@5thstar @lizard_isana ここで宇宙探査と書いた時には、太陽計画書へ探査機を飛ばすという意味でした。1970年代後半に米ソから20年遅れという、比較的早い時期にISASがハレー彗星を標的にした探査ができた理由が、理学ではなく光学にあったということです。
2009-12-01 00:24:041970年代、理学系は地球周回軌道に入れた衛星からのデータでどんどん前進できる状況でした。一方ロケット工学のほうは、「地球は回したから次は惑星間空間だぜ」という意識があったのでしょうね。だからこそ、「ハレーをやろう」という秋葉先生の発言が出てくるわけで。
2009-12-01 00:26:05ハレーの後、理学系は惑星探査だと、「のぞみ」に向かいますが、工学系は「片道はやった、次は往復のサンプルリターンだ」と考え、「はやぶさ」を実施します。工学系研究者のほうが、論文で業績を積み上げるという同じ目的のために、「より遠くへ、もっとすごいことを」という欲求を持っているのです。
2009-12-01 00:29:59工学系研究者が、日本の太陽系探査を根本の部分でドライブしてきたならば、その駆動力を今後どうやって維持発展させるべきなのか、というのが、私の問題意識です。
2009-12-01 00:31:01@ShinyaMatsuura その問題意識はいいと思います。日本の太陽系探査はもっと発展してほしいと私も思います。ただしその際、研究者のたこつぼ的な発言とか発想は、できれば目にしたくないし耳にしたくない。小さくまとまらずにいろんな場所でオープンに議論をしてほしいと願います。
2009-12-01 00:37:13@ShinyaMatsuura @5thstar 太陽系探査という分野では理学が工学をドライブする、というのはようやく始まりつつある所なのかもしれません。「かぐや」や「あかつき」で、ようやく探査機を飛ばすことが目的ではなく手段になりつつあるのかなと。
2009-12-01 00:48:46@5thstar そうですね。しかし研究者のキャリアにとって、「論文が書けるか否か」は死活問題なのです。特に衛星や探査機に関わることはD論執筆にとって賭けに近いことになります。そのことが太陽系探査に微妙な、しかし無視できない陰を落としています。
2009-12-01 00:48:48宇宙研時代はリスクを緩和する仕組みも幾分機能していたのですが…例えば、工学試験衛星「たんせい」シリーズや、M系統新型ロケットがなぜ5年間隔だったかといえば、院生2年とドクター3年の間で、宇宙工学系に必ず論文執筆のチャンスが回るという意味でした。
2009-12-01 00:50:31@lizard_isana そうですね。金星探査機などはそれでいいのだと思います。が、「その先」の木星や土星系、枯渇彗星やトロヤ群小惑星、天王星系などの探査を求めるなら、やはり工学系ががんばれる仕組みが必要か、という気がしています。
2009-12-01 00:52:21@ShinyaMatsuura D論執筆を問題にされているのであれば、取材対象から少し遠ざかった視点をもたれてみてはいかがでしょうか。D論執筆は確かに研究者への登竜門ですが、税金を使う研究、という納税者への説明責任から言えば、本末転倒していると思います。
2009-12-01 00:52:46@5thstar そのロジックこそが、私の危惧するところなのです。「ニーズ先導」を宇宙科学に適用すると「理学のための工学」ということが分かりやすいのですが、それでは日本は太陽系の未知の領域への積極的な探査ができなくなる恐れがある、と。
2009-12-01 00:56:07まとめ『…日本が未知に挑む宇宙探査を…』…う~。国家に属する組織の組織論と考えるとつらいかも。一瞬、パトロンから資金提供を受けたNPOか、絶対君主制国家での「王立組織」の話かなぁ、と錯覚したり。@ShinyaMatsuura さんのつぶやきに逡巡が見えるのも、ちょっと気になる。
2009-12-01 00:57:24知的資産送出のサイクル、およびその手段・成果の運用や優先的利用が完全に内輪で属人化してしまっているのが自然な組織形態なんだろうなぁ。でも、それを国民総意で支えるってどういうことだろう…と悩んでしまった私は、やっぱりコテコテ技術者なのかも。
2009-12-01 00:57:37@ShinyaMatsuura いや、「シーズ先導」でももちろんいいのです。ただ、どういうプロジェクトをどういう狙いでどういうスパンでやるのか、計画を誰が立てて、誰がピアレビューをやるのか、その決定プロセスは透明化してほしい。
2009-12-01 00:58:32@5thstar かつての宇宙研では「理工一体」は口に出すまでもない当たり前のことでした。しかしM-V廃止は宇宙工学系を分断し、弱体化させてしまいました。そのことが、色々と悪い方向に効いてきているのではないかという危惧が、私にはあります。
2009-12-01 00:58:41@5thstar 極端なことを言えば、納税者は常に未知への挑戦を「日本が(お前さん)がやらなくてもいいではないか」と蹴飛ばすことができます。スパコン2位以下でもいいじゃんの論理。
2009-12-01 01:00:54@ShinyaMatsuura M-V廃止のプロセス、さらにはM-V計画決定のプロセスをぜひ記事にしてください! 外野からだとなにが起きたのか、理解不能です。
2009-12-01 01:01:08早い話、2004年にASTRO-Gが選ばれたとき、最後まで競ったのは工学系の出した電力ソーラーセイルのMUES-Dでした。ところが、次の2008年のセレクションでは、MUSES-Dは出てこないで、選考もなしにASTRO-Hが宇宙開発委員会に提出されました。一体何があったのか?
2009-12-01 01:04:13@ShinyaMatsuura でも先日のX線望遠鏡の話じゃ、「どこにニーズがあるかしっかり見極めてプロジェクトを立てるべし」って言ってませんでした? 小惑星探査だと「工学系の行きたがるところへ行かせてやれ」になるように聞こえますが。
2009-12-01 01:04:15