ハコガクRPG(3) ナビキャラなら説明しろよ

弱虫ペダル二次創作 腐向け 荒北がVRMMOをやる話
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ひな@復旧中 @newgibbousmoon

ハコガクRPG3 ナビキャラなら説明しろよ! マイルームへの転送は一瞬の事だった。 ほんの瞬きする一瞬の間に、光だけが満ち溢れた何もなくてすべてがある場所から、自分だけの安全空間へと移動させられる。 「おめでとう、マスター」 ティータの満面の笑顔が荒北を出迎える。

2014-10-26 23:47:50
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「そこでなんでおめでとうなんだよ」 「今、この瞬間に、マスターはこのカオス・ワールドに生まれたのだもの。ここは当然おめでとうを言うところよ!」 「そりゃあ、どうも」 (っても、ゲームのアバターだけどな!) 「ここがマスターのマイルームよ」

2014-10-26 23:49:36
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 何もない部屋だった。 ベッドと机とイスが一脚。家具らしい家具はそれだけだ。 作り付けのクローゼットもあるが、中は空だ。 「冷蔵庫とかねえの?」 「ないです。欲しければ買わないと」 「どうせバカ高いんだろ?」 「確かに高価ですね」 「じゃあ、いい」

2014-10-26 23:52:39
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon このカオス・ワールドではバーチャルグルメを堪能することができる。荒北の好きなベプシも出店していて、ここでしか飲めない特別なフレーバーもあるらしい。 「あ、マスター、鏡ならそのクローゼットの裏側にありますよ」 「鏡見てどうすんだっての」

2014-10-26 23:54:28
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon オレはナルシストじゃねえよ、と呟く。 「いえ。御自分の容姿をご覧になりたいんじゃないかと思いまして」 「そういや、容姿については何も決めなかったんじゃねえ?髪の色とか」 「ランダムにしておきました!」 「へえ」 「目の色とかも?」 「はい」

2014-10-26 23:56:20
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon うなづいたティータは続ける。 「残りの選択肢は全部ランダムにしておきましたので……ダメでしたか?」 「いや、それでいい」 作り付けのクローゼットを開ける。 全身がうつる細長い鏡の中の己の姿に、荒北はまじまじと目を凝らした。 「あんま違和感ねえな」

2014-10-26 23:59:42
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「マスターがゲーム初心者っておっしゃっていましたから、元の身体データ……身長や体重、各種サイズには手を加えませんでした。元の身体とサイズ一緒ならば、動きやすいですから」 「ふうん、そうなんだ」 荒北は鏡の中の自分をマジマジと見つめる。

2014-10-27 00:05:01
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 身長体重が変わらないといっていた通り、動いた時の違和感はまったくない。 バーチャルリアリティ系のソフトにダイブインするのは初めてだったが、最近の技術の進歩と言うのは凄いものだった。 今いるここが、本物ではなく自分の脳内イメージなのだから尚更だ。

2014-10-27 00:11:13
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「何か不都合があるのかしら?」 「いや、今のところは特に」 手を握ったりひらいたりしてみても特におかしいとはおもわない。 シャドウボクシングのように握り締めた拳で空中を殴る。 「っ!!」 拳がティータの真横を通ったので、ティータは空中で硬直する。

2014-10-27 00:18:52
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「悪ぃ」 ぐらりと落下しそうになったティータは、あわてて姿勢を立て直した。 「ちょっと、気をつけて頂戴!その勢いで殴られたら全身骨折だわ!」 「……そうだな」 「もう。私はすっごくデリケートなんですからね」 「……はいはい」 荒北は生返事をする。

2014-10-27 00:27:01
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon (なんか、こいつ、東堂に似てねえ?) 容姿というよりはその性格というかウザさの種類が似ているような気がする。 「マスター、今、何か失礼なこと考えなかった?」 「……いや、別に」 「そう?」 「ああ。って……え?」 荒北はわずかな違和感に気付いた。

2014-10-27 00:33:56
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「え?ちょっと待て」 それに気付いてあわてて下半身を触る。 「……ない?」 「何が?」 ティータは不思議そうな表情で問う。 「ナニがだよ」 「ナニ?」 「……ってか、おまえ、オレの性別、何に設定したんだよ!オレ、性別聞かれた覚えねえぞ」

2014-10-27 00:37:54
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「ランダムにしたわ!」 「……おい」 「だってランダム設定するって言ったじゃない」 確かに言った覚えはある。 いろいろと面倒くさくなってたし、飽きてきてもいた。 気を利かせたティータはあれ以降の決めなければいけないすべてをランダムで選択したらしい

2014-10-27 00:43:41
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「……で、性別は」 「無性よ。無性と両性具有は魔族と天族にしかない性別なの」 「……今から男に設定できっか?」 「課金アイテムがあればできるけど?」 「……………」 荒北はたっぷり300秒近く悩んだ末に、やめた。 (どうせ、主目的は勉強だし)

2014-10-27 00:46:19
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon マイルームに引き篭もりになるだけだ。 この際、多少ついていなくても構わないだろう。 荒北の割り切りは早かった。 (どうせ、ゲームの中だ) 「黒髪に紫の瞳って神秘的でステキだわ、マスター」 「あんがとさん」 「ねえ、ランダムボーナスはどうする?」

2014-10-27 00:50:28
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「ランダムボーナス?」 「設定するときにランダムを選択するとボーナスポイントがつくのよ。それでいろいろなスキルを取得できるわ」 「へえ。とりあえずそれは後でいい。マイルームの設定をしちまいたい」 「設定するほどのものはまだないわよ。はい、これ」

2014-10-27 00:58:26
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon ティータが鍵を渡してくる。 「なんだ、これ」 「このマイルームの認証パス」 「ふぅん」 荒北はそれをうけとった。 「あと、今度っから、オレが面倒くさそうにしててもちゃんと説明しろよ」 「わかったわ」 「ランダムにするかどうかもいちいち確認な」

2014-10-27 01:06:07
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「はぁい。でも、ほんっと面倒くさいわよね」 「我慢しろ。……説明とか省くなよ」 「わかったわ」 ▼アキ*は、マイルームの鍵を手に入れた。

2014-10-27 01:11:43