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放射線について医学的見地からのコメントまとめ
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東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

妊婦の方へ。放射線は、妊娠後4ヶ月以内が最も胎児に影響を与えるといわれています。100mSv(ミリシーベルト)未満の蓄積ならばその後の胎児には影響がでないことが示されています。

2011-03-16 23:11:07
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

妊婦に関する放射線防護についてのデータは、国際放射線防護委員会がまとめています。

2011-03-16 23:41:25
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

放射線の人体への影響は、外部被ばくも内部被ばくも同等です。ただ、いったん放射性物質を体内に取り込んでしまうと、被ばくから逃れられないので、内部被ばくの方がより危険といえます。

2011-03-16 23:54:19
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

ただ、放射性物質を体内に取り込んでも、体外に排出されたり、自然に放射能が弱まったりすることで、放射線の影響も弱まっていきます。

2011-03-16 23:55:47
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

原発からまき散らされる放射性物質としてヨードやセシウムが話題となっています。これらの物質を体内に取り込んで排出されるまでの時間は、物質の形態や取り込まれる体の場所によって様々です。

2011-03-17 01:07:19
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

目安としては、ヨードが甲状腺に取り込まれた場合、30日程度で半分の量が排出されます。ただし、ヨード自身は8日で半分の放射能になります。体外に出て行くまでに、ほとんどのヨードが放射線を出します。ちなみに甲状腺に取り込まれなければ、その日のうちにほとんどが出て行きます。

2011-03-17 01:07:36
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

東大病院では、ヨードの放射線は甲状腺のがん治療にも使っています。この場合は、甲状腺にヨードを集めたいので治療の前に患者さんは、ヨードの摂取を制限されます。(この話は、別の機会に詳しくつぶやきます)

2011-03-17 01:07:53
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

乳幼児の被ばくに関する質問にお答えします。甲状腺に関しては、内部被ばくによって、乳幼児に発がんが増えたというデータがあります。外部被ばくに関しては、特に大人との違いは見られません。

2011-03-17 08:21:30
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

チェルノブイリの原発事故で、唯一増えたがんは、小児の甲状腺がんでした。 内部被曝については、小児に影響が出やすい可能性があります。

2011-03-17 08:22:56
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

チェルノブイリ事故とちがい、今回の原発事故に近い、スリーマイル島原発事故では、 小児の発がんリスクの上昇は見られませんでした。

2011-03-17 08:23:26
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

今回の原発事故により福島県内などで放射性ヨード、セシウムが微量ながら検出 されております。これはウランの核分裂により作られたもので、風や雨により到達したものと思い ます。ただし、非常に微量なため、現時点では健康被害は全くありません。

2011-03-17 16:03:12
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

甲状腺とはヨードを取り込み、それを材料にして甲状腺ホルモン(体のアクセル となるホルモン)を作る臓器です。放射性ヨードは、甲状腺がんや甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療に使われます。

2011-03-17 16:04:44
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

ただし、これら医療用に使われる放射性ヨードの量は 現在、各地で空気や飲料水1リットル当りから検出されている量と比べて桁違いに高い(1000億〜10兆倍程度)量です。

2011-03-17 16:12:07
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に産生される病気で内科的治療でコントロ ールできない場合、正常の甲状腺細胞に放射線ヨードを取り込ませることで甲状腺細胞にダメージを 与え、過剰になった甲状腺機能を抑えます。放射性ヨードは、「クスリ」にもなると言うことです。

2011-03-17 16:13:46
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

また、多くの甲状腺がんにも、甲状腺細胞ほどではありませんが、ヨードを取り 込む性質が残されており、バセドウ病と同様に、放射線ヨードを口から飲むことで、 がんの治療が行われます。

2011-03-17 16:18:06
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

この場合、正常の甲状腺が残っていると、放射性ヨードが、正常の甲状腺細胞に ばかり集まってしまいますので、甲状腺を全部摘出することが必要です。

2011-03-17 16:22:42
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

現在、原発事故による放射性ヨードの心配をする必要はありません。 医薬品であるヨウ化カリウム製剤も、現時点では服用する必要はありません。 ましてや、消毒薬のイソジン(ヨードを含む)を飲むなど、絶対にやめて下さい 。むしろ、アレルギー、甲状腺機能異常などの副作用の方がずっと心配です。

2011-03-17 16:26:42
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

首都圏の環境放射線が、一時、毎時1マイクロシーベルトにまで上昇し、心配しました。しかし、3/16以降は、たとえば、東京で、毎時0.052-0.053マイクロシーベルトと平常時に戻っています。 神奈川、千葉、埼玉なども同様です。

2011-03-18 01:19:30
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

1.公務員の被ばく引き上げについてのツイート 昨日、公務員の放射線被ばくの許容範囲を100mSvから250mSvに引き上げられました。短時間での250mSvの放射線量の蓄積は身体に負担を与えかねない量と考えています。

2011-03-18 01:42:23
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

事故現場の近傍で作業するためには、それだけの許容量がないと有効な作業ができないのかもしれません。人材も限られてきています。しかし、許容量の引き上げ以外にも対策があったのではないかと思わざるを得ません。

2011-03-18 01:42:28
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

2.医療被ばくは多い? 今回の事故で、CT検査などによる医療被ばくの量を初めて知った方も多いと思います。医療被ばくには上のような線量の制限を設けていません。日本国民一人当たりの医療被ばくは1年間の平均で約2~3mSvです。

2011-03-18 01:45:03
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

これは自然被ばくに匹敵する量で、世界平均に比べてもダントツに多いことが知られています。

2011-03-18 01:45:09
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

でも、日本人は世界一の長寿国ですね。もちろん、被ばくによって日本人が長生きしていると言っているのではありません。でもCTなど”被ばくする医療行為”は、日本人の長寿に少しは貢献しているのでしょう。間接的な理由で医療行為による被ばくは患者に対し利益を与えていると考えています。

2011-03-18 01:45:37
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

なぜ医療被ばくには限度を設けていないのでしょう?それはCT撮影を行なう等医療行為で受ける被ばくには、明確な利益があるからです。

2011-03-18 01:46:14
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

CTによって、早期にがんが見つかったり、良い治療方針が見つかったりすることがあり、被ばくをして生涯の発がんの確率がほんのわずかに上がることを心配するよりも(1回のCTの被ばく程度で本当に確率が上がるかどうか実はわかっていません)、あなたの生活によっぽどプラスの貢献をするでしょう。

2011-03-18 01:46:29