くらげさんの読書日記その1「私は世界に武器を売る」〜兵器ヲタを拗らせて世界の武器市場を牛耳っちゃった人のお話〜

読書日記その1
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くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(1)せっかくのゴールデンウィークなので読書日記を書いてみようと思いまして。 今回読んだのは「私は世界に武器を売る〜武器市場を支配する男〜」です。このアカウントが本来の目的を完全に見失ったのがよくわかりますね。(続く)

2015-05-04 16:28:51
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(2)それはさておき、この本は大学図書館の地下書庫でたまたま目についたので借りてみました。ヨルムンガンドや「ロード・オブ・ウォー」が大好きな私は武器商人と聞くと目がありません。武器商人というとやはり密売とかそのへん、という印象が大きくて好きなわけですけど。(続く)

2015-05-04 16:28:51
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(3)本著は1980年発刊と古く、主に冷戦後の武器商人に興味があった自分からすれば、有用な情報を得られるだろうか?とか思いつつも「そんなに厚みがない本だし、GWに読んで話のネタになればいいかな」と軽く読み始めましたが、これがめっぽう面白かった。(続く)

2015-05-04 16:28:52
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(4)この本の主人公は「サミュエル・カミングズ」 日本語で検索してもほとんど情報出てきません。軍オタというか、サバゲヲタにとっては「インターアームズの設立者」といえば少しは通じるかもしれませんが、俺はこの本で初めて知りました。(続く)

2015-05-04 16:28:52
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(5)サム・カミングズはWW2戦後の1953年から1998年に亡くなるまで武器商人として名を馳せた人物。最盛期には民間兵器市場の9割を牛耳っていたと言われています。この怪人をフランスのジャーナリストが取材し、彼の人物像や主な取引を追ったのが本著でございます。(続く)

2015-05-04 16:28:52
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(6)ただ、この本に出てくるのは「商売としての武器取引の話」であって、その武器がどう使われたか、どのような悲惨な現実を生み出したか、についてはほとんど触れられていませんし、著者自体がカミングズの魅力にやられてて公平と言いがたい本という感じは持ちました。(続く)

2015-05-04 16:28:53
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(7)それでも、WW2の直後から1980年前後の様々な歴史的事件に大なり小なり、アフリカからアメリカまで国際的武器取引に絡んできた武器商人の話としては大変興味深く、あまり表沙汰に出ない歴史の裏側を覗けられた気分になります。ええ、気分だけですが。(続く)

2015-05-04 16:28:53
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(8)カミングズは1927年にアメリカの裕福な家庭に生まれたものの、生後まもなくに発生した大恐慌で両親は没落。父親は早くに過労死し、カミングズは家計を支えるために子供の頃からアルバイトに励むあまり恵まれたと言えない生育歴を持っています。(続く)

2015-05-04 16:28:53
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(9)子供時代の彼の趣味は、近くの陸軍演習所から古い機関銃等のパーツ等をもらったり拾い集めては綺麗にして飾っておく、という筋金入りの武器オタクでした。そこで得た知識が後ほど世界的な武器商人として錦を飾るのにたいへん役に立つわけですが。(続く)

2015-05-04 16:28:54
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(10)彼は1945年に徴兵され(WW2はすでに終結していた)訓練を受けますが銃の扱いに非常に長けており、軍隊でも一目置かれる立場になります。その後、一旦退役したものの、朝鮮戦争勃発後、CIAが接触。北朝鮮軍から鹵獲した武器の評価・点検の仕事に従事します。(続く)

2015-05-04 16:28:54
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(11)CIAは彼にヨーロッパにまだ大量に転がっていたWW2当時の兵器をかき集め、買い取り、台湾に送るというミッションを与えます。実際に台湾に送られることはなかったのですが、この経験がカミングズが武器商人としてイロハを教えることになりました。(続く)

2015-05-04 16:28:54
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(12)CIAを辞し、武器商人として独立します。彼はヨーロッパ中を周り、余剰兵器をほとんど鉄くず価格で買い取り、アメリカの武器コレクターに安価に売る、という方法で財を成していきます。恐るべきことに、この時期のアメリカに軍用銃の売買に関する規制はなかったのです。(続く)

2015-05-04 16:28:55
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(13)カミングズ自身も大変な武器マニアで、武器をトレードすることには大変な喜びを感じていた模様。なんという兵器オタクの夢の実現者であろうか…。しかし、ヨーロッパの過剰兵器を飲み込むだけの民間市場がアメリカにあったのが俺は驚きだよ!(続く)

2015-05-04 16:28:55
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(13)武器商人というと、腐敗国家や武装集団などを相手にする鬼畜な人物をイメージしますが、カミングスは非合法な取引には手を染めない、と断言します。実際、アメリカで海外からの武器・兵器輸入に制限がかけられてからはこの商売をやめ、新たなビジネスを開拓しました。(続く)

2015-05-04 16:28:55
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(14)そのビジネスはまぁ単純といえば単純で、普通に各国のライセンスを得て武器取引業者になることでした。フランスでは武器商人になる方法は本屋で買える政府発行の手引(7フラン)に詳しく乗っているそうですが、まぁ、知識が経験とコネがないと実質無理と。(続く)

2015-05-04 16:28:56
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(15)その取引は、すべて「各国の許可を得た正式な取引だ」とカミングズは主張します。「武器密輸ほど割に合わない取引はない。そして、それが成功する場合は政府が許可した場合だ」とも言い切ります。武器密輸商人がそんなに摘発されないのは取引以前に「注意」を受けるからだとも(続く)

2015-05-04 16:28:56
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(16)彼はゲバラだのアミン大統領だの、フセインだのとも交渉した時があるそうですが、どれも武器輸出国の正式な許可を得ければ輸出することはなかったそうです。その傍らに軍用銃をスポーツ用の銃に改造したり、古い銃をレストアする工場を設立したり。(続く)

2015-05-04 16:28:57
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(17)そんなところで、この本は終わるのですが、まぁ、英語版Wikipediaの記事によれば死ぬまで第一線のビジネスマンとして活躍したみたいですね。とにかくイメージとしては徹底してビジネスマン。取り扱ってる商品がアレなんだけども、やってることは基本的に他の商社と同(続く)

2015-05-04 16:28:57
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(18)先にも書いたけど、「ビジネス取引の先」のことはほとんど書いてない上、カミングズが悔恨を一切口にしないので、その辺は「踏み込んでない」と思ったけども、そこは別な文献でカバーしてみたいと思う。(続く)

2015-05-04 16:28:58
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(19)ただ、武器ヲタとしては武器取引の時にいろいろコレクションが手に入るわけで、その一覧がすげぇ羨ましいっーかなんつうか。あれだよね、ある意味兵器ヲタの夢を具現化しちゃった人、って印象受けたよ。武器ヲタの情熱をビジネスで超開花しちゃったというね。(続く)

2015-05-04 16:28:58
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

(続き)(20)まぁ、この先、どんな情勢になるかはわからんけども、「世界で二番目に古い職業」が早々歴史から撤退するはずもなく。現在の武器商人の実態とかもいろいろ調べてみたいと思いました。参考文献知ってる人はplz。というわけで、連投終了 (おわり)

2015-05-04 16:28:59
くらげ@怪奇全裸斧男 @kurage313book

連投アプリ使ってみたけどちょっと間違えた(´・ω・`)

2015-05-04 16:29:45