佐々木隆治氏(マルクス研究者)がマルクスの語法について語る

若手のマルクス研究者、佐々木隆治氏がマルクスの語法についてまとめています。
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marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ まえにも言いましたが、マルクスは述語として明確にSacheやDingを定義しているわけではありませんから、一般的な用法と併せて用いています。これはVersachlichungやVerdinglichungについても言えることです。

2012-04-11 14:44:15
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ  ただ、明確に言えるのはマルクスがSacheとDingの使い分けをするのは、原則的にはつぎのような文脈においてです。SacheはPersonとの対比、対立において使用し、DingはEigenschaftとの対比において使用していると言うことです。

2012-04-11 14:47:13
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ  ただ前者のケースについては物神崇拝に関わる場合や、なにか形容詞が付けられている場合はDingをもちいることはあります。もちろん、以上は基本的にはそう言えるということであって例外はあると思います。

2012-04-11 14:48:32
marx kenkyu @marukenkyu

まあ、Versachlichungというは数回しか使っていないから、物象化という言葉は、むしろマルクスの経済学批判の一契機を端的に理論的に示すときに有用であり、それを自覚しないままでにその言葉をふりまわすとそれこそ「哲学」的な見方に陥ってしまうことになる。

2012-04-11 14:52:16
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ そうですね、ですからそれはGAKUさんもおっしゃっているように日常的な用法があるからだと思います。マルクスが述語として常に意識していればこういうことはないでしょうが、つねに述語として用いてたわけではないという事情によるのではないでしょうか。

2012-04-11 17:30:04
marx kenkyu @marukenkyu

語法を丹念に調べるというの研究の基本で極めて重要。だが、これは価値形態論研究においてしばしばみられるのだが、語法だけにしばられて意味を見失っていることがある。語法の理解は内容の理解と結びつけられていなければならない。

2012-04-11 17:34:18
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ GAKUさんのような疑問が出てくるのはもっともなので、この論点については語法をきちんと調べ抜いてまとめておく必要があるでしょうね。まあ、これを大谷先生のような精度であるやるのは大変でしょうが。平子先生が、SacheとDingの用法を丹念に検討したそうです。

2012-04-11 17:37:56
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ そうですね。ドイツでは物象化という言い方はあまり重視されないようです。私は、物象と物とを区別することには意義があると思いますが、そのような区別を使わずとも物象化の内実を示すことができなければならないと考えております。その上で物象と物を区別することには意義がある。

2012-04-11 18:02:26
marx kenkyu @marukenkyu

言葉を概念を明らかにするものでなければならず、概念のないところに言葉がやってくるというのでは駄目である。

2012-04-11 18:03:37
marx kenkyu @marukenkyu

@GAKU_IZ よく言われることですが、personとsacheの対立はカントやヘーゲルにおいても言われます。sacheとくに術語として読む場合このことが念頭におかれているのだと思います。

2012-04-11 18:36:33