• hirdegard_bot
    1.これから構造主義について呟きます。とはいえ、僕はまだ構造主義を独学でちょっとかじっただけのぺーぺーなので、間違いがあるかもしれません。ってか絶対あります。なので話3割程度の心構えで読んでいただけると幸いです。
  • hirdegard_bot
    2.まず最初に構造主義についての概略ですが、一般的に目に見える諸現象の背後にある構造を明らかにし、そこから逆説的に諸現象を理解していこうとする考えのことを言います。意味がわかりませんね。特に「構造」って何ぞやって感じですね。なるべくわかりやすく説明したいと思います。
  • hirdegard_bot
    3.構造主義における「構造」は、一般的に流通している構造とは意味が違います。なるべくイメージしやすいように卑近な例として一つの会社を考えてみます。一般的に会社の構造というと、社長をトップとして下に人事部や商品開発部、営業部、資材管理部などがある組織図をイメージすると思います。
  • hirdegard_bot
    4.このイメージでいくと、構造主義とは現象(会社)がどの様な要素(部署)で構成されているのかを明らかにする学問の様に思えます。ところがそうではありません。構造主義はさらにもう一歩踏み込んで、要素同士がどう相互に影響しあって現象を成り立たせているのかということを検証していきます。
  • hirdegard_bot
    5.会社の例に戻りましょう。ある会社が成り立つには、商品開発部が商品を作って営業部がそれを売って利益を出す必要があります。このようにわかりやすい関係だけではなく、普段は見えない関係もあります。商品開発部が出した損失のせいで、資材管理部の人の給料がちょっと下がったとかです。
  • hirdegard_bot
    6.つまり会社という一つの現象は、単に要素の集合なのではなく、要素間の目に見える関係や目に見えない関係によって成立しています。構造主義における「構造」とは、この要素間における関係をモデル図化したものだと思ってください。
  • hirdegard_bot
    7.現象によって要素はまちまちです。会社によってはある部署ない部署はありますし、当然その構成員も違います。しかしその要素ごとの関係においては、どの会社でも共通する一定の関係性があります(例えば社長の指示に社員は従うとか)
  • hirdegard_bot
    8.現象における要素の関係性を全部まとめた総体が「構造」です。構造主義とは、ある現象(社会、文化、言語、人の精神etc)を構成するのに必要不可欠な要素を明らかにし、それら要素間における普遍的な関係性をモデル化し、それを個別の諸現象に当てはめて理解しようとする試みなのです。
  • hirdegard_bot
    9.構造主義を大成させたのはレヴィ=ストロースという20世紀の人類学者でした。とはいっても彼がいきなりひらめいたわけではなく、ソシュールという言語学者や射影幾何学を確立したクラインの数学の概念からアイディアを得ていました。
  • hirdegard_bot
    10.ソシュールは言語を考えるにあたり、英語や日本語などの個別言語について考えるのではなく、すべての言語に共通する要素を考えて、言語一般について考えた言語学者でした。彼は全ての言語に共通する要素としてラング(文法)/パロール(発話)/ランガージュ(言語運用能力)の3つを挙げます
  • hirdegard_bot
    11.言語とはこの3つの要素が関係して言語は成立すると考えたのです。射影幾何学については僕も詳しくはないのですが、例えば四角形を考えた時、真正面からみたらそれは正四角形ですが、視線をずずっと下にさげると正四角形が長方形に見えたり、台形に見えたりします。
  • hirdegard_bot
    12.正四角形は「4つの辺、各角は90°」と定義されますが、それは正面から見た時の話で、視点をかえれば同じ四角形でも別の四角形に見えます。射影幾何学では視点を変えても変わらない図形の性質、四角形の場合は四つの辺を〈構造〉と言います。その〈構造〉を共有する四角形を変形群と言います
  • hirdegard_bot
    13.今度は四角形を球体の上に書いてみましょう。するとさっきまでの四角形の4辺は直線だったのが、球体上の四角形の4辺は曲線になる。そして曲線で閉じられている性質という風に〈構造〉を見出すと、四角形は球よ一緒の変形群に分類されます。視点をかえると、数学の概念さえ変わってしまうのです
  • hirdegard_bot
    14.レヴィ=ストロースはソシュールから現象を要素に分解して普遍的な関係性のモデルを抽出する方法を学び、クラインから現象を相対的に多角的視点を持って分析する態度を身につけたのです。そして彼はその手法を当時未開の蛮族と見なされていたブラジルの原住民族の社会に適用したのです。
  • hirdegard_bot
    15.彼はそこである画期的な発見をしました。そこで発見したのは野生の思考と呼ばれる原住民たちの思考論理でした。西洋では近親相姦は固く禁止されています。それは道徳や遺伝学など理性的な理由から禁止されているのです。
  • hirdegard_bot
    16.しかし西洋人ほど理性が発達していない、道徳や遺伝の知識がないはずの原住民社会でも近親相姦は禁止されています。それはどうしてでしょうか?彼はモースの贈与論を援用し、近親相姦は社会を維持する上で要請される女性の交換原理なのだと説明します。
  • hirdegard_bot
    17.原住民族の社会とは部族間の繋がりです。その部族間の繋がりを強固にする為、女性がその中でやりとりされます。お嫁にいったりもらってきたりですね。交換される女性は処女でなければ価値を持ちません。なので交換の前に傷物にしてしまっては交換は成立せず、社会関係は維持できません。
  • hirdegard_bot
    18.近親相姦は理性的理由だけで禁止されるのではなく、その背後に社会的制度が存在しているのです。人間の行動や思考は理性に従うだけでなく、普段意識しない社会制度によっても無意識のうちに拘束されているのです。西洋の禁止理由も元は原住民と同じ論理であり、理性的論理は後付けにすぎません。
  • hirdegard_bot
    19.レヴィ=ストロースのこの発表は、西洋近代世界に激震をもたらしました。シャレにならんほどの衝撃です。まずそれまでの西洋人は自分たちこそがもっとも進歩した人類であると思ってました。自分たちの理性をもってすれば、神がいなくても真理にいつかは辿りつけると自負していたのです。
  • hirdegard_bot
    20.ところが蓋を開けてみれば、進歩的な西洋人も根元では原住民と同じ思考をしているし、彼らが自信を持っていた理性も自由に駆使出来るのではなく、社会の制約を受けることが判明してしまったのです。絶対的な支配力を持っていた進歩主義と理性至上主義は脆く崩れてしまいました。
  • hirdegard_bot
    21.構造主義が明らかにしたのは、西洋近代の限界でした。人間は今生きている社会、時代を規定している「構造」からは決して自由にはなれません。理性とて例外ではなかったのです。
  • hirdegard_bot
    22.レヴィ=ストロースの功績によって、構造主義は俄かに大人気になりました。フロイトから続く精神分析ではラカンが、文芸批評の分野ではロラン=バルト、マルクス思想研究でアルチュセールなど、各分野で構造主義は成果をあげました。
  • hirdegard_bot
    23.また今ある社会の「構造」だけをいくら分析しても、現実の社会や制度は解明しきれない。その「構造」が歴史の中でどの様に変化してきたのかという歴史性も考慮すべきだとして、修正構造主義も出てきます。
  • hirdegard_bot
    24.順調そうに見えた構造主義ですが、20世紀後半に入ると異論も出てきました。それはフーコーやデリダ、ドゥルーズなどのポスト構造主義と呼ばれる人たちです。彼らの主張はこうでした。構造主義者が「構造」を見出すのに使っているその理性や判断力だって、所詮は西洋独自のもの。
  • hirdegard_bot
    25.西洋的な視点は捨てきれないんだから、その視点でもって出した「構造」だって本当に普遍的なものかわからないじゃんと。ポスト構造主義者たちはこう言いますが、実際に直接非難することはありませんでした。
  • Content from Twitter

コメント

  • ta_hito
    面白かった。構造主義とは、関係性を浮かび上がらせる考え方…しかし、関係性とはある視点から見た形であり、絶対的ではない。ただし、多視点で浮かび上がる関係性において歯車となるポイントが浮かび上がるなら、それがそこにおける起点になりえる。起点からの広がりを見る事ができるなら、そこに世界が見えるかもしれない。物語におけるテーマで語るなら、同じテーマを持つ相反する2つの人物がそれにあたるかもしれない…そう思いました。
まとめを作成する