福山哲郎著「原発危機　官邸からの証言」

コアジサシ @mtx8mg

⑧ "しかし一方で、１０ミリシーベルトにすれば、１０という数字がひとり歩きして「では飯舘村、川俣町は２０でいいのか」という議論が起こっただろう。あるいは他の市町村から「うちは１０を超えているのに避難しなくていいのか」という声が出ることも予想された。"

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⑨ "「社会不安をあおらない」ことを考えなければならなかった。そして、地元では「母親と一緒に福島にとどまりたい」という子どもの声もあり、一方で、親の事情で福島にとどまらざるを得ない子どももいた。そういった事情への配慮も必要だった。"

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⑩ "ある農業団体の私と同世代の男性が涙を流しながら訴えた。「先生、子どもはいますか？」続

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⑪ "「うちには小学生の男の子がいますが、どうしても家族と一緒にいたい、と何があっても避難しない。県が何を言ってもお父さんと福島でがんばると言ってくれています。今の基準が大丈夫なら、そのままで子どもの希望をかなえてほしい。」"

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⑫ "連日「子どもを守れ。早く避難させてほしい。２０なんてけしからん」と言われていた私には衝撃だった。何度も何度も専門家に確認しながら検討を重ねた。"

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福山哲郎著◆「原発危機　官邸からの証言」 から、議事録未作成問題 p１８０～１８１ 以下①～⑧まで連ツイします。 #福山哲郎 #官邸からの証言 #議事録

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① "全閣僚の出席する緊急災害対策本部や原子力災害対策本部は、官邸の大会議室で開催されていた。今回、原子力災害対策本部などの会議で、議事録や議事概要が作成されていなかったことについて、一部のマスメディアから「情報隠しの意図があったのでは」と批判された。" #福山哲郎 #議事録

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② "一般的に、政治家が、議事録の作成を官僚に確認することはない。官僚がメモを取って残しておくことは、政治家の間では当たり前になっているからだ。緊急災害対策本部が議事録を作成していなかったことは率直に反省せねばならない。" #福山哲郎 #議事録

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③ "しかし、当時は政府の限られた人員で、新たに発生する緊急事態にいかに対処するかを、議事録作成といった管理的業務より優先したというのがおそらく実態だった。" #福山哲郎 #議事録

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④ "当初の緊急災害対策本部では、各省庁から事故や避難者などの状況を記したペーパーが配布され、大臣がそれを報告することが主な内容の会議だった。資料はすべてファイリングされ、大臣の発言は担当官僚が必ずメモを取っている。官邸スタッフは「それで十分」と判断したのだと思う。" #福山哲郎

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⑤ "情報を集約し、共有することを目的に開いていた。そこで記録に残すべき重要な議論や意見の対立があったわけではない。「情報を隠そう」といった考えは、官邸スタッフにはまったくなかったと断言できる。" #福山哲郎 #議事録

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⑥ "議事録を残すためには、そのための人員を確保しなければならない。当時は録音を文字に起こして、議事録として残しておくというような状況ではなかった。" #福山哲郎 #議事録

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⑦ "当時の危機管理の担当統括官からすれば、目の前の事態に１分でも１秒でも早く対応し、ひとりでも多くの人命を救うことを最優先しており、議事録の確認作業には目が届かなかったのだろう。" #福山哲郎 #議事録

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⑧ "しかし、私自らの責任も含めて、地震発生から日が経ち、やや落ち着いた段階できちんと記録をまとめておくよう指示の徹底ができなかったことは反省しなければならない。" #福山哲郎 #議事録

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（官僚にとって議事録作成が当たり前の作業なら、官邸スタッフの誰が議事録不要と判断したのか。もしかしてご本人？）↓　

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福山哲郎著◆「原発危機　官邸からの証言」から、「ただちに影響はない」 p１９１～１９２ 以下①～③まで連ツイします。#福山哲郎 #官邸からの証言 #ただちに影響はない　

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① "「ただちに人体に影響を及ぼす数値ではない」という枝野官房長官の会見における放射能の評価についての発言は、官邸発の情報に対する国民の信頼を損ねた象徴的な言葉として批判された。"

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② "事故当初の放射性物質の発生量は、原発の近くに長時間いない限り、すぐには健康に影響を及ぼすレベルではなかった。これは複数の専門家に確認した。一方で、将来にわたって人体に影響を及ぼさないと言い切れるものでもなかった。"

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③ "枝野官房長官のこの表現は、ごく軽微な放射性物質の健康被害の可能性について言い表すためには、正確かつ率直な言い方だったと思う。私はそれ以上の的確な表現を今も思いつかない。"

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福山哲郎著「原発危機　官邸からの証言」 から 「官邸に会見を止められた」p80～81　以下連ツイします。 #福山哲郎　#官邸からの証言　

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① "この「爆発的事象」の官房長官会見については、前出のNHKスペシャル「シリーズ原発危機　事故はなぜ深刻化したのか」で取材を受けた際に驚いたことがあった。それは「保安院も当時、爆発事故を受けて会見する予定だった」ということである。"

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② "しかも、「その会見に官邸からストップがかかった」ということだった。私自身はそのことをまったく知らなかった。当時、私たちには保安院が個別にやる会見は念頭になかった。"

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③ "少なくとも官房長官と私の中では、官房長官会見が最も国民とのコミュニケーションを図るものだと考え、その会見をいかに十全たるものにするかが最優先課題だった。"

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④ "事の真相は、白煙問題で保安院が会見することを聞いた総理秘書官が「保安院が記者会見する場合は、それに関する情報を事前に官邸に上げてください」と伝えたことがきっかけだった。"

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⑤ "それまで保安院は、官邸に時刻も内容も連絡しないまま会見を開いていた。それでは情報が錯綜し、国民が混乱する。秘書官からの注意喚起を保安院は「官邸に会見を止められた」と受け取って、それ以降、保安院は「官邸の了承を得ない限りは会見はしないことを決めた」という。"