加藤幹郎著『鏡の迷路 映画分類学序説』(1993年、みすず書房)

加藤幹郎著『鏡の迷路 映画分類学序説』(1993年、みすず書房)についてのツイートをまとめました。
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伊藤聡(2/24に本が出ました📕) @campintheair

加藤幹郎『鏡の迷路 映画分類学序説』(みすず書房)読了。映画を、密度やフレームといった条件のもとで分類できるかという試論。『黒い罠』('58)冒頭の分析など実にスリリング。93年に出た本ですが、30代半ばでこのレベルの批評ができてしまう著者すごいな…と感心してしまった。

2014-05-28 16:43:44
伊藤聡(2/24に本が出ました📕) @campintheair

『鏡の迷路 映画分類学序説』(みすず書房)。『赤い砂漠』('64)は、完全な霧の撮影に初めて成功した作品だという。つまり、映画史でもっとも密度の薄い画面の極点として『赤い砂漠』における霧のたちこめる波止場があり、ではもっとも密度の高い映像とは何か、という考察に移る。

2014-05-28 17:31:12
伊藤聡(2/24に本が出ました📕) @campintheair

『鏡の迷路 映画分類学序説』(みすず書房)。画面の密度についての考察もいい。密度=情報量と言い換えてもいい。加藤が挙げていたのは『赤い砂漠』('64)に登場する霧の波止場。この映画には、霧で完全に画面がまっ白になる場面があるそう。 twitpic.com/e4w3xr

2014-05-28 17:25:48
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伊藤聡(2/24に本が出ました📕) @campintheair

『鏡の迷路 映画分類学序説』(みすず書房)。カラックス『汚れた血』('86)で、走る主人公に伴走するカメラが、勢い余って主人公を追い越してしまい、主人公がフレームから一瞬外れてしまう場面についての考察など、とても刺激的だった。フレームの外側について考えるのって、実はとても難しい。

2014-05-28 16:47:28
伊藤聡(2/24に本が出ました📕) @campintheair

『鏡の迷路 映画分類学序説』(みすず書房)。「固定フレームはフレームの外に何か不可視のものが残っているということを観客に忘れさせる。観客がいま見ているものの外にまだ視覚の対象にくりあげられていない過剰な世界が拡がっているはずだということを忘れさせるのだ」。まさにその通りだと思う。

2014-05-28 16:50:34