高校演劇山梨県大会2011の審査員をつとめた西田シャトナー氏が、既成戯曲と新作戯曲について語る。

高校演劇山梨県大会2011の審査員をつとめた西田シャトナー氏が、既成戯曲と生徒および顧問創作の新作戯曲について語る。「暗闇を進む者と、他人の光を見て進む者には、それぞれの戦いと誇りがある」。甲府南高校「カガクのクニ」、甲府第一高校「わが星」、塩山高校「お葬式」に言及。
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西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

甲府駅の駅員さんは、大変ジェントルで、いい感じだった。

2011-11-19 23:42:06
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

もちろんだけど、審査にも、自分が芝居作るのと同じくらい魂入れて臨む。

2011-11-20 08:30:39
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

山梨県高校演劇大会の審査終わった。良い作品を選べたと思う。

2011-11-20 19:51:05
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

僕も、日頃から、観客からの審査の中を生きてる。高校演劇大会とはまた違うけどね。どちらも、厳しさ温かさがあるね。

2011-11-20 22:02:59
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

高校演劇の審査員やると、アドバイスじみたことを、彼らに伝えたくなる。でもそれは間違いなのだ。本当は、僕側が問われてる。彼らから、どれだけ豊かな美しいことを受け取るか。一般観客なら見逃がすかもしれない、未来の可能性を見逃さない力が問われる。

2011-11-20 22:36:46
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

既成台本とか、先人の演出をそのまま真似て芝居をする時の利点はある。完成しさえすれば、必ず素晴らしい成果が得られるという確信が得られるため、迷いなく全力で演じ、訓練に励むことができるのだ。そのため、能力を100%活かした地点に到達できる。

2011-11-21 13:58:27
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)そのため、真似る者は、場合によってはその師匠や先人の行けなかった場所へと到達する可能性もあるのだ。日本の芸術は、そのようにして発展することも多いと思う。伝統を受け継いで技を磨くことが、オリジナル至高主義をしのぐケースもあるのだ。

2011-11-21 14:01:02
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)一方、ゼロから創作する者は、「はたしてこれが完成するのか?」「完成しても、傑作になるのか?」「自分では気に入っても、他人に受け入れられるのか?」「そもそも自分でも気にいるだろうか?」など、暗闇の中を進まねばならない。

2011-11-21 14:02:28
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)この暗闇を進む不安と恐怖は、圧倒的である。暗闇を「進む」だけでも勇気がいるのだ。腰が引けたまま進まねばならないこともある。見当違いの場所へ出ることもある。先人や師を真似て、確信をもって光に進む者にくらべ、力の込め方には迷いもでる。

2011-11-21 14:04:27
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)そこをなお進み、ついに、作品を舞台に上げるのである。たとえ出来上がりが迷いに満ち、弱々しい声と力に彩られていても、それでも、暗闇を後退することなく進んだ勇者である。

2011-11-21 14:07:18
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)今は弱々しくとも、誰かがいずれそれを受け継ぎ、確信に満ちた伝承と研鑽とバージョンアップを重ね、やがては力強い花を咲かせる種になる可能性がある。

2011-11-21 14:10:56
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)まあつまり、高校演劇の話をとりあえずはしているわけだけども。力と自信と鍛錬に満ち溢れた模倣作品と、弱々しいオリジナル作品。それらは、それぞれに、花と種の関係にある。花は種よりくだらなくはない。種も花よりくだらなくはない

2011-11-21 14:13:16
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)花と種を、おおざっぱに「どっちが面白いか」とかで比較せぬよう、しっかりと審査員は、魂を作動させねばならない。

2011-11-21 14:14:51
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)昨日見た芝居はね、凄かったよ。無理やりたとえるなら、100点満点で150点の花と、100点満点で152点の種の戦いだった。山梨で見た、「わが星」と「カガクのクニ」の話さ。

2011-11-21 14:17:47
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

ちなみに僕は、「種」を作ることの方が好きなんだけれども。時には「花」に取り組むこともあるよ。どっちも、やりがいのある仕事だね。

2011-11-21 14:21:06
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

てなことを考えながら2003年に作った芝居が、「仮面劇 フルーツ」なのだ。

2011-11-21 14:22:09
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

でもま、あくまでたとえ話だけどね。作品とはいえない花もあるし、作品とは言えない種もあるし。オリジナルだけど完全に花まで行ってる作品もあるし。

2011-11-21 14:40:25
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

暗闇を進む者と、他人の光を見て進む者には、それぞれの戦いと誇りがあるということさ。

2011-11-21 14:42:10
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

山梨高校演劇の話をもうひとつ。「カガクのクニ」、「わが星」ともう一本、どうしても選びたかったのが、塩山高校「お葬式」である。既成台本、3人の生徒によるでずっぱり3人芝居。

2011-11-22 11:12:27
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)技巧や体力に長けているわけではない3人の出演者が、誠実に手を抜かずまっすぐに取り組み、演じ方を工夫し、背伸びをせずに演じることを楽しむ。そこに出現する至福の演劇。彼女らを取り巻く愛が見える。僕は、自分もこうでありたいと思った。

2011-11-22 11:16:18
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)彼女らが、彼女ら自身という素材を、100%使い切った芝居。彼女らを肯定する顧問の先生の愛が伝わる(いや、想像だけどね)。こういう芝居の場合、作品がもっと破綻することも多いが、しかしこれがまた、うまくまとまってもいるのである。

2011-11-22 11:23:48
西田シャトナー伯【ジャイ!マヒシュマティ!】 @Nshatner

(続き)大きなホールで上演するには、困難がともなうだろうが…しかし彼女ら(とその周囲の人々)のようなタイプの表現者にも、修行者と並んで栄誉が与えられる、そんな高校演劇大会であってほしい、我々3人の審査員は願った。

2011-11-22 11:26:07