【R-18】オトナな怪談

それはよくある七不思議。 それはよくあるうわさ話。 それはよくある体験談。 それは……よくある悲劇。
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かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

オトナな怪談?(放課後、旧校舎3階一番奥のトイレを閉めてから三回ノックすると、誰も居なかったはずのトイレの個室に美しい少女の霊が現れ、忘れられない経験をさせてくれるとかそういう

2016-05-19 20:25:46
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 コンコンコン。 「あら、私の『怪談』を語り継いでくれた人が居るのね。ありがたいことだわ、こうしてまた『出て』これる」 「あなたが……花子さん?」 「そんな大層なもんじゃないわ。ハナ、とでも呼んで」 「ハナ……さん」 「あらあら、準備は万端みたいね」

2016-05-19 20:28:44
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 「それじゃ、『忘れられない経験』、させてあげるわ」

2016-05-19 20:29:04
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 「……」 「どう?『忘れられない』でしょ?」 「はい……」 「もし良かったら、『約束』してくれないかな?」 「約束……?」 「そう。『これから出す精はみーんなわたしに捧げます』っていう、約束」 「……破ったら?」 「そうね。あなたの命、貰うわ」

2016-05-19 20:31:34
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 それから僕は大人になって。「約束」なんて忘れて。恋をして、結婚して。今、「子作り」をしようとしている。 「出して!私の中に全部出して!私に赤ちゃん、ちょうだい!」

2016-05-19 20:33:31
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 その瞬間、僕の何かが弾け飛んだ。 僕を閉じ込めていたものが無くなって、僕は、僕の外へと、飛び出した。 「だから、やくそく、まもってって、いったのに。」 ハナさんは微笑む。微笑んで、僕を捕まえると、 「いただきます。」 僕を、頭から、飲み込んだ。

2016-05-19 20:35:30
かげひと(ΦωΦ) @KGHT_2

@KGHT_2 「ねぇ、知ってる?トイレのハナさんの話」 「旧校舎の話でしょ?だってもうないじゃん、旧校舎」 「そうだったね。あーあ、つまんないや。『忘れられない経験』って、なんだったんだろうね」 「どうせろくでもない噂だってー」 「そうかなー」 「そうだよー」

2016-05-19 20:38:16