田坂広志氏、参与としての思いをつぶやく

内閣官房参与に就任して4ヶ月。参与としての思いと考えを連続ツイートされたもののまとめ。
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田坂広志 @hiroshitasaka

(1)3月29日に内閣官房参与に就任してから、約4か月が経ちます。これまで、メッセージの発信を控えてきましたが、そろそろ、この仕事に取り組んできた私の思いと考えを、連続ツイートで語っていきたいと思います。皆さんのご意見やご感想を伺えれば幸いです。

2011-07-24 10:14:38
田坂広志 @hiroshitasaka

(2)3月11日の福島原発事故を見て、何かをしなければならないとの強い思いに駆られました。それは、20年前に離れたとはいえ、かつて原子力産業に関わった一人の人間として、責任を感じたからでもあります。それが、内閣官房参与を引き受けた理由です。

2011-07-24 10:17:04
田坂広志 @hiroshitasaka

(3)参与として福島事故対策に取り組む決意をした、もう一つの理由は、私の博士論文のテーマが「核燃料サイクルの環境安全研究」であり、過去の原子力事故を研究し、放射性廃棄物の環境影響を研究してきたからです。そして、それは、福島原発事故の問題そのものだったからです。

2011-07-24 10:19:16
田坂広志 @hiroshitasaka

(4)20年前に原子力産業を離れるとき、優秀な後輩諸氏が、安全な原子力発電を進めてくれると期待していました。ただ一つだけ、原子力の将来への懸念がありました。それは、過去の原子力事故の大半は、技術的要因ではなく、人的、組織的、制度的要因によって起きていたことでした。

2011-07-24 10:24:21
田坂広志 @hiroshitasaka

(5)これから事故調査委員会によって、福島事故の原因究明が進むと思いますが、その中で、必ず問題となるのは、技術的要因だけでなく、人的、組織的、制度的要因です。その結果、必ず、過去の原子力行政の在り方全体が、大きな問題として取り上げられることになるでしょう。

2011-07-24 10:27:13
田坂広志 @hiroshitasaka

(6)特に、推進の立場の経産省の中に、規制の立場の原子力安全・保安院が置かれているという問題は、常に、「経済合理性のために、安全基準や審査に手加減が無かったか」との疑問を持たれるものであり、3・11以降、その疑問が国民から突き付けられていると思います。

2011-07-24 10:30:00
田坂広志 @hiroshitasaka

(7)国民が、原子力行政の在り方に疑問を持つということは、原子力産業にとっては、致命的な問題です。なぜなら、どれほど「安全」を説明し、「安心」して下さいと語っても、そう語る主体が国民から「信頼」されていなければ、安全と安心の議論は、全く意味を失うからです。

2011-07-24 10:31:33
田坂広志 @hiroshitasaka

(8)これから原子力発電をどうするのか。その国民的議論を進めていくためには、まず何よりも、原子力行政そのものが、国民からの「信頼」を回復することが不可欠です。そのための第一歩は、独立した規制組織を設立すること、世界的に認められた安全評価の手法を用いることでしょう。

2011-07-24 10:34:12
田坂広志 @hiroshitasaka

(9)「原発に依存しない社会」をめざすというビジョンは、実は、目の前にある「現実」でもあります。もし、これから新増設ができなければ、原発は2050年頃には、自然に無くなっていくからです。それは、いわば「原発に依存できない社会」が到来することを意味しているのです。

2011-07-25 00:00:10
田坂広志 @hiroshitasaka

(10)原発の寿命を40年と考えるならば、2050年頃には、「原発に依存できない社会」が到来します。その「現実」を考えるならば、やはり、政府は、自然エネルギーの開発・普及の政策を、この時期に、強力に推し進める必要があります。

2011-07-25 00:06:19