死ぬのがこわくなくなる話 第45話

Twitter上で連載中の渡辺浩弐さんの長編小説をまとめました。
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渡辺浩弐 @kozysan

『しぬこわ』。SHINEの会員に見えている世界について。死がこわくなくなった世界、そこでは、いつ、なぜ死ぬのか、その理由づけがむしろ難しくなると思う。

2011-09-29 00:29:25
渡辺浩弐 @kozysan

人生のピークを過ぎたと思ったら気軽に死んでもいいと考えるべきだろう。人生がマイナスになりそうだったら、つらい目にあいそうだったら、急いで死ぬわけだ。そして自分にとって不利な時代には眠っている。そして必要な時に目覚め活性化する。

2011-09-29 00:29:53
渡辺浩弐 @kozysan

つまり、死はそこから逃げるものではなくなる。待ち構えて、捕まえるものになるのだ。中野のビル屋上で、環七地下のトンネルで、嬉々として死のうとする人間の姿を僕は目の当たりにした。

2011-09-29 00:30:19
渡辺浩弐 @kozysan

さて、あれらの事件が高度に芝居がかった、演出されたものであったことにも、意味がある。自分の価値を後世に伝えるためには、死に方は、結構大事になるのだ。

2011-09-29 00:30:33
渡辺浩弐 @kozysan

新しい死に方、新しい生き方。あるいはセックスに代わる新しい生殖の形態。

2011-09-29 00:30:46
渡辺浩弐 @kozysan

SHINEの、高度に完成されたシステムによって、別の価値観を獲得した人々。

2011-09-29 00:31:32
渡辺浩弐 @kozysan

死ぬのがこわくなくなった人々が、死ぬチャンスをうかがう人々が、今、社会に大勢紛れ込んでいるということ。

2011-09-29 00:31:45
渡辺浩弐 @kozysan

SHINEは、豊富な資金と、高度な技術力をもって、そんな人々の活動をサポートしている。その全貌はまだよく見えていない。  明日に続きます。

2011-09-29 00:32:18