映画「新聞記者」感想

映画「新聞記者」の感想です。ネタバレを含みますのでご注意ください。 【2019/11/20更新】感想を追加しました。 【2019/7/19更新】伊藤詩織を模した登場人物の描写についてツイート追加しました。 【2019/7/12更新】前川喜平を模したという登場人物の描写についてツイート追加しました。
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徳本 @tokumoto0

この映画の薄っぺらさに拍車をかけているのが、いかにも悪人な表情口調でわざわざ俺達はこんなに悪だ的説明台詞を連発する内閣情報調査室のボス。恐るべきスパイ組織という設定のはずが、不用意にベラベラしゃべりガバガバな作戦を指示するおしゃべり悪代官の行動を列記します。ネタバレ注意 #新聞記者

2019-07-07 00:36:05
徳本 @tokumoto0

・伊藤詩織を模した人物"後藤さゆり"が告発会見をすると、内調ボスはメンバーに後藤はハニートラップだとか、野党と関連のある人物だとかいうチャート図を作れと指示。わざわざ「事実を作れ」とでっちあげであることを強調。情報は与党ネットサポーターにも拡散しろと指示。 #新聞記者

2019-07-07 00:37:07
徳本 @tokumoto0

・内調ボスは、嘘をでっちあげるのかと善玉官僚に噛みつかれると「嘘か本当かを決めるのはおまえじゃない、国民だ」。これ、マスコミが普段やってることですよね。 #新聞記者

2019-07-07 00:38:13
徳本 @tokumoto0

・なお、内調の捏造チャート図拡散作戦は早々に週刊誌にばれて、あれは内調の仕業だと叩かれます。「新聞に流せって言ったのに、なんで週刊誌に流れるんだ…」と内調ボスが静かにブチギレるシーンはまるでコントです。顔の怖い人が喜劇をやると強いですね。喜劇じゃないんだけど。 #新聞記者

2019-07-07 00:39:15
徳本 @tokumoto0

・内調ボスが国会前抗議デモの写真を見て参加者の顔にペンで丸をつけ、経歴を洗うから公安に送っとけと善玉官僚に渡す。全員一般人ですよと驚愕する善玉に対し「全員、犯罪者予備軍だ」。それ、個人的な見解ですよね?と食い下がる善玉に対し、だったらなんなんだと開き直る。 #新聞記者

2019-07-07 00:40:03
徳本 @tokumoto0

・主人公の父は、銀行から当時の首相秘書への不正融資をスクープするも誤報発覚で自殺したらしいと中盤明らかに。善玉官僚が内調ボスに、本当に自殺だったのかと聞くと「火消しはなかなか大変だったよ」と軽く話す。政府が銀行を私物化とまで書かれ引っ込みがつかなくなった等もベラベラ話す #新聞記者

2019-07-07 00:41:00
徳本 @tokumoto0

・政府が大学の名目で生物兵器の実験場建設を計画云々の主人公スクープ記事で大騒ぎの最中、内調ボスが主人公の携帯に自ら電話して脅す。あなたの記事はお父さんそっくりだ、お父さんの誤報は実は誤報ではなかった、でも死んでしまって残念でしたねとか露骨な脅しを音声も変えずに話す #新聞記者

2019-07-07 00:41:56
徳本 @tokumoto0

・ラスト近く、善玉官僚に異動の話を持ちかける内調ボス。もともといた外務省に戻してやるが、今知っている情報は全部忘れろ等と話した後に、「この国の民主主義は、形だけでいいんだ(キリッ」場面転換後に国会議事堂のカットがバーン!実にわかりやすい演出です。 #新聞記者

2019-07-07 00:42:57
徳本 @tokumoto0

以上、内調ボスの不用意かつガバガバな行動の数々でした。「本作は松坂桃李の汚点になるのでは?」とのツイを散見しますが、私はボス役の田中哲司の方が心配です。まともな俳優だと思いますが脚本と演出のせいで悪役というより悪い馬鹿な人の役です。イソ子バブル崩壊後の彼の評価が心配です #新聞記者

2019-07-07 00:44:01
徳本 @tokumoto0

他にも伊藤詩織や前川喜平を模した登場人物の描き方や、映画製作サイドに刺さるブーメラン事案など書きたいことがたくさんあるので、少しずつ引き続きツイートしていきます。

2019-07-07 00:48:37
徳本 @tokumoto0

前川喜平を模したという登場人物(元文科省官僚・白岩)の描写を列記します。 ・冒頭、記者同士のモロ説明な台詞で、白岩は大臣の息子を不正入学させたのがばれて辞めたけど、それは官邸からの指示だったなどと語られる。現実の前川は自らの利益のために違法な天下り斡旋をした事がばれての辞職ですが。

2019-07-12 00:03:30
徳本 @tokumoto0

・元官僚は野党女性議員との不倫疑惑を報じられる。全国各紙が全く同じ段組で報じた事に記者は驚く。内調からのリークだ、上からの指示に違いないと語った後に「新聞がこんな記事を載せるのはおかしい!」と絶叫。現実の前川は売春斡旋バー通いなので新聞が載せない方がおかしい事案でしたが #新聞記者

2019-07-12 00:06:24
徳本 @tokumoto0

それにしても滑稽なのは、貧困調査のため出会い系バーに通っていたのにスキャンダラスに報じられたという前川の作ったストーリーは、この映画の製作陣でさえそのままでは使えなかった点です。 #新聞記者

2019-07-12 00:07:28
徳本 @tokumoto0

・元官僚は主人公に、新設医療系大学(加計学園事案を模したもの)の認可を断った理由を語る。目的がわからない、文科省としてやる理由がないと苦々しく語る。なお、元官僚を演じる俳優はわりと前川に近い風貌。当たり前ですが前川特有のニヤニヤは再現していないため実直な人物に見えます。 #新聞記者

2019-07-12 00:08:51
徳本 @tokumoto0

伊藤詩織を模した人物の描写などは追って書きます。こちらも映画製作陣はやりたい放題です。

2019-07-12 00:11:44
徳本 @tokumoto0

伊藤詩織を模した人物"後藤さゆり"の描写を列記します。 ・冒頭の元文科省官僚スキャンダルが記者のモロ説明台詞で説明された後に「総理ベッタリ記者辻川和正のレイプ事件逮捕見送り!官邸がもみ消し画策!」とかいう週刊誌の見出しを記者が読み上げる。 #新聞記者

2019-07-19 00:13:54
徳本 @tokumoto0

・観客に語りかけるような口調で「今度はレイプ事件のもみ消しかよー!」「来るなー次から次へと!」などと記者が叫ぶ。次から次へなのは君たちのモロ説明台詞だろうと内心突っ込む。この後も「まさかまた官邸の圧力?」「そのまさかだよ(ドヤ顔」というベタベタな芝居がありました。 #新聞記者

2019-07-19 00:15:29
徳本 @tokumoto0

・辻川は総理御用達で有名なライターだと説明する記者に「お友達ってことかー!」と別の記者が叫ぶ。「お友達」は本作のキーワードの一つで何度も出てきます。加計学園を模した事案の説明台詞の他、主人公が街頭で取材するシーンで「お友達内閣は退陣するべき」みたいな台詞がありました。 #新聞記者

2019-07-19 00:16:46
徳本 @tokumoto0

・"後藤さゆり"が記者会見。女優はかなり伊藤に似ています。捜査の担当だった刑事から、上の指示で外されたとか力になれずすいませんと言われた等、伊藤の主張と似た内容を語る"後藤"。しかし映画は主張から容姿まで伊藤を念入りにコピーする一方、伊藤の重要な主張をスルーしています。(続 #新聞記者

2019-07-19 00:17:53
徳本 @tokumoto0

伊藤は以下インタビューで、警察に相手が政権側と近しい等と言われたとしつつも捜査への影響は論点ではないと語る。そして重要な事を言っている。警察に「(相手が)TBSだから難しい」と言われたが、TBSを辞めたという話が入った途端(逮捕へ)いけるかもとなったと。 #新聞記者https://t.co/tJpKy8mqQy

2019-07-19 00:23:25
徳本 @tokumoto0

プロデューサーや原案者の望月衣塑子はじめこの映画の製作陣は伊藤詩織事案の告発に熱心で、本編にまで模した事案を組み込む一方で、こういうマスコミに都合の悪い点は伊藤が言っていても一切無視する。まさしく同業者TBSが「お友達だから」ですね。 #新聞記者

2019-07-19 00:25:17
徳本 @tokumoto0

・善玉官僚の妻がテレビで"後藤さゆり"のニュースを見て、このニュース最悪だと思わないかとか、レイプされたのに捕まらないなんて絶対におかしいと憤るシーンもありました。相変わらず主張は全部登場人物に台詞で説明させます。 #新聞記者

2019-07-19 00:26:46
徳本 @tokumoto0

・主人公は"後藤さゆり"の会見記事を書くがベタ記事にされる。顔まで出して会見してるのに!と激怒。なおこの映画、実名で主張=偉い、匿名で叩く=卑怯(内調クソリプ部隊)みたいな流れがあるけど、何度も出てくる前川喜平は過去に匿名アカウントで他人を罵倒してます↓#新聞記者https://t.co/kb9IOFr8jO

2019-07-19 00:31:14
徳本 @tokumoto0

・怒りがおさまらない主人公はツイッターで"後藤さゆり"を援護射撃。長文ツイートでセカンドレイプは許さない等の演説を展開するのですが、それを居酒屋で飲みながら主人公のツイッターをスマホでチェックしていた同僚記者が読み上げます。(続 #新聞記者

2019-07-19 00:33:06
徳本 @tokumoto0

映画の中でもめんどくさい部下扱いの人のツイッターを読みながら飲むのは楽しくないと思うのですが、説明のためには仕方ありませんね。この後の三文芝居もたいがいなのですがそれはまた後日。 #新聞記者

2019-07-19 00:34:08