怪談BASA乱舞　#kai_bsrnb　2016年第一回　まとめ。

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

ライナスの毛布とは、子供が成長の発達過程で見せることのある、特定のものへの執着、そこで執着されるのものことを言う。　#kai_bsrnb

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その執着を見せる子供は、例えば毛布、ぬいぐるみなどを、持っていないと落ち着かない。もっていれば安心する。セキュリティ・ブランケットなどとも呼ばれる。片時も離さずそれを持ち、うろつきまわる。洗濯なども嫌がる。　#kai_bsrnb

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だがこれは、成長過程で見られる極自然な行動だ。今まで親と自分のみであった世界を、別の世界へと繋げる。そういうもので、やがて自然とそれには執着しなくなる。 だがしかし、そういう執着を、今の俺のような年齢になっても持ち続けていると、どうだろう？　#kai_bsrnb

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家でひっそり愛でるぐらいならばいい。そういうことは自分の自由だ。しかし厄を溜め込んだ人形を肌身離さずいるのは、…まずいだろう？ 人形のほうも考えれば哀れだ。家全体をできればゆっくりと守りたかったろうし、　#kai_bsrnb

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厄がたまりきったからと捨てられたとしても、自分への本願を成就したことに他ならない。己が守り祀られてきたわけだ、愛情もあったろう。 #kai_bsrnb

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だがそれが、よりによってその主の「愛」のおかげで、厄を主に齎す存在となりうる。不憫なことだ。 おそらくは、石切丸でも祓えなかった。それだけの時間を主は与えなかった。その様子もただライナスの毛布と言うには異様だったのだろうな、 #kai_bsrnb

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青江が人形の意思をも汲んで盗み出し、貴方に渡した、ということだろう。 少々細かすぎる、と今行ったが…ものがなくなって、あせっていたとして、ほら、見てみろ。…この文字量だ。語るに落ちるというものだろう？ #kai_bsrnb

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だから、この問題は、貴方の胸先三寸だ。とにもかくにも祓ってやるのは優先事項だが。 まあしかし、そうだな。決めかねるならば、俺に預ければいい。こちらのほうで、なんとかしよう…。 #kai_bsrnb

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「みんな、食事を持ってきたよ！」 「お、燭台切、ありがとー！」 御手杵が大きな図体を弾ませるようにして中に入っていく。それに続いて各々遊んだり手合わせをしていた者たちと一緒に中に入る。　#kai_bsrnb

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並べられた膳を見て、おや、と思い、『それ』を摘み上げる。大きな袋だ。 中を覗き込んで、思わず眉間に力を入れてしまった。あの人はまた、厄介なものを。 「どうしたの？主から贈り物？」　#kai_bsrnb

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にこにこと笑うかの人の初期刀の笑顔は崩したくない。 「まあそういうものです」とだけ返した。あとに少しかわいらしくほほを染めて、「見ないで下され」と言っておくのも忘れない。　#kai_bsrnb

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何故だかこの刀と自分の相性はいいらしく、どうやら好かれている用でもあるから、見てしまえばあの人がこの可愛らしい刀の奇妙な視線に晒されることになるだろう。それは避けておきたかった。　#kai_bsrnb

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食事をおいしく頂き、みなが寝支度に母屋へと引き上げたあと、一斗缶へ自分の火を入れて、その人形を燃やしつくす。炎の中にどこぞの女の顔が見えた気がしたが、それには更に火を投げておいた。腹が立ったので笑った。　#kai_bsrnb

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――灰になっていくであろう人形が、無性にいとおしく思える。 #kai_bsrnb

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ああ、そうだ、明日は朝一番に集めてやろう。そうして、端切れで作った袋に薬包紙に入れてしまってやって、お守りにするのだ。元は身代わり人形のようだから、良いものになるだろう。 #kai_bsrnb

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さて、今度のお守りは誰に渡そうか。前は平野籐四郎に渡して一期一振に妙な顔をされたし、籐四郎兄弟はやめておいたほうが良いだろう。 #kai_bsrnb

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ではやはり、 ――にっかりあたりが、楽しいだろうか。 そう考えて先ほどの袋を取り上げると、なにか縫い付けられているのに気が付く。 取り出してみると、金平糖であった。 #kai_bsrnb

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くつくつ、こみ上げ切れない笑いが起こる。 自分にあんなものを送りつけるくせに、その一方でこんなものをつけてくる。 そんな、この本丸の主が、真田幸村には、おかしくて仕方がなかった。 #kai_bsrnb