茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1072回「笑っていいともと、紅白歌合戦」
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わこ(1)みなさんは、「カルピス」の原液をなめたことがあるだろうか? 私はある。濃くて甘くておいしいよね。じゃあ、原液をイッキのみしたことはあるだろうか? おそらくないよね。カルピスは、もともとの濃い原液を、水で薄めて飲むと、本当に毎日飲んでも飽きない、素晴らしい味になるよね。
2013-10-23 07:08:27わこ(2)タモリさんがテレビに登場したのは、ぼくの記憶の中では東京12チャンネル(当時)の『モンティ・パイソン』の中の一コーナーで、「四カ国語麻雀」のような強烈なネタをやっていた。とにかく鮮烈に面白く、当時子どもだったぼくにとっても、「なんじゃ〜こりゃ〜」の彗星だった。
2013-10-23 07:09:45わこ(3)そのタモリさんが、32年続けてきた「笑っていいとも」。タモリさんが脱力している感じがいい、と言われるが、もともとのタモリさんが強烈な「原液」であることは忘れてはいけない。濃いものを薄めることはできても、薄いものを無理矢理濃くすることはできない。タモリさんの脱力は凄い。
2013-10-23 07:11:13わこ(4)タモリさんの原液が薄くなっているかというと、そんなことはない。何度か収録にご一緒させていただいているが、放送では使えない、強烈なネタを喋っている時のタモリさんは未だ衝撃的なほど面白く、危険な匂いがするようでもある。そのような「原液」あってこその、毎日のタモリさんなのだ。
2013-10-23 07:12:51わこ(5)「笑っていいとも」には、確か3度出演させていただいた。その時にも、コマーシャルに入っている時に、タモリさんがスタジオでやばい話をすることがあった。その面白さは、放送されないから、会場にいる観覧者、ゲスト、スタッフだけが味わえる、貴重な「原液」であった。
2013-10-23 07:14:04わこ(6)その「笑っていいとも」が3月までで終了するという。タモリさん、ご苦労様と思うと同時に、長年にわたって築き上げられた一つの「文化」がなくなってしまうのだなと思う。というのも、この番組の何といってもポイントは、それが、「生放送」ということである。
2013-10-23 07:15:07わこ(7)スタジオアルタとそのバックステージは、決して広くない。そのスペースをまるで集積回路のように利用して、さまざまなコーナーの小道具や大道具を置き、それを生放送の時間進行に合わせて秒刻みで出し入れする。そのノウハウは、一つの文化であり、スタッフの技術はスーパーだった。
2013-10-23 07:16:29わこ(8)「笑っていいとも」は、「紅白歌合戦」とともに、日本の放送人の生放送に対応した「工」の業の精華であると言える。「紅白」は、私は一度審査員として観覧させていただいたが、テレビカメラに映っていない舞台袖の動きが、凄まじく精巧で、また素早かった。あれも一つの神業だ。
2013-10-23 07:18:05わこ(9)何でも、「紅白歌合戦」を観覧している2000人だか3000人よりも多くの人が、バックステージに関わっているのだという。その「紅白」と並ぶ、偉大な生放送の文化が、あと半年で消えようとしている。タモリさん、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。スタジオアルタよ永遠なれ!
2013-10-23 07:19:30