- kit_agawaPC
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死に物狂いで半年準備して、4ステージで撤収って説明したら、「なぜ?なぜそんな無駄を?なぜ繰り返し上演させないの?どっかおかしんじゃない?プラハに持って来なさいよ」って言われた。いっしょけんめい説明してみたけど‥これについては、忙しすぎて自分でも考えるの忘れてた(>_<)
2012-03-31 04:31:20いろんな要因があるけれど、まずは自分の作っている芝居が、連続上演して何千人も集客できるような商品になっているかどうか、というところから考えはじめなければならない、と思う。
2012-03-31 14:13:30ヨーロッパの友人が一番驚いていたのが、600人とか700人という大人数を、どうやってたった二日間だけに集中して呼べるのか、ということ。スポット・アドヴァタイズメント。これについては日本は本当にすごい。
2012-03-31 14:15:49ヨーロッパでは中型以上の芝居であれば、いったん組み上げた舞台で、一ヶ月とか二ヶ月上演して、制作費を回収するのが普通。小型の劇団であれば、移動可能な道具を設計して、最低200回以上の巡演を想定するだろう。
2012-03-31 14:18:12回数を重ねることで、芝居は格段に良くなるし、何より、それぐらい打たないとプロとしてやっていけない。だから、まずは日本には公演だけで食べているプロがそんなにいないんだ、と説明すると、ヨーロッパの友人は唖然とするのだ。あの文化大国で!?と。
2012-03-31 14:20:49劇場にはプロデューサ、アンサンブル劇団、工房があり、年間300ステージ以上の公演が組まれていて、スタッフも役者がそれで食べている、という公立人形劇場のシステムは、日本ではおそらく実現しないだろう。それはなぜか?
2012-03-31 14:24:04答えは山ほどある。よく勘違いされるが、ヨーロッパが日本より上位、という考え方はぼくにない。まず、舞台(ライヴ)という文化が今の日本に本当に必要なものなのかどうか?または必要としてもらうためには何を作ってどう売るのか?といつも考える。そのときに、ヨーロッパとのちがいがよく見える。
2012-03-31 14:30:02TL占拠、申し訳ない。話を出だしに戻す。ヨーロッパの講座で、日本で演出させていただいた舞台写真や仕込みの様子を見せると。その豪華さ、スタッフや機材の豊富さに、驚愕する。すごい、さすが日本だ、と。
2012-03-31 14:55:01そしてそれが二日間で終わるのだ、と説明すると、もっと驚く。なぜだ?もったいない?それで食べて行けるのか?と。プロとして成立するためには連続上演が不可欠だが、そのための設備使用量、人件費、集客のための広報費、それらは莫大な数字になる、と説明する。
2012-03-31 14:57:29彼らはちょっと混乱する。国や行政はこんな立派な施設を用意して、年間運営費の何割を拠出しているのか?と。さらに訊ねる。演出家や俳優を養成する大学はいくつあるのか?と。これらは必ず聞かれる質問だ。
2012-03-31 15:00:17いつもそこらあたりで、さて、と考えこむ。どこから説明すればよいのか、と。ぼくだって日本の文化政策に詳しいわけじゃない。でも、このあたりに突破のヒントがあるはずなんだ、と。
2012-03-31 15:02:33演劇の起源は祭事だ。しかしヨーロッパの演劇人は祭りの先に何があるのか、長い年月をかけて考えたのだと思う。盆踊りは楽しい。そして時代が変わっても変わらない盆踊りと、見る影もないほどに形態を進化させた盆踊りの両方があって良いのではないか、と。進化のためには教育と予算が必要なのだ、と。
2012-03-31 15:10:34たとえばチェコで日常的に眼にする光景‥毎日2ステージ、公立人形劇場がガキンチョで満員になるとか、超低額で子どもたちが国立劇場のバレエを習って、オペラ座にちょい役で使われるとか、通常の小学校教育といっしょに、芸術小学校があってみんなそこで楽器が弾けるようになっちゃうとか‥
2012-03-31 22:31:57キーは「子どもの教育」なんだろう、ってこと。日本ほど舞台や芸術の教育にお金がかからない。むしろ、国や行政がそのことに熱心だ、ということ。これは国境を接してずっとある一定の緊張感を持って存続してきた国々、ヨーロッパの歴史と関連していると思う。
2012-03-31 22:35:36自国の文化、独自性、民族としての特性を持続し、発展させなければ、近隣の大国にあっという間に侵略され、吸収され、独立国でなくなってしまう、という事情があったと思うのだ。「文化」が大陸の中で相手に示すことができるIDカードだったのだろう。
2012-03-31 22:38:08世界の国境線は、今もより小さく、細かく震え続けているけれど、チェコという北海道ほどの面積もないような小さな「国」が今、存在しているのは、他のどの国とも違う「チェコ人独特の気質、文化」があるからだと思う。
2012-03-31 22:40:49振り返って、日本人は、他国に文化的に吸収されてしまう、国がなくなってしまう、というようなIDの危機的状況が歴史上、何回あっただろう?島国のせいもあるが、それはきわめて少ないと思う。「文化」にお金を使わなくても、国は困らない、なくなりはしない、とみんなどこかで思ってはいないか?
2012-03-31 22:43:54だから、芸術や文化というコトバがぼくに想起させるのはノンビリした豊かさ、というよりは切羽詰った対決、というイメージです。話を戻します。
2012-03-31 22:59:05チェコで見られるような、「劇場を取り巻く景色」が日本でも見られたら本当に良いのになぁ、とは思うのですが、たぶんそうはならない。日本では日本独自のライヴのシステム、文化のあり方を次の時代に向けて見つけるしかないだろうな、と。形を追いかけてもダメだ、と思う。
2012-03-31 23:03:34よくインタヴュで「なぜ人形劇が好きなのですか?いつから好きなのですか?」と訊かれる。知るかい、んなもん、ずっとじゃい、と答えてきたが、最近、ん、待てよ、と考える。自分は人形劇のどこが好きなんだろう?それはどうしても「人形劇」じゃなきゃだめなんだろうか?
2012-03-31 23:07:19ひょっとして舞台じゃなくても良いのかな?人形じゃなくても?‥ここが好きなんだ、という核みたいなものが見つかれば、今まで誰かが作って敷いてきた「人形劇」というレールからはみ出してかまわないんだ、と。
2012-03-31 23:09:42また脱線しました。日本のことをいつも考えてしまいます。文化や芸術が国の顔づくりとして認められていなくても、そのことを愚痴るより、さまざまな表現方法で自分を活かす、自分はこうなんですよ、と発言することを試したい、と。それと若い人たちに言いたい。
2012-03-31 23:15:13聞きたくないだろうけど(^-^)‥今まで自分が生まれ育ち、当然のように使ってきた日本語という道具が、まったく通じない別の国に行って、見たことも聞いたこともない文化に触れたら良い。これからはその経験が必要になる。と、思う。
2012-03-31 23:18:51