エアカウンターSをいろいろ調べてみた

感度

線量計には感度があって、cpm/(μSv/h)という単位で表される。つまり1μSv/hの所で1分間に何本放射線を捉えられるか。

エアカウンターSは廉価だけあって感度はかなり低めだと思われるのだけど、どれくらいか調べてみたのが下のツイート。

ちなみに放射性物質はバカなので記憶を持っていない。自分がどの位長く放射性物質をやっているか奴らは知らない。だから放射性物質から放射線が出てくるタイミングはまったくランダム。しかつめらしくポアソン過程と言っても同じこと。

30秒なら30秒、ポアソン過程のものを繰り返しながめていると、出てくる放射線の数はポアソン分布なんつーものにしたがう。このポアソン分布だと放射線の数の平均と分散（値ひく平均を２乗したものの平均）が一致するという性質がある。そこから感度が調べられるさ。

　　感度 = 指示値の平均 / (指示値の分散×測定時間)

30 秒の測定だと値が飛び飛びなのだけど、それが放射線 1 本分の違いとしてそこから推測しても 40 cpm/(μSv/h) ほどとなる。

んで、大体、捉えた放射線の数で一回一回の誤差が決まる。

感度が低ければ誤差が大きい。単純に放射線の数を数え、時間あたりの平均を取るなら、これは単に捉えた放射線の本数 n で決まって、標準偏差は放射線の本数の平方根に反比例 1/√n する。例えば、100 本なら 1/√100 = 1/10 = 10%。

（ここで言う誤差は、放射線がランダムに出てくるため、あるときには多かったり、別のときには少なかったりすることによる誤差。たとえ十分に放射線を捉えていて、この意味での誤差が小さくても、μSv/h単位での値には依然±20%の誤差があるのだと仕様書はしている）

1 μSv/h なら 1 分測定してガンマ線が平均 40 本捉えられる。よって平均 100 本にするには 2.5 分。0.1 μSv/h のような低いところだと 1 分あたり平均 4 本なので、25 分測定する必要がある。でもそんなに長く測定して平均してくれるの？

値の平均方法

そういうわけで、精度よく調べたければ長く測定して捉える放射線の数を増やせばいいのだけれど、そもそもエアカウンターSが長い測定で捉えた数の平均をきっちり出してくれなければ意味がない。

でも、そんな平均を出していては値の変化に対応できないから、たぶんそんなことはしていない。どのくらい「していない」かを調べたのが、その次のツイートさ。

そういうわけで、0.1 μSv/h のような低いところで測定ごとのバラツキを 1 割程度に抑えたければ、2～3 分の測定を 10 回ほどやって平均を取るのがよさそう。

分解されてる方がいたよ