グラスの象徴

象徴シリーズ。
8
カタリコ @TreeMaple

グラスの象徴について。グラスは飲み物を入れる器として、水の象徴に関わる。水はユング派の思想においては無意識的な領域を表す。その器としてのグラス。ガラス製のグラスであれば、大抵は透明で透き通っている。透明で可視的な心の深層の器。 http://t.co/KzrXXoSd

2012-10-01 16:17:52
拡大
カタリコ @TreeMaple

そもそもグラスはガラス食器の内の飲み物を入れる器である。その起源は家畜の角であり、古代の西洋では牛などの角を使い酒を飲んでいた。やがてこれを真似したリュトンが作られるようになったが、底が尖っていてテーブルには置けない。そこで脚や平らな底がつけられるようになった。これがグラスの起源

2012-10-01 16:22:22
カタリコ @TreeMaple

グラスは用途によって、ウイスキーグラス、シャンパングラス、ブランデーグラス、リキュールグラス、カクテルグラス、サワーグラス、パンチグラス、タンブラー、ゴブレットなどがある。ガラスの質透明度によって中身の味が影響されることがある。特にワインなどは液の色の見え方で味わいに影響が出る。

2012-10-01 16:28:51
カタリコ @TreeMaple

静物画において、倒れた器がヴァニタス、落ちたら割れるガラスとしての生の儚さや、中に何もないという空虚な虚しさをを象徴する場合もある。西洋世界において、グラスを考えたときに必ず出てくるのは、十字架のキリストの血を受けた器としての「聖杯」である。聖杯の探索で有名なのはアーサー王伝説。

2012-10-01 16:46:21
カタリコ @TreeMaple

この聖杯を探し求める行為は、天上の財宝を探し求める比喩となる。それゆえユング派の深層心理学においては、聖杯は「人間が常に求めた内面の拡充」であり、天上への志向と意識である。一方で、受容するとともに授ける女性原理を表し、一種の霊的な子宮であり母に、聖杯の象徴はなりうる。

2012-10-01 16:52:17
カタリコ @TreeMaple

聖杯の探求においては見つけることは稀であり、その過程の内面探求の比喩としての探索の行程こそが重要である。中々見つからないことによる内面の危機と、試練、それに必要な瞑想。すぐ近くにあるのに見えない。まるでメーテルリンクの青い鳥。探求によって精神と心が変容し、目に見えぬ財宝を掴み取る

2012-10-01 17:00:13