ライスのアニメ感想:#156 戦姫絶唱シンフォギア(12)
- terry_rice88
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戦姫絶唱シンフォギアep.12「シンフォギア」ラス前回。真・クライマックスに向けての溜め込み回といった感じかな。どストレートに熱さを感じるヒキだったんじゃないんでしょうか。ここに来てフィーネのキャラ立てをしてしまうのには舌を巻いたというか、悪役を考えるうえで興味深くもあったなと。
2012-03-24 23:44:52フィーネってネフシュタンの鎧を身にまとって、世界に再び統一言語を取り戻す為、バラルの呪いの根源である月を破壊し、創造主へ思いを告げることが目的だけど、何のことはない、一個の恋する乙女である開示は面白くあるなあ。結局の所、一人の人間がエゴのために今までの理、呪いを壊そうとしている。
2012-03-24 23:51:29このフィーネのエゴイズムって、00年代のアニメや漫画でさんざネタにされてきた「独善」、「ピカレスク」だったりするわけだから、彼女のエゴにも一分の理が少なくともありそうだけど、それって、今の社会常識的に許されるものではないよねという結にいたって来るんだと思います。
2012-03-24 23:56:25ピカレスク劇的には最後、悪たる主人公は社会や正義にその性質を正されたり、粛清されたりするわけですが、フィーネもそういったエゴによって「悪」にならざるを得なかった存在だったんじゃないかと言えるのかなあと。本人は多分、そうする事に悪びれてはいないからこそタチが悪いんでしょうけども。
2012-03-24 23:59:44フィーネの場合、目的が純粋というか高潔すぎるが故に、それ以外を排除してしまう傾向にあって、結局それが自己実現を達成するための目的でしかないから、はた迷惑もいいところなんでしょうね。正直な所、自分がそうしたいが為に発生する不都合は完全排除してるわけ。それを行う事で困る人がいるのに。
2012-03-25 00:03:12そしてその困る人たちってのは響はもちろん、それ以外の世界に暮らす全人類なワケですよ。つまりは「たった一人の、神に近づき思いを遂げると言う、極めて純粋かつ高潔な目的(エゴ)の為に世界を犠牲に出来るか?」という問題が発生してるわけですね、今回の展開で。そんなもん、既に答えが出ている。
2012-03-25 00:07:04ニーチェの「ツァトゥストラはかく語りき」の「神は死んだ」という非常に有名な一文があります。これを一概に当てはめるのはいかがなものかとは思いますが、まさしくこれなんだろうと。つまりは既にこの世は神の手を離れ、「人の世」であるんですよね。いくらバラルの呪いがかけれられてようともです。
2012-03-25 00:12:56フィーネのやっている事はです、「全人類を滅びてしまっても、自分は神との対話をして世界を神の元へと返す事」なんですよね。人の多様化とかそういうのを一切排除で、あくまで神との対話をしたいという彼女のエゴでしかない。純粋すぎる思いは時として毒であり悪である。
2012-03-25 00:17:22だから純粋であるが故にフィーネは悪であるんですよね。そもそも了子の意識を奪い取って巣食った、彷徨う亡霊のような思念体だったわけで、そういった点に置いても人間離れをしているんじゃないかなあと。しかしその実、神に思いを寄せる修道女な趣もあるから、切って捨てられなくもあるわけですね。
2012-03-25 00:20:50スティーヴンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」においても悪という問題点に焦点が置かれているんですけども、人間は悪と部分を切り離す事が出来ず、感情に善と悪が混在しているから人間であると言う帰結に至っています。フィーネ(了子)はフィーネという悪の感情に囚われている。
2012-03-25 00:25:04悪に囚われているからこそ、おそらくは善である了子の意識がフィーネの中で甦ってくるんじゃないかなあと期待しています。その善悪の混沌こそが人間であるわけですから、実はかき消されたはずの了子の意識が何かしらフィーネに働きかけて競うかなあとも。
2012-03-25 00:28:41とまあ、ここまでフィーネについて云々かんぬん呟いてきたわけですが、この作品における悪役って、実は女性の複雑な感情によって発生したものでそれが世界に影響を及ぼすものへ発展したというのが一番興味深い所なんですよね。個人の感情と世界危機がぺったりくっついている。
2012-03-25 00:33:07ドラスティックに女性の恋が世界を破滅へと導くと言うスケールの狭さと規模の大きさがない交ぜになってるんですが、それを打破しようとするのが「平和な日常を愛し、守る人間」なのが作品を非常に面白くさせているんじゃなかろうかと。つまりは響だったり、翼だったり、クリスだったり。
2012-03-25 00:37:33響以外は翼もクリスも「非日常を日常に生きる人間」だったわけなのですが、響や弦十郎などに触れ合う事で彼女達なりの「日常へ回帰」してるんですよね。同時に「日常での夢」も取り戻している。その日常が愛おしいからこそ「非日常」を戦う覚悟が完成しているんだと。
2012-03-25 00:40:21で、その響はそんな彼女達の日常も包括して、「みんな」の日常を守りたいから戦うという存在なんだと思われます。今回、クリスがやられていく様を見て一人暴走してしまいますが、翼は彼女を止めようとしてましたし、彼女もまたカディンギルを破壊して、ヤラレてしまう。
2012-03-25 00:43:17そこで「守るべき者」を失ってしまった響は消沈してしまうけど、それ以外にも彼女の「守るべき者、日常」が存在する証として、一話の幼女が出てくるし、未来やその他の友人が奮起する。そしてここにいるよと、リディアン校歌が聞こえた時、響きの力は限界突破する。
2012-03-25 00:46:48うん、やっぱり響にとっては日常がアームドギアであり力の根源なんじゃないかなあ。理不尽を日常でくるみこむ力こそが、人の力であると。アニメ的に言えばセカイ系を日常系で駆逐するという風なことがシンフォギアと言う作品な異で発生している闘いのような気がしてきました。
2012-03-25 00:49:59と言う風な所で、響に力がみなぎり、翼やクリスといった「日常回帰」したキャラを復活させ立ち向かう構図にはやはり熱いものを感じますねえ。てか、今回ここで終わりなのが辛い。フィーネ(了子)を日常へ回帰させることが出来るのかどうか。物凄く楽しみですね。
2012-03-25 00:53:27とりあえずアツい勢いのまま、最終回に突入なのは期待が高まる所。次回が楽しみです。といった感じで今回は以上。どうもありがとうございました。歪んでいるようでどストレートなのが心地いいです。ではまた次回。
2012-03-25 00:55:20