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8.一方で太平洋の北側では、夏が近づくことで海水が強い日差しで温められ、対流(温かい空気の上昇と冷たい空気の下降)が活発になるために、空気が下降する地点では優勢な高気圧ができます。この一つが日本の南東の海上から張り出す「太平洋高気圧(小笠原気団 夏の高気圧)」です。

2013-06-15 11:11:16
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9.梅雨前線は、このオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境界にできます。これは、太平洋高気圧が温かい空気を持ちオホーツク海高気圧は冷たい空気を持ち、しかもどちらも湿った空気のために、境界では対流と共に雨雲が大量に作られるからです。 http://t.co/I5ThnDcnmZ

2013-06-15 11:13:44
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10.ところが、今年の5月から6月にかけては、これらの他にもう一つ、余計なお世話をしている要素が加わっているようなのです。

2013-06-15 11:15:00
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11.日本の南西部には沖縄(南西諸島)、そして台湾があり、さらに南へ下るとフィリピンの島々に達します。このフィリピンの周辺海域で今年は水温が例年以上に高い状態になっているそうで、ここでも対流が活発になっているそうなのです。台風3号もこれによって発生した熱帯低気圧の一つだそうです。

2013-06-15 11:17:07
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12.すると、フィリピン海域ではあちこちで激しい上昇気流(低気圧)が発生し、熱い空気が上空に巻き上げられます。そして巻き上げられた空気は気温の低いところをめがけて進み、北上します。 ここで勘の鋭い方は、もうお分かりになられたのではないでしょうか?

2013-06-15 11:19:13
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13.そうです。このフィリピン海域出身の空気こそ、空梅雨をもたらせている「張本人」と言っても過言ではありません。南から上空を飛びやってきたフィリピン海域出身の空気は、北上しながら徐々に冷え、日本海のあたりまでくるとオホーツク海高気圧から吹き込む冷気の影響を受け、下降していきます。

2013-06-15 11:21:36
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14.その結果、日本海は空気の溜まり場となって気圧が上がり、東西に長い「高圧帯(気圧が高く安定した晴れの天気が発生している帯状のエリア)」が形成されてしまったのです。しかもこの高圧帯は対流によって自然発生したものであるために持続性があります

2013-06-15 11:25:14
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15.この日本海にできた高圧帯のために、近畿以西および北陸から北の日本海側では6月にもかかわらず雨が降らないどころか、乾燥してカラカラになってしまっているのです。梅雨前線が消えてしまったのもこの高圧帯のせいと言ってよいでしょう。 http://t.co/tSmg18SRpy

2013-06-15 11:30:04
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16.しかしこのまま梅雨明けになるのかと言えばとんでもない話です。梅雨明けは太平洋高気圧の張り出しによって「梅雨前線(前線帯)が北に押し上げられる」のが条件であり、今はその条件に全く当てはまりません。(沖縄は太平洋高気圧の圏内に入ったため、梅雨明け発表がされたものとみられる)

2013-06-15 11:32:00
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17.現在の予報では、水曜日頃になるとようやく梅雨前線が本州付近に横たわると見られており、西日本で雨が降るものと予想されています。思えば、日本本土で梅雨が本格化するのは、沖縄で梅雨が明けた頃です。(つまり、まさにこれから)

2013-06-15 11:34:09
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18.また、空を見ておりますと、標高の高い(1000m以上)山沿いでは夏らしく入道雲とみられる雲もありましたが、平地では「うろこ雲(巻積雲)」や「すじ雲(巻雲)」といった、主に春や秋に見られる雲が目立ちました。

2013-06-15 11:36:59
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19.そういった意味では、西日本や北陸以北については、「空梅雨」と言うよりは「長すぎる晩春(初夏)」すなわち梅雨入りがまだと言うべきなのかもしれません。 (了

2013-06-15 11:38:12