東大病院放射線治療チームのtweetまとめ

@team_nakagawa 東大病院放射線治療チーム 東京大学医学部附属病院放射線科 中川恵一氏のtweetをまとめてみました。
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東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

乳幼児の被ばくに関する質問にお答えします。甲状腺に関しては、内部被ばくによって、乳幼児に発がんが増えたというデータがあります。外部被ばくに関しては、特に大人との違いは見られません。

2011-03-17 08:21:30
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

チェルノブイリの原発事故で、唯一増えたがんは、小児の甲状腺がんでした。 内部被曝については、小児に影響が出やすい可能性があります。

2011-03-17 08:22:56
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

チェルノブイリ事故とちがい、今回の原発事故に近い、スリーマイル島原発事故では、 小児の発がんリスクの上昇は見られませんでした。

2011-03-17 08:23:26
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

今回の原発事故により福島県内などで放射性ヨード、セシウムが微量ながら検出 されております。これはウランの核分裂により作られたもので、風や雨により到達したものと思い ます。ただし、非常に微量なため、現時点では健康被害は全くありません。

2011-03-17 16:03:12
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

甲状腺とはヨードを取り込み、それを材料にして甲状腺ホルモン(体のアクセル となるホルモン)を作る臓器です。放射性ヨードは、甲状腺がんや甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療に使われます。

2011-03-17 16:04:44
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

ただし、これら医療用に使われる放射性ヨードの量は 現在、各地で空気や飲料水1リットル当りから検出されている量と比べて桁違いに高い(1000億〜10兆倍程度)量です。

2011-03-17 16:12:07
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に産生される病気で内科的治療でコントロ ールできない場合、正常の甲状腺細胞に放射線ヨードを取り込ませることで甲状腺細胞にダメージを 与え、過剰になった甲状腺機能を抑えます。放射性ヨードは、「クスリ」にもなると言うことです。

2011-03-17 16:13:46
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

また、多くの甲状腺がんにも、甲状腺細胞ほどではありませんが、ヨードを取り 込む性質が残されており、バセドウ病と同様に、放射線ヨードを口から飲むことで、 がんの治療が行われます。

2011-03-17 16:18:06
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

この場合、正常の甲状腺が残っていると、放射性ヨードが、正常の甲状腺細胞に ばかり集まってしまいますので、甲状腺を全部摘出することが必要です。

2011-03-17 16:22:42
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

現在、原発事故による放射性ヨードの心配をする必要はありません。 医薬品であるヨウ化カリウム製剤も、現時点では服用する必要はありません。 ましてや、消毒薬のイソジン(ヨードを含む)を飲むなど、絶対にやめて下さい 。むしろ、アレルギー、甲状腺機能異常などの副作用の方がずっと心配です。

2011-03-17 16:26:42
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

1.公務員の被ばく引き上げについてのツイート 昨日、公務員の放射線被ばくの許容範囲を100mSvから250mSvに引き上げられました。短時間での250mSvの放射線量の蓄積は身体に負担を与えかねない量と考えています。

2011-03-18 01:42:23
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

事故現場の近傍で作業するためには、それだけの許容量がないと有効な作業ができないのかもしれません。人材も限られてきています。しかし、許容量の引き上げ以外にも対策があったのではないかと思わざるを得ません。

2011-03-18 01:42:28
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

2.医療被ばくは多い? 今回の事故で、CT検査などによる医療被ばくの量を初めて知った方も多いと思います。医療被ばくには上のような線量の制限を設けていません。日本国民一人当たりの医療被ばくは1年間の平均で約2~3mSvです。

2011-03-18 01:45:03
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

これは自然被ばくに匹敵する量で、世界平均に比べてもダントツに多いことが知られています。

2011-03-18 01:45:09
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

でも、日本人は世界一の長寿国ですね。もちろん、被ばくによって日本人が長生きしていると言っているのではありません。でもCTなど”被ばくする医療行為”は、日本人の長寿に少しは貢献しているのでしょう。間接的な理由で医療行為による被ばくは患者に対し利益を与えていると考えています。

2011-03-18 01:45:37
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

なぜ医療被ばくには限度を設けていないのでしょう?それはCT撮影を行なう等医療行為で受ける被ばくには、明確な利益があるからです。

2011-03-18 01:46:14
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

CTによって、早期にがんが見つかったり、良い治療方針が見つかったりすることがあり、被ばくをして生涯の発がんの確率がほんのわずかに上がることを心配するよりも(1回のCTの被ばく程度で本当に確率が上がるかどうか実はわかっていません)、あなたの生活によっぽどプラスの貢献をするでしょう。

2011-03-18 01:46:29
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

他方、原発事故による放射能漏れの影響は、その人には全く利益をもたらしません。したがって、医療被ばくと今回の原発事故による被ばくは、本来は比べてはいけないものなのです。CTよりも多いから、少ないから、ということはあまり考えないでください。

2011-03-18 01:46:43
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

ムダな被ばくを抑えるように医療従事者は心掛けています。その観点で言えば、原発事故による被ばくは絶対に防がなければなりません。”被ばく量”という観点から言えることは、今回の事故により生じている今の放射線量は問題ない量ですので、どうか安心してください。

2011-03-18 01:46:53
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

内部被ばくが実際にどの程度の影響があるのか、という質問が多いので、それについてご説明します。

2011-03-19 14:59:50
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

私たちは、大気、大地、宇宙、食料等からも日常的に放射線を浴びています。これを「自然被ばく」といいます。放射性物質を含む水や食物を体内に取り込むと、体内の放射性物質が、体内から、放射線を発します。この日常的な水や食物からの内部被ばくは、主にカリウムによるものです。

2011-03-19 15:00:34
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

カリウムは、水や食物などを通して、私たちの体の中に取り込まれ、常に約200g存在します。 その内の0.012%が放射能を持っています。すなわち日常的に360,000,000,000,000,000,000個の ”放射性”カリウムが、体内に存在しています。

2011-03-19 15:00:53
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

”放射性”カリウムは、体内で1秒間当たり6,000個だけ、 別の物質(カルシウムまたはアルゴン)に変わります。 これを「崩壊」と呼んでいます。

2011-03-19 15:01:19
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

そして、崩壊と同時にそれぞれの”放射性”カリウムが放射線を放出します。これが内部被ばくの正体です。 1秒間あたり6,000個の崩壊が起こることを、6,000Bq(ベクレル)と言います。

2011-03-19 15:01:32
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

例えば今、”放射性”ヨウ素が、観測によって各地で検出されています。その”放射性”ヨウ素が含まれた水を飲むと、内部被ばくが起こります。この影響はいったいどれくらいでしょうか?

2011-03-19 15:01:45