瀬名秀明講演「科学と人間の未来、そして物語の力」(平成23年10月15日)
- kokada_jnet
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聴衆250~300人くらいですかね。学生より年配の方が多くて、八割年配の方ですね……。うーん、ちょっと残念。若い人にもっと来てほしい。
2011-10-15 14:00:42小松左京が阪神神戸大震災の後延々震災のルポルタージュを書いていて鬱病になった話から日本SFの始まりの話へ。『日本SF精神史』という本があり、日本のSFは日本精神とともにあったという文脈。
2011-10-15 14:16:11余談。瀬名さんが東北大学一年生のとき光瀬龍が講演に来て、すげーと思って勇んで行ったら聴衆が十人しかいなくて、出てきた光瀬さんが「さすが東北大学、照明が明るすぎて客席が見えません」という話。客席和むw
2011-10-15 14:19:50大学で初めて図書館の何たるかを知ったという話。本が文献の集積だということを初めて知った。そこに行けば自分を待ってくれてる知の集積がある。自分は小説だけ読んでいても、科学者だけしてても今のような作家にはならなかったろう。
2011-10-15 14:24:22『パラサイト・イブ』を書いたとき院生だったが、研究の文献を探すふりをして小説の文献を医学部分館で探していた。文献一覧は評論家には評判が悪いが、文献一覧を作るのは楽しい。あれは全部医学部分館にある本。
2011-10-15 14:28:17これからは大学図書館を利用して小説を書く作家はもっと出てくるはず。東北大はいま理学部から円城塔や松坂~(後で調べます。『あがり』という本が出たそう)など立て続けに出たが、東北大にはそういうことに寛容な伝統がある(観客笑い)
2011-10-15 14:32:07井上ひさしの文章教室の話(読書感想文はプロの評論家でも難しいものだから子どもには書かせるな)から小説を難しく感じる四つの理由について。悪文やジャーゴン、異文化などあるが、最も難しいのは感情移入できないときに難しく感じるのではないか。
2011-10-15 14:36:15感情移入におけるシンパシーとエンパシーの違いについて。相手と同じ立場に身を置いて共感する受動的なシンパシー、自分とは異なる相手の感情を遜託して推し測る能動的なエンパシー。そしてさらに能動的に関わるコンパッション。
2011-10-15 14:39:53シンパシーとエンパシーの話。最近の小説は丁寧に書かれすぎて、エンパシーの力を養うことができない。両方の能力を使って自分の心をうまくコントロールすべきである。
2011-10-15 14:41:56人はそれらを使い分けていて、震災後被災者にあまりにシンパシーで向き合うと疲れてしまうからエンパシーにしておくとか。震災後医師たちはエンパシーを使っていて、被災者の方に声をかけるけれども、夜は飲み会でリフレッシュしたりと使い分けている。
2011-10-15 14:43:24今の小説は登場人物の感情をすべてわかりやすく書くものが多くてシンパシーに訴えるが、それではエンパシーは育たないのではないか。
2011-10-15 14:45:01新しく出た講談社新訳文庫が読みやすいらしいです。今までは読みにくかったけれど、もともと『種の起源』は一般向けに書かれているとのこと。
2011-10-15 14:49:11『種の起源』についての話で終了。ダーウィンも本の最後で若者に向けた熱い思いを語りかけているらしいけれど、瀬名さんからも熱い言葉が。これは再現できそうにないので、実況はこれで。
2011-10-15 15:04:59