日経の解説記事に安直な「ネット若者論」があった by 後藤和智
今日の日経新聞1面の「ネットの現実 直視の時」という解説風の記事における橋元良明・東大教授の発言が酷かったので挙げてみる。曰く、《「今の若者はネットで調べれば分かることをわざわざ考えるなんてナンセンスと考える気質がある」と指摘する》。しかも、それに続いて、(続く)
2011-03-05 22:38:23(承前)《若いころからネットがあった35歳を境目に「上の世代と下の世代で感覚が違う」とみる》と。とりあえず根拠はどこにあるの。しかもこの記事には、続けて《もちろん19歳の予備校生を断罪するだけでは事態は改善しそうにない。考えるより先に検索し、(続く)
2011-03-05 22:39:44(承前)自分で調べる前に掲示板に問いかける。そんな風潮は世代や国籍を問わず広がる。》なんて書いてしまっている。あやややや、話を世界レヴェルにまで拡げてしまったよ。どうすんだ日経。まあ、この手の論調は若者論ではよく見かけるものなのでまあ別に騒ぎ立てるほどでもないんだけど、(続く)
2011-03-05 22:41:12中東の独裁政権への揺るがしと我が国の入試カンニング騒動を安易に「ネット」という言葉で結びつけて、しかもこのような安易な「若者論」を持ち出す、という姿勢こそ問題じゃないかね。全体で見ても何が言いたいのか分からないし。サブタイトルの「想定超える影響力」という結論に(続く)
2011-03-05 22:43:46(承前)結びつけたいがためにこういうことしてんじゃないかね。とはいえこの村山恵一なる人物によって書かれたこの記事は、もちろん反面教師として全てのマスコミや評論に関わる人間が読むべき記事だ、ということを推薦しときます。togetterは自分でまとめるからね。
2011-03-05 22:44:52やっぱり「若者」と「ネット」で記事を書こうとするとこういう論調にならざるを得ないんだろうか、とちょっと考えてみたり。
2011-03-05 23:09:41「新しいメディアが社会を変える」という言説は、幾度となく繰り返されてきた。その歴史については、佐藤俊樹の『社会は情報化の夢を見る』(河出文庫)を読んでほしい。ネットに関する言説は、同書の知見を踏まえた上で書かれるべきであると私は思っている。
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