【第三部-小話】彼女の深夜の秘め事 #見つめる時雨

龍鳳
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龍鳳視点

とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

…彼女は時々、夜中に部屋を抜け出して暫く戻ってこないことがあります。それは出撃をした日の夜のことが多いように思えました。…ある夜、私は気になって後をつけてみました。すると彼女はお手洗いへと入っていきました。それを見た私は少し拍子抜けをしてしまい、部屋へと引き返しました。

2014-11-19 00:30:20
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

しかし彼女は中々戻って来ませんでした。私は再び彼女の入って行ったお手洗いの前に来ていました。…私は音を立てないように扉を開け、中へと入りました。すると…息を殺したようなくぐもった声が耳に入りました。それはどこか苦しそうで、時折切なそうな声を漏らしました。

2014-11-19 00:35:21
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

…この声は奥の個室から聞こえてくるようでした。夜の寮はとても静かです。その中で彼女の声はあまりに鮮明に聞こえました。私は彼女が中で何をしているのかすぐに勘付いてしまいました。何故なら…私にも覚えがあったからです。

2014-11-19 00:45:20
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

私が扉の前にいるとは気づかない彼女はその行為を続けました。聞こえてくる彼女の声は時間を追う毎に甘さを増していきました。私は自分の身体を動かすことが叶わず、ただ口を押えてじっとしていました。下腹部に甘い感覚が広がっていくのを感じながら。

2014-11-19 00:50:23
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

これ以上ここにいてはいけない、そう私の理性が警笛を鳴らしていました。でも私の欲望が、もっと彼女の声に脳を犯されてしまいたいと感じていました。…私は必死にその欲望を散らし、音を殺してお手洗いを去ろうとしました。

2014-11-19 00:55:21
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

入口の扉を開ける直前、彼女の一際甘い声が聞こえてきました。そしてその声で…彼女の想い人の名前を呼んでいました。…私の胸に、鈍い痛みが襲いました。…私はそのまま廊下に出ると、足早に部屋まで戻りました。まるで、逃げるように。

2014-11-19 01:00:29
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

その後、私は布団の中で溜め込んでいた感情を吐き出しました。いつもより乱暴に自分の中をかき回しました。そうでもしないとあの気持ちは発散出来ませんでした。暫くしてようやく自分の昂ぶりを鎮めることができると、私は眠りにつきました。

2014-11-19 01:05:21
とある舞鎮の艦娘たち @S_side_story

…私があの日感じたこと、それは彼女もそういうことをするんだと、そういう感情があるんだと、そういう気持ちでした。…とても苦しそうだった彼女の声。できることなら、私が慰めてあげたい。きっと行き場をなくしている彼女の昂ぶりを、私が…――

2014-11-19 01:10:21