新装版「ホワイト・ジャズ」(文春文庫)旧版との違い

2014年6月10日発売の「ホワイト・ジャズ」新装版(文春文庫)の注目点。おもに旧版からの変更点・修正点など。
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Schün Ngash @Schunag

ジェイムズ・エルロイの名作『ホワイト・ジャズ』は、明日、新装版で復活します。記号づかい、フォントづかいなどがアップデートされている(後述)ほか、解説と年表は元版そのまま、最近のエルロイ情報を記した「新装版のためのノート」がつきます。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:52:43
Schün Ngash @Schunag

『ホワイト・ジャズ』新装版(ジェイムズ・エルロイ/文春文庫)では、元版では細ゴチックだった原文のイタリック箇所を教科書体としました。冒頭の「あるのは思い出そうとする意思だけだ。」などですね。【続く】 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:53:18
Schün Ngash @Schunag

【続き】教科書体は繊細でロマンティックすぎるかも、と当初は思っていましたが、エルロイは基本的にロマンティストだ、という確信が得られたこともあり、教科書体としました。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:53:29
Schün Ngash @Schunag

『ホワイト・ジャズ』(文春文庫)中のイタリックの箇所は、主人公が「回想」として「一定時間に起きたことを圧縮して語る」ときに用いられているようで、逆にいえば本文は基本的にリアルタイムの意識の流れであることを暗示します。【続く】 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:53:54
Schün Ngash @Schunag

【続き】このイタリックを、旧版では細ゴチ、新版『ホワイト・ジャズ』(文春文庫)では教科書体で示しているわけですが、今回、これまでの版では見逃していたイタリック箇所をひとつ発見、そこが新たに教科書体で示されています。【続く】 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:54:03
Schün Ngash @Schunag

【続き】ほかのイタリック箇所は別チャプターの扱いで挿入されていますが、ここだけ普通の叙述の中に数パラグラフだけイタリックが挿入されていたのも見逃していた理由。ここだけ『ホワイト・ジャズ』の別部分とは少しリズムが違うわけです。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:54:13
Schün Ngash @Schunag

新装版『ホワイト・ジャズ』(文春文庫)には冲方丁さんの熱い推薦文をいただきました。エルロイ文体に触発/鼓舞された日本人作家といえば、解説の馳星周さんとクランチ文体の命名者・冲方さん。新たな日本語の文体への関心からも、『WJ』を読んでいただければと祈ります。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 18:57:05
Schün Ngash @Schunag

あと、旧文庫版で痛恨のミスであった原文「:」を「=」(イコール)ではなく二分のダブルハイフン(イコールより短い)で示す、というのも、新版『ホワイト・ジャズ』ではちゃんと徹底しました。こうでないとせっかくの佐々田雅子さんの工夫が見えにくい。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 19:00:09
Schün Ngash @Schunag

そのほか、細かな異同が旧版と比べるとあるのですが、これによって、以前の版よりも、より原文の含意を日本語上に反映できたと思います。とりあえず、これでまた「決定版」に近づけることができたと思います。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 19:01:21
Schün Ngash @Schunag

以上、新装版『ホワイト・ジャズ』(文春文庫)は旧版を持っている方もお手元に置いておいて損はないですよ、というステマでした。 #ホワイト・ジャズ 

2014-06-09 19:03:05