唐突にボトムズ予告になる合唱曲
ひろげたままじゃ持ちにくいから きみはそれをまるめてしまう まるめただけじゃつまらないから きみはそれをのぞいてみる 小さな丸い穴のむこう そこには、荒涼たる砂漠の中、暗夜に銃を求めて立ち尽くす、孤独な己の姿があった。 次回『暗闇』死が互いを分かつまで。
2016-10-11 18:44:45第39話『パーフェクト・ソルジャー』―海神
海が神だとは思えない たしかに 海には精霊がたくさんいて 時おり牛のように気が狂い、鏡の中の己を打ち砕く。飛び散る破片と共に、見えなくなる自分。遥かな宇宙の彼方、もう一人の自分を映し出す鏡を求めて、クエントへ。 次回『パーフェクトソルジャー』この身体の中に潜むものは、何だ。
2016-10-12 08:43:15第40話『仲間』―一番はじめは
一番はじめは一の宮 二は日光東照宮 三は佐倉の宗吾様 四はまた信濃の善光寺 五つは出雲の大社 六つ村々鎮守様 七つは成田の不動様 自分が自分であるために、捨てて来たものの数を数える。声にならない声が聞こえてくる。 次回『仲間』一足先に自由になった兵士のために。
2016-10-13 08:28:56第41話『クエント』―時の旅人
めぐる風 めぐる想いにのって なつかしいあの日に 会いにゆこう ぼくらは時の旅人 忘れかけていた日々が、百年戦争が、ギルガメスが、バララントが。全てのものがここに収斂される。照りつける太陽、吹き渡る風。静寂の中に歴史が眠る。 次回『クエント』キリコは自分の過去に出会えるか。
2016-10-13 08:41:49第42話『砂漠』―感傷的な唄
風が吹くから 生きよう そう思う前に もう足が駆け出していた 風が吹くから 見えないものを 信ずることができた 不意に思い出す 謎の民クエント人。彼らが目指したものは何か。彼らが恐れたものは何か。アストラギウス銀河の秘密がこの星に眠る。 次回『砂漠』三千年ぶりに稲妻が走る。
2016-10-15 10:06:54第43話『遺産』―環礁
だまされて 風に鳴るビヤの罐に 閉じ込められた夏の朝の成層圏 細い低い島をひたす長い眠い平穏に姿を隠した超文明を追って、キリコが走る。クエントの神の子とは。神の子の野望とは。全てを包んで煙る谷底に、己のルーツを求めてキリコがさまよう。 次回『遺産』キリコは追い、そして追われる。
2016-10-15 22:10:30第44話『禁断』―朝の祭
朝になると 小さな四本の足が跳ねまわり 私たちの木の家は鳴り響き 太鼓となる 朝になると 出まかせの言葉で歌われる奇怪な古代超文明の輝きが野望をそそる。アストラギウス銀河の暗闇に、巨大な鼓動が響き始めた。禁じられた扉を開くのは、誰だ。 次回『禁断』神の目覚めが始まる。
2016-10-20 17:30:51第45話『遭遇』―一詩人の最後の歌
私を高く運んでゆけ、お前、強い死よ 魂の大きな国へ。 私は神が私に命じた道を進んだ 額をまっすぐにあげて、大いなる謎を秘めた辺境の惑星へと向かう。クエントの地底に住まうは、神か、悪魔か。謎は歴史を遡り、閃光は欲望を映し出す。 次回『遭遇』戦慄が、核心へと誘う。
2016-11-07 07:59:18第46話『予感』―ローラ・ビーチ
人の目が見ていなくても 風景はあるものだろうか 貝の螺旋 月蝕ごとに 珊瑚が育つ 魚の側線 暴風の暗夜 水 珊瑚を砕き 砕けて錯綜する権謀と術策。目に見えぬ無数の導火線に火が走る。忌まわしくも懐かしい、あの臭い、あの音が蘇る。 次回『予感』クエントの大地が震える。
2016-11-07 08:35:48第47話『異変』―方舟
空を渡れ 錨をあげる星座の船団 灯火はあまりにも膨大なるエネルギーの放出。巨艦を付き抜ける火玉。塵も残さず消え去る艦隊。3000年の歴史の彼方から、古代のエネルギーが爆発する。戦闘か、欲望か、キリコか。未知なる意志を触発したのは何か。 次回『異変』クエントの空が燃える。
2016-11-08 08:10:26第48話『後継者』―にじ色の魚
今年も夏が来たら また 母の里のいなかへ行こう 大きい麦わらぼうしをかむり ヒグラシの鳴く森かげから届いた、支配者からの招待。謎の香りに包まれた、絶対権力の甘い味。そこには、欲望を満たす全てがある。神の誘惑に、あらゆる野心が魅せられる。 次回『後継者』神の意を受けるのは誰か。
2016-11-08 08:19:59第49話『異能者』―夏になれば
夏になれば みな浴衣で涼み 川すぢの祭には 華やかな灯がつく あそこの全てが宇宙に仕組まれた巨大なイルミネーションだとしたら。底知れぬ闇の中に設えられたただ一つの椅子に座り、いつ果てるとも知れぬ無数の光の象徴を見続ける者。それは誰か。 次回『異能者』それが我が運命なら。
2016-11-08 08:43:31第50話『乱雲』―二十億光年の孤独
人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがったりする 火星人は小さな球の上で 何をしてるか 僕は知らない (或いはバララント、ギルガメス―アストラギウスの絶対支配。壮烈な決意が自らを加速させる。全てをこの手に。 次回『乱雲』もう止められる者はいない。
2016-11-10 19:05:05