Twitter小説大賞に応募したもの

ついのべ大賞に応募したものをまとめてみました。
4
雪月 @setugetufuka

#twnovel いつもの角を曲がればいつもの…あれ??いつもの店がない!!昨日まではあったのになんで?? 「地球から連れて来た生物のうち、人間だけが迷路実験で躓くね。」「人間は他の動物よりも生存本能が乏しく、餌が無ければ他を探すではなく、何故無いのかを考えてしまうようです。」

2010-11-27 11:28:16
雪月 @setugetufuka

#twnovel 猫に鈴をつける方法がわからず沈黙が続いていた。若いネズミが長老の前に出て来て言った。「私に良い考えがあるのですが…」 その言葉に皆が色めき立つ。ですが…若いネズミは言いにくそうに続けた。「残り40字では説明できません」 長老は何か言いかけ、黙って首を振った。

2010-12-08 23:47:07
雪月 @setugetufuka

#twnovel X'masに何が欲しいかなんて聞かれた事がなかった。毎年父親が自分勝手な物を買ってきた。百人一首、人生ゲーム、ジクソーパズル…。文句を言いながらも皆で遊んだ。今思うと父親は毎年、「家族の時間」というプレゼントをくれていたのかもしれない。

2010-12-09 22:33:31
雪月 @setugetufuka

#twnovel 結婚したら私のラベルが「佐藤さんの奥さん」だけになった。早く「課長の奥さん」「ママ」みたいなラベルが欲しいと訴えたが、夫はラベルの数が人間の価値じゃないと言い毎晩喧嘩をした。ある日夫のラベルに「恐妻家」が増えた。はっとして見ると私に「鬼嫁」のラベルが。

2010-12-14 15:19:45
雪月 @setugetufuka

#twnovel とろりと重く湿った空気、足音も吸い込まれそうな暗闇の中。捜し求めていた君を、君の残骸を見つけた。あんなに執着していたのに、虫がたかっているのを見たら触れるのも躊躇われる。靴先で探ると白い塊が転がった。それは君の肌にも似た滑らかで白い、縋るような君の指先の骨。

2010-12-29 22:38:13
雪月 @setugetufuka

#twnovel 妹の形見の三面鏡は私がもらうことにした。鏡を開くと表面が白く曇っていた。あんなに綺麗だった妹が最後には自分を見ることすらしなかったというのか。磨こうとタオルを手にして気が付く。鏡面に妹の手の跡があった。掴もうと思ってももうその手はない。タオルを握りしめて泣いた。

2011-01-07 12:04:42
雪月 @setugetufuka

#twnovel オセロゲーム。懸命に白を増やす。盤面はほぼ白だったのに、1つの黒い石がパタパタと黒く変えていく。人間関係も一緒。あっという間にひっくり返ってしまう。好意から嫌悪に。また巻き返せるのか? それともゲーム自体をやり直す? ほぼ黒くなった盤面を見て迷っている。

2011-01-09 14:03:56
雪月 @setugetufuka

#twnovel 夢の中で私は小さな部屋にいた。隣で女の子が泣いている。ずっと。どうしたらいいかわからなかったから、黙っていた。女の子はしゃくり上げながら話し出した。「別れたくない、て、言えばよか、た」 もう遅いよ。切れ切れの言葉に答える。そして朝。私はまた泣きながら目を覚ます。

2011-01-11 22:21:42
雪月 @setugetufuka

#twnovel 「君がゴールを決めていいよ」と今回は体調万全のウサギ。「じゃあ、ここに」と亀が旗を立てたのは、ウサギのいる所から1mほど離れた場所。首を傾げて不思議がるウサギに向かって、亀はこう言った。「地球を約1周ね。僕は長生きだし海も泳げるけど、君は大丈夫?」

2011-01-12 13:27:29
雪月 @setugetufuka

#twnovel 今までに見た事がない数の星があった。友達はさっき声をかけてきた人達と花火をしている。私は星空から目を離すことができず、一人で上を見ていた。後で友達から彼等に失礼だったと怒られたけど、あの時の私には誰かが見せてくれる花火より、見上げる星空の方がずっと魅力的だった。

2011-01-13 23:32:23